【つながる旅行記#299】機雷あれこれと船の材質についての学び【海上自衛隊呉史料館】
前回は今までよくわかっていなかった「掃海」と海上自衛隊の関係を知った。
さて、そんな掃海に関する展示がめちゃくちゃ充実しているのが今居る”てつのくじら館”なのだ。
もちろん機雷の実物も置いてある。
実物を見ると、機雷には角みたいなものがたくさんついているのがわかるが、これは触角というらしい。(センサー部分)
機雷には「触角に船体が触れると爆発するもの」から、「磁気に反応するもの」、「音響に反応するもの」、「航行時の負圧差に反応するもの」、「遠隔操作で爆発させるもの」などなど、かなりの種類がある。
そしてそれらを敷設するのはあっという間だが、排除するとなると危険な上に時間もかかる。
海の地雷ともいえる機雷は、陸上の地雷と同じくかなり厄介なものなのだ。
戦争中にこういった機雷をいかに排除するかを対機雷戦と呼ぶそうで、重要な航路に1個でも機雷が見つかったらさあ大変。
それが他にいくつあるのか、機雷が反応する要素はなんなのか、あれこれ考えて即時対応しなければならない。
そして機雷を設置する側も、当然ながら違う反応で爆発するものを混ぜることで掃海をしにくくしてくるので、更に厄介である。
敷設側と排除側で技術革新のいたちごっこが続いているのだ。
また、今では遠隔操作で機雷を処分する海中ロボットも使われている。
(やっぱりこういう分野はロボットが大活躍なんだな)
……と思いきや、人の手での機雷処分が逆に増えているなんて話も?
とにもかくにも、こうやって掃海の技術を磨き続けている海上自衛隊は、海外の機雷を掃海しにも行っているらしい。
ここではペルシャ湾に向かったときの展示がされている。
なんでもペルシャ湾での掃海作業は、長袖作業着で防塵メガネとマスクをしつつ、気温40℃の中で作業したとのこと。
自分だったら速攻で熱中症になってそうな過酷すぎる環境。
すごいわ自衛隊……。
そして個人的になるほどと思ったのが、掃海艇の材質についての展示だ。
今まで自衛隊の船を見てきて、「よく見たらこれ木製……?」ということがあったりしたのだが、それは磁気機雷に対応するためだったらしい。
ただ、木製ではやはり耐用年数的に不利であり、年を経るごとに水を吸って燃費も悪化するため、近年では基本的にFRP(強化プラスチック)が採用されているようだ。
「自衛隊なのになんで丈夫な鉄製じゃないんだろう…?」なんて思っていたが、船の材質にもちゃんと理由があったようだ。
今更ながらに学びを得た。
そんなわけで、掃海に関する展示が充実しまくりだったてつのくじら館。
……しかしまだ続きがある。
なんと入口で見たあの巨大な「潜水艦あきしお」の中に入れるらしいのだ。
潜水艦は機密だらけだと聞いた気がするが、対策済みだから写真撮影もOKとのこと。
いやはや、入館料無料といい実に太っ腹である。
果たして潜水艦の中はどんな事になっているのだろうか……?
次回へ続く!!