立浪ドラゴンズを考える
ダラダラ分析するのも大変面倒なので、始めにここで立浪ドラゴンズの野球が如何なるものか私見を述べる。それは、「過度な最低限主義」である。
2024年9月5日、中日ドラゴンズは今シーズン最多である借金15を喫した。
そんな節目の試合で、立浪ドラゴンズの3年間を象徴する、集大成とも言える場面があったため、振り返りながら、所感をダラダラ書き連ねていく。
問題のシーン
このシーンを見て欲しい。
ツーアウトランナー2,3塁、打者は山本泰寛。阪神桐敷が制球を乱し、カウントはノースリー。
山本は、次に桐敷が投じた直球を見逃しワンストライクスリーボール。その次の直球も見逃しフルカウント。最終的には直球に振り遅れ空振り三振。
一見すると、不利な状況から桐敷が巻き返した、相手に一本取られたとも取れるシーンだが、じっくり振り返るとそれだけではない。
プロ野球では多く見られる、ノースリーから投じられる、ど真ん中の直球を見逃したという事実と、初めからカットして粘ること以外は考慮していないかのような、歪なスイングで6球目を空振り、三振を喫した点に注目すれば、山本泰寛が初めから四球狙いを念頭に置いていることが分かる。
打てば勝ち越しも大いに考えられるシーンで、大方来ると分かっているど真ん中の直球にスイングをかけず、最後は歪なスイングで三振は、点を取って勝つことが目的では無く、本来勝つための手段の一つである、粘ることが目的になっているように感じる。
このシーンを私なりに言語化すると、「最低限狙いに軸足を置き過ぎた結果、最高の結果を得る可能性を全て棒に振り、結果的に最低限すら成し得なかった場面」とも言える。
最低限狙いに軸足を置き過ぎるのは、山本泰寛個人の傾向でもあるが、そういう山本泰寛のスタイルを”勝負強い”と評価し、打線の核である2番に起用しているのは、立浪和義の「過度な最低限主義」という野球観を如実に表しているのではないだろうか。
中日ドラゴンズをある程度見ている方なら見覚えがあると思うが、立浪ドラゴンズでは、ノーアウトでランナーが出た時点で、打者にバントの指示をし、立浪本人が大量得点の芽を摘み取るシーンがしばしば見られる。
これも、リスクを過度に嫌った「行き過ぎた最低限主義」である。
ゲッツーというリスクを嫌い、初回ノーアウト1,2塁から3番カリステに送りバントの指示。2点を先制したものの、1回裏に同じような場面から、リスク承知で3番森下に打たせて、結果阪神が6点を取った昨日の試合も記憶に新しい。
結論
ダラダラと書いているうちに満足したので、ここで結論に入る。
リスクを取らないというリスクを取り続けた結果が、3年連続の最下位間近という現実ではないだろうか。