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種入ってるんですけど?(^^#)【シャインマスカット解説】
「シャインマスカットは安定して美味しくて最高だなあ(^^)」
ガリッ!!
「……(^^#)」
果物を買うのが苦手だ。
腐ってたり、甘くなかったり、
ギャンブル性が高すぎるから。
そんな中で、シャインマスカットという存在には感動していたのだ。
こんなに食べやすくて、甘さも見分けやすいものはないなと。
「皮ごと食べられて種もない」
「色が黄色いほど甘い」
「追熟はしないので買うときに色を見るだけでいい」
(神……?)
楽さを常に求めている自分にとっては、まさに天からの贈り物としか思えない果物、それがシャインマスカットだったのである。
だから300円の梨の購入に迷う自分が、今回も1000円出してシャインマスカットを買ったわけだ。
信用していたから。
それが「ガリッ!!」っておま……
そもそもパッケージに「種なし」って書いてるでしょうが!!
シャインマスカットだからといって絶対に種がないわけではない。
そうなのである。
自分は勝手にスイカの3倍体のような仕組みだと思っていたが、シャインマスカットはそんな方法で作っていないのだ。
実はシャインマスカットという品種は、自然に任せて作ると普通に種ができちゃうものらしい。
思えば自分は、特に理屈を調べもせずにシャインマスカットを買っていた。
そんな姿勢でいいんですか?
内なる自分が「別にいいんじゃね…?」と言っている気がしてならないが、これもまた良い機会である。
シャインマスカットについて、深掘りしていこう。
結論から言うと、
シャインマスカットの種なし化には、ジベレリン処理というものを行う。
![](https://assets.st-note.com/img/1695273053463-xBFRcddT5c.png?width=1200)
なんだこの薬剤!?
知識がないゆえにヤバさしか感じないが、実はジベレリンは植物ホルモンの総称で、栽培にはよく使われている定番アイテムである。
危険は……多分ない!!
シャインマスカットは栽培工程の中で、ジベレリンに2回漬けるのだ。
1回目は種無し化のためで、2回目は果実の肥大化のために。
そしてこんなふうにジベレリン処理で種無しにしているのはシャインマスカットだけではなく、「クイーンニーナ」や「ナガノパープル」なども同じ工程で種無しのぶどうを生み出している。
シャインマスカットだけが特別なわけではなかったんだな。
へぇ……(無知)
しかしそうなると、今回遭遇した種ありシャインマスカットは何だったんだという話である。
ジベレリン処理を忘れたのか?
……いや、そうではないのだ。
最近、シャインマスカットの豊作がニュースになっていたが、これが種ありシャインマスカットの出現に大きく関わっているようなのである。
なぜ今年は豊作になったかといえば、恵まれた天候によるところが大きい。
だが連日の猛暑でブドウがぐんぐん育ったのは良いのだが、それで開花のタイミングがズレて、ジベレリン処理(無核化)が上手くいかなかったものが出てきているらしいのだ。
先程載せた動画のように、ジベレリン処理は人間の手作業で薬液をつけていくわけだが、これはベストなタイミングで行わねばならない。
しかし思わぬ生育状況の変化で作業が間に合わず、ミスることもあるのだ。
その結果、今回の自分みたいに種ありシャインマスカットに遭遇することになるというわけ。
そんな種ありシャインマスカットだが、
Twitter.comでは多くの人々の優しいコメントが並ぶ。
「種あったけど問題ないよ!」
「種ありでも美味しいよねw一緒に食べちゃうしw」
「皮が食えるのが良いのであって、種くらい誤差だわ」
「種があったら吐き出すだけだろ?」
「種がある方が甘くて美味しい♡」
ふふっ、暖かいなあ😊
……でもなんだろう。
自分はまったく納得いってないのだが……?
種無しだから、おかしな値段でも買っていたんだよ?
種ありだったら買ってないよ?
……いや、これも心の狭いやつと思われるだけか。
悲しいかな、自分が安心して買える果物の選択肢は再び消滅したようだ。
あのシャインマスカットを持ってしても、果物のギャンブル性からは逃れられなかったのである……。
なお、記事ではジベレリン処理にしか触れていないが、実際は栽培過程であれこれ作業が山積みで、今年は未開花症に悩まされたりなど農家は大変だったようだ。(豊作だけど)
とはいえ、これを機に様々な技術と研究の果てにこういう商品が生み出されていることが知れてよかった。
農業のAI化が進めば、100%種無しになることも夢ではないのかなと思いつつ、引き続き種が入っているかの博打を行うとしよう。
![](https://assets.st-note.com/img/1695278096658-gHkCP8KcAX.jpg?width=1200)
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