【つながる旅行記#319】ジオラマいっぱいな高知城をゆく【古式捕鯨】
前回は高知城の入口付近で銅像の多さに触れた。
ではいよいよ今回は高知城の中心部へと向かうとしよう。
なんだか既視感のあるアイス売り場があった。
なんだっけこれ……
青森の恐山にあったような……?
いやこうして見返すと全然似てない。
やはり自分の記憶力は当てにならないことがよくわかった。
アイスクリンとやらを食べたい気持ちを抑え、先へと進む。
「高知城懐徳館入口」と書かれた建物の中へ入っていく。
こちらは場内に建てられた御殿の一つで、かつて被災したそうだが1747年辺りに再建されたものだそうだ。
再建と聞くと最近のことかなと思ってしまうが、約300年前だとは……!
建物を抜けると本丸広場に到着。
実は高知城は、『天守&本丸御殿(+本丸の建物群)』が全国で唯一現存しているというすごい城だったりするのだ。
高知もまた太平洋戦争では何度も空襲を受け、市街地の大部分は焦土と化したらしいのだが、高知城はなぜか助かったという。
うーむ、奇跡……!
ではそんな貴重な場所にさっそく入っていくとしよう。
いやしかし8月半ばの高知は本当に暑いな……
暑さにやられつつ場内に入ると、まさかの冷え冷えおしぼりサービスがあった。
未だかつて城の中でこんな配慮をされたことがないので感動である。
ありがてぇ……!
なんとなく畳を見ると縁の模様に目が行く。
これは静岡県にある沼津御用邸のガイドの方に畳縁(たたみべり)について力説されてからついた癖だ。
はてさて、この模様は一体なんというのだろうか……?
金井畳店のサイトを見ると、沼津で見た『小紋高麗縁』と対を成す、『大紋高麗縁』っぽいと思われる。
本来は親王・摂関・大臣が使うものらしいので、なんかたぶんすごいぞ!
御殿部分を抜けて天守部分に入ってみると、ジオラマがお出迎え。
どうやら築城風景を再現しているようだ。
先へと進み、現存天守おなじみのめちゃくちゃ急すぎる階段を登っていく。
すると今度はしっかり築城されたあとの高知城の姿がお出迎え。
良いねぇ……!!
そんなこんなで天守の最上階まで到着したので、高知市を見渡す。
かつては城の主しか見られなかった風景が今は一般人でも見れることに感謝だ。(様変わりしてるけど)
景色をズームして観察していると、何やら山の中に観音像らしきものが見えた。
宮島の一件で「新興宗教か!?」と思わず身構えてしまうわけだが、どうやらこれは『成田山不動院 万万天龍大観音像』というものらしい。(長い)
そしてGoogleマップで見ると、盛大に太陽光パネルが並ぶ中に観音像が立っているという不思議空間であることがわかる。
寄せられたコメントによると、「元々は霊園を建設予定だったが、計画が中止になって仏像だけが残され、そのうちソーラーパネルが置かれた」とのこと。
まあ開いた土地を無駄に放置するよりは発電したほうがマシか……?
新たな発見をしつつ、天守最上階をあとにする。
やはり遠くを見れると発見があるものだ。
自分の視力は全くもって使い物にならないが、ズームカメラのおかげで非常に世界が広がるのを感じる。
やはりコンデジに求めるのはズーム性能だよな……!
そして唐突に登場する捕鯨ジオラマ。
土佐は藩政時代に古式捕鯨をしていたことでも有名だったらしい。
巨大なクジラに対して、20隻の船でチームを組んで対抗するという古式捕鯨。
それぞれの船には「網をかける」「銛を投げる」などの役割があり、チームがしっかり機能しなければ狩りは成功しないという。
これは一筋縄ではいかなそうな凄まじい仕事だ。
だがこうやって命をかける価値があるくらい、成功時には多くの恵みがもたらされるということなのだろう。
こ、これは漫画とかで奴隷がやらされがちなグルグルマシーンでは!?
これが実際に便利装置として活躍することがあるとは……!!
なお、「海獣学者、クジラを解剖する。~海の哺乳類の死体が教えてくれること」によると、現代で大型クジラがストランディングした際には、皮むきは皮膚に穴を開けて、パワーショベルで引っ張って行うらしい。
それを人力でこなしていた土佐の漁師、凄すぎである。
というわけで、めちゃくちゃ得るものがあった高知城でした。
ジオラマ要素もいっぱいで素晴らしい城である。
まあ城好きな人が注目するであろう項目をほぼほぼ全スルーして観音像と捕鯨ジオラマにクローズアップしたのはどうなんだと思わなくもないが、そういうのはもっとそれらが好きな人に任せるとしよう。
有名観光地で何を得るかは、個人の自由なのだから……!
満足しつつ、次回へ続く!!