『Wayback Machine』で過去のニコニコを思い出してみる
Wayback Machineというサイトがある。
これは特定のWebサイトのURLを入力することで、そのサイトが過去にどんな感じだったかを振り返ることが出来るサイトだ。
なんだか最近の自分は昔の思い出ばかりを漁っている。
つながる旅行記も、最近の旅行も、思えば昔の振り返りばかり。
だったら自分のハマったサイトの過去も振り返ってみよう。
そう、人生の多くの時間をつぎ込んできた……『ニコニコ動画』を。
ニコニコ動画とは、まだYoutubeが日本では流行ってなかった頃に作られた動画投稿サイトだ。
コメントが画面に流れるのが特徴で、当時はもうドハマりした。
今ではすっかりYoutubeに追い抜かれ、bilibili動画との利便性の差も著しいニコニコだが、今でもなんだかんだ楽しい。
(多分同じ年代が居るから居心地が良いのだろう…)
では、そんなニコニコ動画の過去をさっそく見ていこう。
最初期の記録をクリックしてと……。
出てきたのは「ニコニコ動画(仮)」だ。
見た目からもう、昔のサイトって感じがする。
ニコニコ動画はバージョンアップごとに末尾に色々付くのが特徴なのだが、最初は(仮)だったようだ。
ちなみにニコニコ動画が本格的に始まったのは2007年1月。
その頃はまだ初代iPhoneすら発売していない。
時代はガラケー&3G。
動画コンテンツはPCで見るものだった。
そしてサムネの上にある「YouTube」という表記は、Youtubeの動画ということである。
「ニコニコ動画なのにどういうことだよ」という話だが、実は初期のニコニコ動画は他のサイトにアップロードされた動画を引用し、動画上にコメントを流すサービスだったのだ。
なので当然、負荷がYoutube側にかかるわけで、のちにニコニコ動画からのアクセスはYoutubeに遮断されることになる。
しかしこうやって見ていると、ホーム画面の特集も懐かしさがすごい。
そんなニコニコ動画だが、自分の中で一番記憶に残っているのは、東日本大震災のときだろうか。
その頃の記録を見てみよう。
そう、このときはニコニコ生放送というストリーミングサービスで、地上波のテレビが見れる状態になっていたのだ。
当時自分はテレビのない生活だったが、これによってテレビのニュースも知ることが出来たのを覚えている。
実はこの地上波のネット放送の流れの裏には、とある出来事がきっかけになっていたらしい。
その出来事を紹介しよう。
震災が発生した後、スマートフォンでテレビ画面を撮影し、ライブ配信メディアの一つである「Ustream」で配信している14歳の少年がいた。
少年は、停電によってテレビが見られない人々に、津波などの災害情報が届くようにと、この行動に出たのである。
当時は携帯電話事業者のインフラ整備によって、通話はできなくてもデータ通信は可能な場所が増えていた。この少年の行動によってスマホで情報を得られた人は大勢いたことだろう。
とはいえ、この少年の行為は明確な著作権違反であり、配信が停止される可能性もあった。
しかしUstream側はこの配信を「停電によってテレビを見ることができない人々の貴重な情報源」と判断。一定期間は状況を見守ることにする。
同時にUstreamは、NHKに対して個人の再送信を許可するよう要請し、またNHK自体が公式にネット配信を行うべきだと提案した。
そして再送信の許可を得たうえで、NHKによる公式配信の準備が進められることになった。
また、この時点で少年のUstreamはTwitterでも話題となり、NHKの公式Twitterにもその情報は伝わっていた。
それに対してNHKの広報担当がツイートした内容は……
まさかの活用OK宣言!
このあとNHKはネット上でも地上波と同じ情報を流すという方針を決定し、他の放送局もこれに追随することとなる。
こうしてニコニコ動画やUstream、YouTubeなどで、地上波の番組が視聴できるようになったというわけだ。
……まさかあの震災での放送にこんなストーリーがあったとは。
そして少年の行動の早さよ。
いざというときに即座に人のために動けるというのは凄いな本当に。
そんなわけで、なんともいえない懐かしさと感動で包まれてしまった。
まあそんなニコニコは今やオワコンが叫ばれて久しいわけだが、個人的にはなんだかんだコメントがあったほうが楽しいと思う動画は多い。
ゲームさんぽも新たに始動してニコ動にも投稿されはじめたし、これからもお世話になると思う。
ただそのー……
倍速はさすがに一般会員でも1.5倍はできるようにしてもらえたら……
(無理っぽいか……?)