ぼざろ最終話を終えて蘇った、思い出すべきではない記憶
ぼっち・ざ・ろっく、最高だった……。
まさか「アニメはしばらくしてニコニコあたりに来たら見ればいいや」というスタンスだった自分が、リアルタイムでABEMAで見るようになるとは。
久々に本気で熱中できる作品に出会えた気がする。
前半のライブ演奏の素晴らしさ、後半の日常感、サラっとしたラスト。
やっぱり作る側の本気と楽しさが見える作品は良い。
2022年はクリぼっちすら良い思い出として昇華された。
原作もまだ十分あるし、この人気なら2期も確実だろう。
生きる希望が湧いたな!
……しかし同時に問答無用で蘇ってきた記憶がある。
そりゃアニメで文化祭が描かれたので仕方ないのだが、
自分が過去経験した文化祭についての記憶だ。
高校で3回は触れる機会がある文化祭。
しかし自分はその記憶が薄い事に気づいた。
この際だ。しっかり思い出してみよう。
自分の高校時代の文化祭はどうだったかというと……
高2と高3の記憶しかないな……。
いじめを受けていた記憶を忘却していた記事を前に書いたが、
実は他にも都合の悪いこと忘れてんじゃないか説が出てきた。
それはともかく覚えている文化祭についてだ。
高2は愚にもつかない展示を教室でやって、何の青春感もなく過ぎたのでどうでもいいとして、やっぱり高3は「最後なんだから記憶に残さなきゃ……!」という思考で動いていた気がする。
自分のクラスの唐揚げ屋か何かの当番は、「部活の展示作業があるんで…」ということで逃げたものの、文化祭の空気感を感じるために校内を歩き回ったのを覚えているし、なによりライブを見に体育館へ行った。
そうだ。
そうだよ……
そしてそのライブでボーカルだったのが、過去に自分をいじめた子である。
まあいじめられた記憶を忘れているので、自分にとってはむしろ良い奴くらいに思っているわけだが……そう、ライブのボーカルだったんだわ。
いやもう、陽キャのトップじゃん……!
とんでもない存在と小中高で一緒だったことに今更気づいた。
しかしバスケ部の彼はなぜ軽音部にも参加していたのだろう?
ボーカルならいけるもんなのか……?
……なんにせよ、高3のときに記憶に残そうと文化祭を見て回ったのは大事だったと思う。
学校でのライブという普通ではないイベントで、普段見せない生徒の表情やテンションを間近で見たことや、文化祭が終わったあとの寂しげな空気感を噛み締めたことは、その後見るアニメでの文化祭描写への共感力を相当上げていると思う。
あのとき動いた過去の自分に称賛を送ろう。
でもあれだけ記憶に留めようと努力したのに、「文化祭シーンを見る」というトリガーがないと思い出せないレベルだったのはあれだな……。
……なんか嫌なことでもあったのかな?
そう考えて更に記憶を探る。
そして思い出す。
ライブ後にあったミス・ミスター選手権。
そしてその後のベストカップル選手権(地獄)。
そう、ライブなんて序の口だったのだ。
陽キャの真髄はその後にあった。
体育館に集まった大量の生徒の前で繰り広げられる、
学内カースト最上位の祭典。
容姿に恵まれた集団へ送られる黄色い声援。
そしてなぜか一緒に拍手をしている自分。
ベストカップル選手権なんて今思い出したら相当なことをしていたように思う。
ステージにあがったベストカップルたちのイチャイチャシーン(軽い表現にしている)を延々見せられるのだから。
しかもそれが見知ったクラスメイトなんだからエグい。
見る側も凄いもん見ちゃってる感があったが、ステージに立ってる側はどんな心境だったんだろう。なんだか凄まじい脳内物質が湧き出てそう。
当時自分はギャルゲーに溺れていたのでまだダメージは少なかったが、もし好きだった子がイケメン彼氏とステージ上であれやこれやなんてしたら、発狂する人間が出てもおかしくはなかったんじゃなかろうか……?
なにせ美男美女揃いなのだ。それぞれに好意を寄せていた生徒も大勢いただろう。
しかし黄色い歓声のなかに悲鳴はなかったように思う。
……いや、その状況で声なんて出ないか。
なんて恐ろしいイベントだよ……!!
そして周りに合わせて拍手しつつ「ヒュ~~!!」とか言ってた自分。
場の空気が多少は読めていたようである。
……なるほど。
記憶が薄れていた理由がわかった気がしないでもない。
これはあまり思い出すべきものではなかったようだ。
「時が経てば良い思い出になるから……」なんて意見があるが、これはあと30年くらいはしまっておくべきものだった。
発動しろ!!解離性健忘!!
今年もあとわずかだ。
皆さんも風邪とかに気をつけて過ごしてほしい。
―――後夜祭の記憶は、無い。
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