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Tableauでオークンの法則を確かめてみる
オークンの法則とは
GDPの成長率と失業率の間には負の相関があるという経験則的な法則があります。イケイケどんどんで国力が上がっていれば失業率も小さくなるというストーリラインに違和感はありません。その名の通り、オークン氏が提唱しています。
GDPと失業率はマクロ変数として説得力があり、予測モデルでの採用機会も多いものですが、多重共線性などの考慮が必要なのか気になったりしていました。「法則だから」とそのまま受け止めてしまいがちですが、実際にどうなのか可視化して確かめてみます。
経済学において、オークンの法則 (Okun's law) とは、一国の産出量と失業の間に経験的に観測される安定的な負の相関関係のことである。この法則の「乖離形式」(gap version) は、一国の国内総生産 (GDP) が潜在産出量より1%小さくなる度に失業率が約0.55%上昇することを述べる(米国の場合)。「差分形式」(difference version)は、実質GDP成長率と失業率の差分の間における関係を表す。この法則の正確さは議論の的になっている。
データソース
GDP
内閣府のページから取得できます。
国民経済計算(GDP統計) : 経済社会総合研究所 - 内閣府 (cao.go.jp)
失業率
統計局のページから取得可能です。
統計局ホームページ/労働力調査 長期時系列データ (stat.go.jp)
結果
初回チャレンジ
早速、データをtableauで読み込ませると以下の結果を得ました。
![](https://assets.st-note.com/img/1678724720982-M4RS2U0kBW.png?width=1200)
傾向線はほぼ横を向いておりそのまま受け取ると、GDPと失業率の間に関係性は無いということになりますが、本当にそうでしょうか。ここで、厚生労働省の白書を除くとオークンの法則を可視化する際に前処理をしていることが分かります。これらを考慮してリベンジを行います。
移動平均の採用
時系列ラグ
外れ値の考慮
平成30年版 労働経済の分析 -働き方の多様化に応じた人材育成の在り方について-厚生労働省
リベンジ
移動平均を採用し、2変数の時系列グラフを見てみます。移動平均を作り込む際にデータの読み込み直しをせずにすむところは、Tableauのありがたい機能です。
WINDOW_AVG([完全失業率四半期推移], -4, 0)
早速時系列でグラフを並べて見ると、何となく逆相関があることが読み取れます。
![](https://assets.st-note.com/img/1678806172274-ohrTVoDEfD.png?width=1200)
そのままズバリ、散布図を作ってみるといい感じに負の相関があることが確かめられました。
![](https://assets.st-note.com/img/1678808836371-5gBLvt9HcG.png?width=1200)
傾向線のP値も5%有意であることを示しており、オークンの法則が日本でも成り立つことが確かめられたと言えるでしょう。