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【つながる旅行記#208】開明学校で昔の小学校を感じる
前回は宇和民具館で伝統文化に思いを馳せた。
今回はそのすぐ向かいにある開明学校を見ていく。
なんだかめちゃくちゃ古い建物だが、一体どんな体験ができるのか。
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そしてまたスリッパである。
いやまさか行く先々で3連続スリッパになるとは予想してなかった。
よりにもよって靴下に穴が開いているときにね!!
(当時の自分がなんでそんな靴下を履いてきたのかは不明)
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まあ靴下はともかく、中を見ていこう。
今のところ自分以外の人は居ないし気にすることはない。
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開明学校は、明治15年(1882年)に町民の寄付で建築された小学校である。
アーチ型の窓にはドイツ製のガラスが使用されており、当時としてはかなり先進的なデザインを取り入れている気がする。
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そして中にはまさかの二宮金次郎像があった。
そういえば彼の持つ本ってどんなことが書いてあるんだろう……?
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説明があるので読んでみると、これは『大学』の第五段の一節が掘ってあるらしい。
『大学』というものをまず知らないが、書いてあるのはこんな感じだ↓
一家仁 一国興仁
一家譲 一国興譲
一人貧戻 一国作乱
内容を説明すると、
・家族がみんな思いやりの心を持つと、国中の人が思いやりの心を持つようになる。
・家族がみんな譲り合いの心を持つと、国中の人が優しくなる。
・一人が自分のことだけを考えて欲張りになると、その国には争いが起こる。
なるほど……
最近は個の時代とか言ってるが大丈夫か?
ちなみに『大学』は、中国の哲学と学問の本である四書の一つ。
立ち位置としては儒教の入門本みたいな感じだろうか。
すごいもん読んでたんだね二宮金次郎。
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そしてこの本の割れたところを見るとわかるが、
なんとこの像は陶器でできている。
そう!!
銅像じゃないから戦争でも金属供出されなかったのである!!
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相変わらず金属供出の話が出がちな旅行記だが、こんなバージョンもあるんだなとちょっと感動だ。
しかしこのサイズの焼き物を寄贈するのもすごい話である。
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当時の教室の再現もされていたが、さすがにここまで来ると懐かしさとかではなく歴史を感じる。
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こりゃ相当に年季の入った机と椅子だ。
ちなみにこれは二人がけ。
結構狭そうだが、小学生の体ならいけるか……?
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そして卯之町にまつわる人物として重要なのか、二宮敬作という人に関する展示がそこそこある。
なお、別に二宮金次郎は関係ない。
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この二宮敬作という人、卯之町で医者として活躍した人なのだが、生まれは保内町の磯崎だ。
どこだよという人は#205をご覧いただきたい。
自分が暇だからと適当に自転車を走らせた場所の近くである。
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まさかこんなにすぐにあの行動が意味を持ってくるとは思わなかったが、なんでもやっておくもんである。
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二宮敬作は鳴滝塾でシーボルトの門下生になり、富士山の高度を日本で始めて測量したという。
おいおいすごい人だな……!!
なお、そのときの計測結果は4982mである。
(誤差もすげぇな……!!)
その後シーボルトが日本地図を国外に持ち出そうとして捕まり国外追放となるのだが、その際にシーボルトの娘であるイネを引き取ったのが二宮敬作だった。
まさかシーボルトが娘を作っていたとは思わなかったが、
その娘がまたすごい。
イネはこの卯之町で二宮敬作から医学を学び、あちこちで学びを深め、宇和島藩主の伊達宗城(むねのり)に厚遇されたりしつつ、東京に産科を開業。
福沢諭吉の口添えで宮内庁御用掛にまでなるのだ。
日本人女性初の産科医なんて呼ばれたりもするとか。
やっぱり偉人の子供は偉人になりやすいのか……?
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そんなわけで、なかなか興味深い情報いっぱいの開明学校だった。
……しかし本当に、下地が出来ているのといないのとでは情報の受け取り方が全然変わってくるよなと思う。
この開明学校だって旅に出る前の自分が見たら、
「は~~古い建物だな~~」で終わっていたことだろう。
やはり世の中を楽しむためには知識や経験を入れておくのが大事なのだ。
なんだかそんなことを思った。
・・・
なんかトイレ行きたくなってきたな。
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(いやこれ絶対超古いやつじゃん……)
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まさかのウォシュレットだった。
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ありがとう、開明学校!!
不思議とスッキリした気持ちで、次回へ続く……!
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