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料理の写真を撮ることについてあれこれ考える
福岡に行った際、先輩と食事に行ったことがあった。
自分の行動はソロが基本なので他人とご飯に行くなんてことはまずないのだが、尊敬できる先輩からの誘いとあらば、自分の予定などかなぐり捨てて余裕の承諾である。
(その先輩の勧めるグルメに関しては外れがないという理由もある)
先輩がその日連れて行ってくれたのは肉専門店だった。
注文を終えてしばらくして出てきた料理は、自分が今までに見たこともない、オシャレなプレートに乗った山盛りの肉……!!
そして自分はさっそく……!
「いただきまーす^^」
先輩「いや待って!?」
先輩にすごい勢いで止められた。
そう、食事の前には『撮影タイム』があるのだ。
それが令和の常識である。
というか自分も旅行先で料理の写真くらい撮ってきただろうに、あまりにも美味しそうだったので撮影の存在を忘却していた。
いかんいかん。
聞くところによると、先輩は全国のお店を開拓して記録しているらしい。
きっとクラウド上には大量の料理の写真が保存されていることだろう。
その後、先輩とは長いこと連絡をとっていないし、その超絶美味しかったお店はコロナのせいで閉店してしまったのだが、写真のお陰で今でもあの日を思い出せる。
写真は大事だ。
今の若者が学生時代を大量の写真で保存出来ていることが羨ましい。
とはいえ、この料理の写真を残す文化に関しては反対派な店や人がいることは知っている。
「熱々な料理が冷めるでしょ!?」
「シャッター音がうるさい!!」
「撮ってどうすんの? SNS? 自己顕示欲?」
まあ冷めるほど長い時間撮ってるのは普通に問題だと思うし、
シャッター音は爆音を強制する日本の状況が謎なので、自分は爆音を無効化出来る機種を使うし、
写真を撮っておけば、SNSにあげなかったとしても思い出になっていいのにな……とは思ってしまうけども。
自分は大量の旅行写真がHDDやクラウド上に保存してあるが、老後はバーチャルな日本で昔行った場所巡りでもしているんじゃないかと思う。
なにせただ画像を眺めてるだけの今ですらノスタルジックな気持ちが湧いてきて感動しているのだから、これが老後かつ立体映像にでもなったら、もう大変なことになりそうである。
それにやっぱり記録は重要だと思うのだ。
人間の記憶力じゃ絶対忘れるから。
自分なんて今の段階でもう、修学旅行のことを98%忘れてるくらいだ。
あの頃にスマホがあればなと本当に思う。
そういえば、AppleのApple Vision Pro(50万円)は多数のカメラで空間を保存し、それを立体的に楽しめるとの触れ込みだった。
そしてiPhone15Proでもカメラ2つを使って、Vision Pro用の立体映像を撮影できるとかなんとか。
世のお金持ちたちは子供の成長を立体的な空間で保存し、将来それを子供と一緒に楽しむのだろう。
(そう聞くとめっちゃ欲しくなるな)
まあ実をいうと、過去にもGoogleが『VR180』と称して、立体撮影ができるカメラで盛り上げようとしていた時期はあるのだが……
いつの間にか終わっていた。
一応まだ市場は存在しており、バーチャルマーケット2023(夏)のCanonブースでは3D撮影用のレンズというものが展示されていたのを覚えている。
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MetaQuest3も予約が始まったことだし、今後また立体撮影界隈が盛り上がるのかどうかも気になるところだ。
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それはそうと、なんとなくスマホでカメラロールをいじっていたら、とある写真が目に入った。
それは、実家に帰省したときの食卓の写真だ。
日常の家庭料理に関しては、意外と撮影していない人は多いだろう。
SNSに上げる用に作った料理でもない限りはそんなに日々変わり映えするものでもないだろうし、それも当然ではある。
たぶん自分がこうして撮影するようになったのも、実家には年数回しか戻らないからだろう。(ある意味旅行気分)
でも、なんだかあらためて実家のとても普通な食卓の写真を見ていると、色々と込み上げてくるものがあるのだ。
写っているのは何の変哲もない家庭料理。
使っているのは自分が高校生の頃から変わらない食器。
でも写真に写った両親は着実に歳を取って、変化していて……。
・・・
これは今度実家に帰ったら、もっと写真を撮ったほうがいいかもしれないな。
食事以外の写真もいっぱい。
「なんで親が元気な頃にたくさん写真を撮っておかなかったんだろう…」と後悔をした人の話を聞いたことがあるが、自分はそうならないように。
お、思い切って立体映像で残しとくか……?
……いや、そこまではいいか。
今の環境で、できる限り記録しよう。 (iPhone15Pro高いし)
なんだかPlayMemories Onlineの一件で、いつにもまして記録の大切さを実感している自分がいるのだった。
……残していかねば。
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