【つながる旅行記#248】雨の『中池見湿地』を歩く【敦賀】
前回は天筒山に登り、敦賀の街を眺めた。
そして展望台で知ったのが、街の反対側にある中池見湿地。
今回はそこに向けて歩いて行こうと思う。
途中にあった神社に寄ったりしつつ山を歩いていく。
やはり山は良い。
そんなことを思っていると……?
雨が降ってきた。
おいおい……!
雨への対策なんてそんなもの……!
もちろん完璧である。
自分は常に折り畳み傘も登山用の防水靴も完備しているのだ。
(ゆえにオシャレすぎる神戸には一切馴染まなかったが)
そんなわけで準備が活かされたことに圧倒的満足感を得つつ、中池見湿地に無事到着。
まるで隠れ里を見つけたかのような雰囲気が漂う。
良いぞ……!
おお……!
これは#236の若狭歴史博物館の近くにあった民家と同じ『水』の意匠だ。
なんでそんな文字があるのかというと、防火のおまじないだという。
もとを辿れば寺社や城などで使われる懸魚(げぎょ)に由来するらしいが、かつて懸魚の使用は一般人には許されていなかったので、「水」の文字で代用したとのこと。
(なんだか『水』のほうが直球だし効果ありそうな気もする)
今のところここには自分以外に来ている人もいないようで、辺りにはカエルの鳴き声だけが響いている。
す、すごく良い雰囲気……!(田舎の実家を思い出す)
画像ではわかりにくいかもだが、田んぼの中には『根木』と地元の人が呼んでいる切り株が埋まっている。
樹齢数千年ともいわれる杉の木らしいのだが、簡単には掘り起こせないので放置されているのだ。
湿地のあちこちに根木は存在するようで、当時の人の苦労が忍ばれる。
ビジターセンターがあったので中に入ってみよう。
さっき田んぼの中にあった根木も展示されていた。
こんなものがそこら中に埋まってたら、確かに仕事にならなそうだ。
そして一言に「湿地」と言っても色々なできかたがあるらしい。
「水田は人工の湿地」……たしかにその通りだ。
そして田んぼにも種類があり、中池見の場合は湿田とのこと。
湿田は一年中水が抜けない田んぼなのだが、作業面でもかなり厄介で畑作にも転用できないため、明治以降は国レベルで湿田から乾田への転換が進められていたりするそうな。
いやはや大変勉強になった。
やっぱりなんでも寄ってみるものだなって。
それでは知識を得たところで、湿地を歩いてみよう。(雨だけど)
いや〜、自然を味わえて本当に最高だけど……
(どうやって街に帰れば良いんだろう?)
…………。
まあ計画性がないのは今に始まったことではない。
大人しく来た道を戻ろう……。
せっかくだし登ってなかった丘にも寄って、最後に湿地を眺めるとする。
なんだか懐かしい気分になれて良い場所だったな……中池見湿地。
別の季節の姿も気になるところだ。
それじゃあ……
頑張って歩いて帰ろう。
そんなわけで敦賀駅に到着。
都怒我阿羅斯等が手を上げて迎えてくれた。
思えば都怒我阿羅斯等から始まり、松本零士、銀行、神宮、人道の港、戦場、発電所、そして湿地。
なんだか2日でずいぶんと敦賀から学べたことは多い気がする。
全然調べてなかったけど、思いきって旅行してよかったな。
そんなことを思いつつ、帰りの電車に乗り込んだのだった。
次回へ続く……!
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