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願いとサーヴァントの関係②/鯖鱒wiki
概要
前回に引き続き、Fateシリーズにおける英霊/サーヴァントが持つ価値観についての記事です。
前回と同じ前置きで恐縮ですが、鯖鱒wiki的にはオリジナルサーヴァントのデータについての考察であり、創作論的な意味合いも含まれてきます。
(今回も鯖鱒wikiDiscord上での雑談も参考にした記事です)
その願いが果たされるか
前回は「願いを持たないサーヴァント」についての記事でした。
今回は「願いを持つサーヴァント」の願いが叶うべきかどうか考察してみます。
最初に言っておくと私の個人的なスタンスは、「願いが叶う材料が揃っていて、状況が許されるなら叶っても構わない」というものです。
ですが原作Fateシリーズの傾向としては、サーヴァントが召喚された当初に持つ大きな願いは大抵叶わないか、途中で敗退したり、状況が変化していく中で諦めるものになっています。
また、Discord上の雑談の中で私が着目した意見に、
「安易に叶わないからこその聖杯に託す願いだ。(だから、叶うべきではない)」(要約)
というものがありました。
私はこれを、「時を超越し、人を超越して、今を生きる存在ではないサーヴァントだからこそ、現在の人間たちに大きな影響を及ぼしてはならない」と。
こう解釈しました。
この「願いを叶えてはならない」というような縛りは、かなりFateのテーマとしては重要になっているかもしれません。
願いよりも大切なもの
Fateシリーズにおいて主人公の障壁となる悪役は、おおむね大きな野望を秘めていて、それを打ち砕かれます。
もし悪役でなかったとしても、心境の変化によって願いを置き去りにしたり。
新しい願いを持ち、そのために戦うことになったり。(そうなりがちだと私は考えています)
最初に持っていた大切な目的(願い)が変化し――あるいはそれを後回しにして、目前の問題解決のために動く。
悪役は目的を貫徹するべきかと思いますが、この展開が重要であると私は考えます。
これこそがサーヴァントたちが私人・個人として、あるいは英雄(英霊)として持つ矜持や感情、隠されていた、レアな、「もう一つの側面」の見せ場。
サーヴァントの内面を最大限に表現できる展開だからこその、「願いを叶えてはならない」論なのでしょう。
そして私はこの記事の執筆を通して、その意見に同意します。
最後に
前回は持たない側について、今回は持つ側についての考察でした。
前回と今回の記事を通して、サーヴァントに設定されている「願い」がどれほど重要なものなのか、私自身も考え直すいいきっかけになりました。
みなさんにもこの記事が参考になったのであれば、私にとって喜ばしいことです。
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ここまで読んでいただきありがとうございました。
それでは。