ノートPCクーラーの中に居たもの【守り神】
今日も今日とて芋ういろ作り。
やはりコーヒーと芋ういろの組み合わせは至高である。
今回は初めて牛乳を加えてみたので、どうなるか期待だ。
だが気温が暖かくなってきた今、加熱後の冷却が問題となってくる。
冬の間は袋に入れてベランダに放置なんてことをしてSDGsに貢献してきた自分だが、今の陽気ではもはやそれも厳しい。(虫たちも活発だし)
かといってホカホカのまま冷蔵庫にすぐ入れたら、電気代もすごそうだ。
そんなわけで、なにかこう熱伝導率が良さそうなものを探していると……
あった!!
ベストすぎるものが!!
ノートPCクーラーである。
かつて使っていた騒音ゲーミングノートPCを少しでもなんとかしようと使っていたアイテムだが、最近はめっきり使わなくなっていた。
考えてみれば熱伝導率はもとより、冷却ファンを回せばさらなる高速冷却が可能なのでは……!?
(SDGs?知らない単語ですね…)
しかしなんというか、こういうアイテムの別の使いみちの発見をすると本当に楽しくなってくる。
こうなる度に自分にはミニマリストは無理だなと思うわけだが、これからも使うかわからない微妙なものを保持したまま生きていこう。
いやしかしこれは良いものをみつけたぞ……!
だが手にとってみたら、なんだか茶色いものが中で動くのがうっすら見えた。動くと言っても生きているわけではない。
カラッカラな感じ。
軽く見た感じでは、2cmくらいの羽虫のようなものかなと思った。
……そういえば、PCにおける「バグ(虫)」の話は定番である。
1947年にリレー式計算機であるHarvard Mark IIの不具合を調べていたグレース・ホッパーが、リレーの中に入り込んだ蛾がその原因であることを突き止め、それがきっかけでPCの不具合などを「バグ(虫)」と呼ぶようになった……みたいなやつである。
まあ実際にはその1世紀前の1878年に、エジソンが普通に「バグ」という単語を不具合的な表現に使用している。
なのでなんだか聞く度にもにょる話なのだが……それはともかく。
まあドアを開けたら部屋に虫が入るのはよくあることだ。
この虫もなんだか色々あって迷い込んだのがこのノートPCクーラーの中だったのだろう。
しかし隙間なんて全然ないような気もするが……。
上部の2mmくらいの隙間か?
いや、本体裏の丸い穴は5mmもある。ここか。
まあでも製品的に必要な穴だし、こういうことは仕方ないのかもしれない。
・・・
いや、
あらためて見るとこれ……
虫じゃないぞ……?
ヤモリ……?
光を当ててよく見ると、めっちゃトカゲ感のあるフォルムが見えた。
実は今の賃貸はわりと周りに自然がある。
ヤモリ自体はベランダでたまに見たりはしていたのだ。
しかし家の中でなんて、一度も遭遇したことはなかったのだが……?
なんにせよ、これは取り出してやらなければならない。
というわけでノートPCクーラーを破壊していく。
いや全然開かないが?
これはノートPCの分解のときに定番の隠しネジか……?
そんなこんなで分解完了。
さてさて……。
うん、これはやはりヤモリだ。
完全にミイラ化している。
しかしまさかこんなところで家を守っていたとは……。
体長は4cmいかないくらいだろうか。
ヤモリは大人になると8〜10cmにはなるそうなので、これは子供のヤモリだったのだろう。
そしてこの特徴的な手!!
ミイラ化してもなお、この構造は残るのか。
この「趾下薄板(しかはくばん)」の表面のナノサイズの毛の集合がファンデルワールス力を作り出し、ヤモリはガラスだろうが自由に登ることが可能となるのだ。(アクア・トトぎふ調べ)
貴重な調査も出来たことだし、明日にでもお墓を作ってやるとしよう。
そしてこんな記事を書いているうちに、芋ういろも良い感じに冷めた。
冷蔵庫に入れて、明日の朝ごはんにしよう。(糖質爆弾)
思えばベランダでヤモリを見たとき、「捕まえて飼おうかな……」と考えたことがあった。
だが、「いや餌が虫だし無理だよな」と速攻で思い直し、諦めたのである。
それがまさか同じ空間で一緒に生活していたとは……。
彼も人知れず小さな虫を処理してくれていたのかもしれない。
感謝を込めて手厚く葬ってあげよう。
……そういえば線香もある。
ここは盛大に薫琳でも焚いて、送り出すとしようか……。