【勉強メモ】心電図 電気軸の計算方法 解説
心臓電気軸のわかりやすい機能的な解き方を例題と共にまとめておく
例題
<問題>
以下に、四肢誘導の図を示す。
心臓電気軸は何度か?最も近い角度を選んでください。
<選択肢>
0°,30°,60°,90°,-30°
<解答>
アイントーベンの三角形を利用する
①Ⅰ誘導、Ⅱ誘導、Ⅲ誘導から計算する方法
②Ⅰ誘導、aVF誘導から計算する方法
の二通りで算出できる。
よって、-30°が答えとなる。
<解説>
※原理の解説はしませんが問題が解けるテクニックを解説します
・アイントーベンの三角形について(ここは理解しなくても解けます)
左手、右手、左足に電極をつけ、それぞれを頂点とした三角形のこと。
右足はアース電極。
心臓電気軸は心室興奮の伝わる向きであり、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ誘導の波形の振幅からQRS群の心ベクトルの向きが推測できる。
正常値は0°〜90°
右下側が心臓の向きとして通常であるため、下側がプラス、上側がマイナスであることに注意
続いて、心臓電気軸の計算方法について解説する。(ここから理解必要)
Ⅰ誘導:(陰極)右手→(陽極)左手
Ⅱ誘導:(陰極)右手→(陽極)左足
Ⅲ誘導:(陰極)左手→(陽極)左足
・Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ誘導のベクトルの向きの覚え方は上図のように考える。
aVL誘導のLはLeft hand 左手
aVR誘導のRはRight hand 右手
aVF誘導のFはFoot (Left) 左足
aVL誘導:(陰極)右手と左足の結合電極→(陽極)左手
aVR誘導:(陰極)左手と左足の結合電極→(陽極)右手
aVF誘導:(陰極)右手と左手の結合電極→(陽極)左足
・ベクトルの方向まとめ
Ⅰ誘導は→(0°)
Ⅱ誘導は↘️(60°)
Ⅲ誘導は↙️(120°)
aVL誘導は↖️(-120°)
aVR誘導は↗️(-60°)
aVF誘導は↓(90°)
の方向のベクトルである。
・ベクトルの大きさの計算方法
それぞれのベクトルの大きさ = (心電図の基線から上に何メモリ飛び出し
ているか) ー (心電図の基線から下に何メモリ飛び出しているか)
よって、
Ⅰ誘導は→(0°):+5-0 = +5
Ⅱ誘導は↘️(60°):+6-6 = 0
Ⅲ誘導は↙️(120°):+6-9 = -3
aVF誘導は↓(90°):+6-8 = -2
マイナスのベクトルは方向が逆向きになることに注意。
それぞれのベクトルを合成すると、その角度が心臓電気軸となる。
また、
①Ⅰ誘導、Ⅱ誘導、Ⅲ誘導から計算する方法
②Ⅰ誘導、aVF誘導から計算する方法
の二通りがあるが、どちらも答えは必ず同じになる。
マイナスのベクトルは方向が逆向きになるため、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ誘導のベクトルの始点を真ん中から始めておくと、図がスッキリ描けて問題が解きやすい。
以上で解説は終わる。
心電図に関する補足説明
心電図
縦軸:電位 1メモリ:0.1 mV
横軸:時間 1メモリ:0.04秒
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