【つながる旅行記#127】初めての富士登山の行方は…!?(本八合目→剣ヶ峰)
前回は本八合目まで登り、いよいよ富士登山終盤戦だ。
さすがに疲労が目立ってきている。
酸素が足りないせいなのか、一歩進むごとに果てしない重さが襲いかかってくるのだ。
ちょっと急いだりなんかしたら、しばらく立ち止まって息を整えないと厳しくなってきた。
休みながら、時折景色を見てやる気を奮い立たせる。
すると、雲海ばかりだった今日の富士山が、ちょっとだけ地上の景色を見せてくれた。
あれは……かつて行った河口湖……!!(#2参照)
当時は深夜で何も見えず、速攻で引き返して山中湖へ向かったが、まさか富士山からまた河口湖を見ることになるとは……。
あの頃は下から富士山を見つめるだけだったニートが、
今は自分の足で富士山を登っているのだ。
人生何が起きるかわからない。
なんだか少しだけ気力が湧いてきた。
もうひと踏ん張り……!
……ん?
なにかが空に……?
マークを見るに、どうやら朝日系のヘリコプターのようだ。
「初めての山の日」の登山状況を撮影しているのだろうか。
前回見た鳥居にどうにか到着。
富士山の山頂は浅間大社の土地だと聞いたことがある。
ここから先がそうですよってことなのだろうか……?
ここから少し歩くと……
山頂です!!
あぁ……長かった……。
現在時刻はというと、11時くらい。
そういえば山頂が一番空気が薄いはずなのでもっとキツイのかなと思っていたのだが、登りではなくなったせいかむしろめっちゃ楽だ。
周りの人も登山道ではうつむきがちだったが、ここでは生き生きしている気がする。
平地最高!!
お土産屋でバッジを購入し、今日の日付を刻印してもらう。
なにせ国が定めた初めての「山の日」である。
さすがに記念品を買わねば。
さて、だがゆっくりはしていられない。
ここは富士山の最高地点ではないのだ。
自分はこの後、本当の最高地点である「剣ヶ峰」にいかねばならない。
だがこの剣ヶ峰は、見事に富士吉田ルートの山頂から真反対にある。
なのでこれから山頂火口を一周する。これがお鉢巡りである。
いやしかし凄まじい荒々しさだ。
山頂にある小山の一つ一つが仏の姿を表しているとかいう話があったが、この荒々しすぎる景色の中に仏を見るとは、かなりの想像力だなと思う。
ちょっと剣ヶ峰の辺りをズームしてみよう。
なんだかとんでもない坂が見えたが、あれが最後の難関、馬の背である。
もちろんあれを制覇して最高地点に向かうつもりだ。
しばらく歩いて、富士宮ルートなどから来れる山頂に到着。
こっちのほうが剣ヶ峰は近い。
いやしかしホントに山頂は歩くのがめっちゃ楽だと思う。
たいして坂もないし、お鉢巡りが楽しすぎる。
ではいよいよ馬の背を登っていこう。
……なるほど。
これはたしかにきつい。
なにがきついって、足元が滑るのがきつい。
1歩進んで0.5歩下がる感じというかなんというか。
だが今までの長い登りに比べたらこれくらい……!
馬の背、攻略完了!!
そして最高地点の碑がある気象観測所へ……
これで本当に、日本最高峰登頂!!
やり遂げたよ……!
初めての山の日に行った初めての富士登山は、無事に成し遂げられた。
これもまた、わけのわからん仕事を選んで、休日にはわけのわからん徒歩移動を重ねた結果だ。
長期休暇と鍛えられた足がなければ、物臭な自分は決して「山の日に富士登山しよう!」なんて思っていなかったことだろう。
人生は本当に何がどう作用するのかなんてわからないな……。
……さて、時刻は11時30分。
ちょっと場所移動してお菓子でも食べよう。
思えば全く行動食を食べていないのだ。
めっちゃパンパンになってた。
小学校の頃に、「富士山にポテチ持っていくとすごいぜ!!」というような話をしていたのを思い出す。
気圧がどうのこうのとか、今の今まで完全に忘れていた。
……さあ、いままで摂取しなかったカロリーを存分に摂取したところで、再びお鉢巡りを再開しよう。
しかしホントに遠くから見ただけじゃ想像できない場所だ。
思えば、こんなところに昔の人は草履とかで来てたってこと……?
いやもう超人すぎるだろ……。
昔の富士登山に思いを馳せつつ、お鉢巡りは完了。
また富士吉田ルートの浅間大社へ戻ってきた。
時刻は12時30分。
お鉢巡りは1時間半くらいかかると聞いていたが、本当にそれくらいかかるようだ。(休憩込みで)
しかしなんだか……
いきなり寒くなってきたぞ……!
雲が山頂を覆い始めてから、気温が一気に下がった。
持ってきていた上着を1枚着たがまだ寒い。
目的は果たしたし、そろそろ下山することにしよう。
下山道のスタート地点に到着。
ここからはひたすら降りていくのみだ。
ありがとう富士山。
またいつか来るよ……!!
……なんか終わった気になってるが、登山は下山して終了だ。
今日は約1400m登って、お鉢巡りまでしている。
足には確実に疲労が蓄積されていることだろう。
下山こそ油断してはならない。
気を引き締めていこう……!
下山編へ続く……!
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