『アナログ時計』が読めない若者を憂う自分の部屋には、デジタル時計しかなかった。
なにやら世界中の若者がアナログ時計を読めなくなっているらしい。
例えば、あのアナログ時計の代表みたいなビッグ・ベンを擁するイギリスでは、なんと6人に1人がアナログ時計の指す時刻が理解できないという。
一応わかるという人の多くも、正しい時刻を把握するのにいくらかの時間がかかってしまうようだ。
これは大変なことになってきたなあ……!
※(まあこれは4年前の動画だけど)
いやいやもちろん自分はアナログ時計を読めますとも!!
せっかくだしテストしてみよう。
ではさっそくテスト開始。
・・・
そして回答終了。
結果はもちろん全問正解で、50秒で9つの時計を読み取った。
つまり時計1個あたり約5.5秒で時刻がわかったことになる。
……なるほど。
時刻を把握するのに”5.5秒”か……。(書いてる時間も含むが)
腕につけているスマートウォッチをちらっと見る。
1秒もかからずに【20:15】ということがわかった。
だってこれは『デジタル表示』だから。
……そうなのだ。
正直どう考えてもデジタル時計のほうが早く時刻を把握できるのである。
いやもちろん、一瞬で針の位置を正確に把握して時刻換算出来る人や、なんとなくでいいから把握したいだけの用途ならアナログ時計でも構わないのかもしれないが……。
しかし正確な時間把握が必要な仕事でアナログ表示を使う場合は、自分が行ったテストのときみたいに、絶対に間違えないように数秒かけてしっかり確認するはずだ。
なにせ針の位置を少し見誤るだけで、1時間のズレが生じる可能性があるのだから。
だが最近のタイパが叫ばれる世の中で、時間の把握をするたびに毎回デジタル表示の何倍もの時間が必要なのはどうなのだろうか……?
例えば上の画像のアナログ時計の場合で、自分がどんな思考をして時刻を把握していくかを書き出してみよう。
こんな感じである。
微妙な針の配置だった場合、数秒の間にこれだけのことを考えつつ視線も動かさなければ、正確な時刻の把握すらできないのがアナログ時計なのだ。
そしてこの厄介さは周知の事実だからこそ、上でやったテストプリントなんてものが存在するのだろう。
なおデジタル表示だと先程の時計はこうなる↓
……素晴らしい。
そういえば、自分はいくつの時計をもっていただろうか?
部屋の中にある時間を表示するものを探してみる。
するとPCやスマホは抜きにして、スマートウォッチを含めて5つほどの時計が我が家には設置されていた。(主にAmazonEchoだけど)
それらは全てがデジタル表示だ。
我が家にはアナログ時計は一つもなかった。
もちろんこれは自分が望んだからこうなっている。
もうこの2点だけでも、デジタル時計を選ばない理由がないのだ。
というか、アナログ時計を過去にたっぷり見てきた自分が今ではすっかり完全デジタル状態になっているわけだし、これでは生まれたときからデジタル時計で育った若者がアナログ時計を理解しがたいのもわかる。
自分だって今更「日時計使えよ」とか言われたら困るし。
(というかちょっとだけ日時計について調べたら、複雑すぎて頭がパンクした)
だがもしかしたらそんな我が家から駆逐されたアナログ時計にも、なにかメリットがあるのかもしれない。
ここは自分の検索スキル(凡庸)を駆使して、利点を収集してみよう。
(なおスーツに合うとか、資産的な価値が云々とか、そういうのは除外するのであしからず)
結果はこんな感じである↓
こうしてみるとアナログ時計にもメリットはあるらしい。
というか子供のあれこれを語っているサイトが多い印象だ。
「子供にアナログ時計を見せないと大変なことに!!」みたいな。
ここで自分の時間把握の仕方を考えてみると、デジタルの時は基本的に表示された時間から暗算を行っている気がする。
例えば時計に表示されたのが【13:41】だったら、【60−41=19】を頭の中で計算し、「まだ14時まで余裕あるな」と思ったりするわけだ。
しかしこれは「暗算能力」や「1時間は60分である」という前提知識を駆使しまくりだということに気付く。
まだそういう勉強をしていない小さい子供にはどう考えても難しい。
自分は過去に作業用にと勉強タイマーを探したことがあったが、製品の中には以下のような視覚で理解しやすいものもあった。
子どもの視点に立ってみれば、たしかにこうやって視覚的にわかりやすいほうがいいのかも……?
考えてみれば自分はデジタル時計ユーザーではあれど、頭の中にアナログ時計を召喚して時間把握をすることもたまにあるのだ。
なんだかんだでアナログ時計の良さも享受していたのかもしれない。
しかしこうなると、デジタル時計しか知らない子供はどんな風に時間を把握しているのだろうか?
アナログ時計にメリットがありそうなのはわかったし、なにやら子供にも優しそうなことは伝わってきた。
だがデジタル時計で育ってきた子供は、他の世代より劣化しているという考えは正しいのだろうか?
いや何が言いたいのかというと、生まれてからずっとデジタル時計だけで時間把握をしてきたからこそ、アナログ時計を知る世代では理解できない思考法で時間を認識しているのではないかということだ。
自分は小さい頃にアナログ時計で育ってきたので、デジタル時計に囲まれた今でも頭の中に時折アナログ時計が浮かんでしまうわけだが、彼らにはそれが一切ないわけで。
つまりデジタル的な認識しか知らないなりの……アナログ時計の円グラフ的理解とはまた違った時間把握を習得している可能性はないのだろうか?
それがどんな効果をもたらすのか、そして本当にそんなことをしているのかは研究者にでも調査してもらわなければわからないけども。
ラマヌジャンが頭の中で何をしてるかが我々には理解できなかったように、彼らも何か頭の中で凄いことをしてたら面白いなと思う。
そこからなにか新しい発想が生まれたらなお良い。
まあこんな記事を書いといてあれだが、日本では時計の読み方について学ぶことが学習指導要領で定められているので、アナログ時計が読めないなんて子供は少ないとは思う。
というかアナログ時計は12進法と60進法の概念が入り交じっており、よくよく考えたら難しいものなのだ。
なので学校で学ぶ機会がなかった場合、そのまま理解できずに終わってしまうのはわからんでもない。最初の方で挙げた動画の若者のように。
とはいえ学習指導要領に定められているからといって、みんながそれをしっかり学習できているわけじゃないのは、『47都道府県の名称と位置』の正答率を見ればわかる。
つまり日本にだってアナログ時計を読めない人はいる……?
なんにせよ、学ぶことが昔より増えまくりでランドセルも凄まじい重量になっているという今の子どもたち。
その……
頑張っていこう!! (雑)
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