ピアスを開けたはなし
今日、生まれて初めてピアスを開けました。
まだちょっと痛むけど、鏡を見るとにっこりしてしまいます。
わたしはもうだいぶいい大人なんですが、「親」というものの優しいような窮屈なような呪縛があって、これまでピアスをする決心がつかずにいました。母親が少しわたしに依存していたようなところがあり、わたしもそれを自覚なく受け入れ続けていたので、「母の言うようにしなくてはならない」という無意識の制限が今もあります。そのひとつがピアス。
母がなんとなく嫌がるそぶりを見せるので、社会人になっても一人暮らしをしても、ずっと「ピアスいいなあ」と羨ましく指をくわえていました。
けれど長く伸ばしていた髪をベリーショートに切ったとき、「ああ、わたしはわたしをどうにでも作れる」ということに気づいたのです。
伸ばした髪を切ること自体は今までも何度もありましたが、今回はなんだか感覚が違いました。男の子のようなベリーショートにまで切ったからでしょうか。そんな大きな変化もちゃんと似合うことが分かったからでしょうか。
周囲の人が、驚きながらも「似合う」と笑ってくれたからでしょうか。
「ピアスをしたい」と、これまで以上に強く思うようになりました。
なんせイヤリングがすごく合う。
大ぶりなイヤリングが本当によく映えます。
小さなものも、髪が邪魔をしないからよく見えて素敵です。
そんなときにふと欲しいと思うピアスを見つけてしまったのだから、もう開けずにはいられないと思いました。
……それでも、2ヶ月くらいは悩んだけれど。
自分で簡単に開けちゃう人もいるし、もう一般的なファッションのひとつだし、ピアスごときでこんなに迷い悩む人も少ないかもしれません。
でもこれはわたしにとって大きな一歩。
好きなことを好きなようにできると自分に分からせる一歩です。
こんな歳になって、自分の好きなものについて母親の許可なく決断することを迷っていては生きていられない。
ファーストピアスがたくさんあったので、紫のキラキラを選びました。
好きな色だし、似合う色だし、推しの色です。
穴がきちんと固まったら、気も早く買ってしまったピアスをつけて街を歩きたいと思います。きっと楽しいでしょう。