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暑い夏にぴったり!「菜なな三角ポークたまご♪」そのレシピの裏側を大公開
川崎市川崎区の東海道川崎宿起立400周年記念で行われた「三角おむすびレシピコンテスト」
そこで、自分の考えたおむすびレシピが上位入賞者に贈られる「団体賞」をいただいたという話を以前のnoteに書いた。
立派な表彰式にも参加させていただき、さらにはたくさんの素敵な賞品をもらってしまった。
あれから2ヶ月。
ひさしぶりにホームページを覗いてみたら・・・
なんと、自分のレシピが入賞作品として掲載されていた!
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https://www.city.kawasaki.jp/kawasaki/cmsfiles/contents/0000069/69357/2023omusubi.pdf
レシピのタイトルは「菜なな三角ポークたまご♪」
その季節や地域ごとにアレンジして作ることができるポークたまごおむすび。
コンテストは春に開催されたけれど、実はとくにおすすめな季節は夏!
そもそも、ポークたまごおむすびは南国沖縄が発祥。
暑くなって食欲も落ちてくる季節にこそ作って欲しいメニューなのだ。
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自分は、日本中のおむすび屋さんを周り、毎日のようにおむすびの食リポートをnoteに書き続けている。
ざっと数えてみたら、おむすびに関するまとめなどを含めると、1600本もの記事を世に送り出していた。
ネットやニュースに流れているおむすびの情報って、他のラーメンやカレーなどの食べ物に比べてかなり少ない。
たぶん、日本でいちばん、いや世界でいちばんおむすびの記事を書いてきたのは自分だと思う。
おむすびに関するインプットとアウトプットの量では、世の中の誰にも負けないはずだ。
でも、おむすびのレシピを考えることはこれまでしたことがなかった。
ましてやコンテストに応募するなんて考えもしなかった。
自分はおむすび屋さんでもないし、料理研究家でもない。
自分は食べること、それをリポートすることが専門で、おむすび作りは領域外だと思っていたからだ。
では、なぜ今回、おむすびレシピコンテストで入賞ができたのだろうか。
それは・・
新しいおむすびレシピを考えるのではなく、新しいおむすびをデザインすることを考えるということをやってみたからだ。
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👉おむすびをデザインする
自分は料理研究家ではないけれど、仕事柄プランニングをすることはよくある。
その中で特に意識しているのはデザイン思考だ。
デザイン思考とは、表面上にある課題だけではなく、本質的なニーズを見つけ、変革させるイノベーション思考のことである。
つまり、おむすびレシピを考える際に、美味しいだけではなく、このコンテストの本質的なニーズを見つけ、そこからアイデアを広げカタチづくっていくことを実践してみたのである。
今日は、その中でも特にこだわった7つのポイントを共有したいと思う。
👉レシピを構築する7つのポイント
❶歴史背景
そもそも、なぜ三角おむすびレシピなのだろう。
調べてみたら、川崎市のホームページにその由来が書かれていた。8代将軍徳川吉宗一行が川崎宿に宿泊した際、田中本陣の主である田中休愚が、一行の食事を賄うため近隣の農民から白米を集めるアイデアを出し、それを元におむすびを提供したことに由来するらしい。その際、おむすびを三角形に握り、丸い盆に3つずつ並べて、これを徳川家の葵の御紋に見立てたことから三角おむすび発祥の地と呼ばれているらしい。
そのため、このコンテストでは、独創的なオリジナルおむすびを求められているとのこと。
ここは外してはいけないポイントとなった。
❷過去コンテストの傾向
大会のホームページでは、過去コンテスト受賞おむすびが掲載されていた。
おむすびレシピを考える前に、それを読んで分析することを行なった。
過去大会の入賞レシピの傾向をある程度掴むことができた。
それぞれ見た目や素材は工夫しているけれど、三角おむすびの定義があるので比較的オーソドックスな山型のおむすびが多い。
より独創性をだすのであれば、このオーソドックスな山型からあえて外れてみる手もいいかもしれない。
❸地域の活性
今回のレシピコンテストは、川崎市の地域活性化推進事業の一環として行われるものらしい。
つまり、川崎という地域の特性に合わせ、その地域が盛り上がるものでなくてはならない。
そのため、今回のレシピを考える上で下記をポイントとして取り入れることにした。
・川崎の特産食材を使うこと
・川崎の大きなイベントや催し事にからめること
❹味(旨みとボリューム)
このおむすびレシピコンテストでは、最後に実際のおむすびを販売して一般の方に投票をしてもらう決選投票があるらしい。
(自分は今回決選投票に残れなかったけれど・・)
だからこの決選投票を見越したレシピを考える必要があるのだ。
プロの審査員と違い、その日に初めて食べる一般の方がなにを基準に決めるのだろうか。
過去のコンテストレシピをみているとその傾向は見えてきた。
それは、「旨みとボリューム」
おむすびはシンプルな食べ物だからこそ、あえてここを意識して作ることも重要なのだ。
❺トレンド
新しいおむすびを生み出すのであれば、世の中にある今のおむすび、これからのおむすびのことも考えなくてはならない。
おかげさまで、最新のおむすび店舗や今食べられているおむすびの情報が自分には集積している。
このトレンドという部分では、他の参加者よりもかなり有利だろう。
❻価値に見合う価格での提供
このコンテストの上位おむすびは、川崎市内の店舗でも販売される可能性があるらしい。
そうなってくると、重要になのが価格だ。
価格と言っても、安く作れて安く販売できるものを考えるということではない。
おむすびの価値に見合う金額で、多くの方に買ってもらえるのかが重要なのである。
これも、今どんなおむすびの価値が世の中で認められているのかを知っている自分だからこそ加えられるポイントなのかもしれない。
❼栄養バランス
おむすびのイメージと言えば、炭水化物の固まりと言われる方も多いだろう。
たしかに、その形状のほとんどをお米で占めるおむすび。
でも、工夫をすることで、このおむすびを栄養価に優れたものにできないだろうか。
出来ることならば、おむすびひとつで多くの栄養素がとれる「完全食」を目指すことはできないだろうか。
どうせ新しいおむすびを考えるのであれば、ここにチャレンジをしてみたい。
これらの7つのポイントと多くの試食を重ね考え出されたのが、こちらのおむすびである。
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👉菜なな三角ポークたまご♪
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【作品の紹介】
ここ数年、コンビニなどでも販売されるようになり全国的に人気になっている「ポークたまごおむすび」。
川崎市はその「ポークたまごおむすび」の発祥とされている沖縄県の那覇市と友好都市になっていて、しかも来年2024年には、川崎沖縄県人会の100周年の記念を迎える。
通常「ポークたまごおむすび」は四角形のものが多いが、川崎市に所縁のある三角形にし、さらに川崎市の名産である「のらぼう菜」など旬の菜っぱを加えて、見た目にも可愛らしく、栄養も満点のおむすびにしました。
これまでのコンテストの入賞作品になかった、「ポークたまごおむすび」
これを三角形のかたちにして、地域の特産の「のらぼう菜」と合わせることにした。
お米、海苔、ポーク、たまご、マヨネーズ、カレー粉とバランスよく栄養を取ることができ、しかも美味しくてボリュームがあるおむすびが完成した。
ポークたまごは現在のおむすびトレンドの主流。
最近オープンした東京ミッドタウン八重洲にもポークたまご専門店が入っている。
そして、地域や季節によって様々な種類がある菜っ葉。
今回は「のらぼう菜」を加えることで川崎市のオリジナルおむすびにもなった。
また、別の菜っ葉を使うことで他の地域にも横展開できるようなレシピにもなる。
このあたりのヒントは全て、これまでnoteに書いてきたおむすびレポートの中にある。
●沖縄の四角形のポークたまごを徹底調査したリポート!
●全国の菜っぱおむすびを集めたリポート
また、ネーミングも少し工夫をした。
地域の菜っぱを使うこと、7つのポイントから考えたこと、三角系のポークたまごおむすびであること、美味しくて笑顔になっちゃうことを合わせて…
「菜なな三角ポークたまご♪」
と名付けることにした。
7と3というふたつの数字のバランスも安定感がある!
👉レシピ公開
特別にレシピを公開!
レシピの中で重要なのは、簡単で再現性があること。
【材料】
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【調理手順】
①ランチョンミートを缶から出し、幅1㎝にスライスする。
②フライパンを温め、ランチョンミートを軽く炙る(油はひかない)
③フライパンからランチョンミートを取り出し、溶いた卵で玉子焼きをつくる。
④季節の菜っ葉を水洗いし、耐熱容器にラップをして50秒程度温める。
⑤海苔の上にご飯を敷き詰め、ランチョンミート、卵、季節の菜っぱを盛り 付ける。
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⑥カレー粉を少量加えたマヨネーズを上に載せて、全体を折りたたみ真四 角のおむすびをつくる。
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⑦崩れないようにしっかりとカタチを整える。
(店頭販売するときは、崩れ ないようにサイドに海苔を加えてもいい)
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⑧三角形になるように、2つにカットする。
お洒落にラッピングペーパーなどで巻いてもいいですね。
👉最後に
簡単で美味しく、栄養のバランスもいい!
ぜひご家庭でも作ってみてくださいね。
※菜っ葉は、季節やお住まいの地域で手に入るもので大丈夫です。
※ランチョンミートは、ハムやベーコンなどを重ねることで、代用ができます。
また、このおむすびをお店で提供したいという方がいれば、ぜひご連絡ください!そのお店や地域に合わせたアレンジを提案できると思いますので。
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世界で唯一のおむすびビールを企画した話もよろしければ。
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