半沢直樹と金融の闇
「誰もが明るい日本の未来が来ることを信じて生きている!」
有名芸能人の訃報が続く中、TBS日曜劇場「半沢直樹」を観た。「半沢直樹」と言えば、2013年の最終話で42.2%の最高視聴率をマークし、「倍返しだ!」という言葉が社会現象となりました。2020年度の続編は、半沢が東京中央銀行の子会社である東京セントラル証券の営業部長として出向を命じられる所から始まる。半沢直樹(堺雅人)が、銀行のトップである頭取を目指す事には理由があった。半沢の両親が経営していた石川県金沢市の小さなネジ工場が傾いたとき、産業中央銀行に無慈悲に融資を引き揚げられ、追い詰められた父親の慎之介が自殺。その時の営業担当が若き大和田だった。亡き父親の無念を払うためにも、「自分が頭取になって銀行を変えてみせる!」という信念があった。
東京セントラル証券では、半沢はスパイラル買収をめぐり、電脳雑伎集団の粉飾を突き止め、巨額の不良債権から東京中央銀行を守った。半沢直樹は、大和田取締役(香川照之)の推薦もあり、その功績を認められて中野頭取(北大路欣也)から、東京中央銀行営業次長として、倒産寸前の帝国航空の再建を任された。
半沢直樹は、毅然とした態度で、帝国航空の赤字路線の撤廃、リストラなどの抜本的な改革を実施し、700億の債権回収も視野に「帝国航空再建案」を白井国土交通大臣に提出。
しかし、白井大臣(江口のりこ)は、箕部幹事長(柄本明)のバックアップで、国土交通大臣に抜擢され、具体的な政策はすべて箕部の言いなりになっていた。箕部幹事長は、白井大臣が半沢の帝国航空再建案を受け入れることを否定し、タスクフォースの債権放棄案を東京中央銀行に強要。半沢は内部情報が銀行内の何者かにリークされたことを探り、紀本常務(段田安則)が箕部幹事長と繋がっていることをつきとめる。箕部と大和田取締役は、伊勢志摩ステートの巨額の裏金資金の実態を探ろうとする半沢に、証拠不十分のため土下座を要求。
箕部は中野頭取に対しては、マスコミの前で、帝国航空の債権放棄を受け入れることの説明を求めた。危機一髪の半沢であったが、クリーンな社会を目指して議員となった白井亜希子は、箕部の国外隠し口座の解明に協力することを決断。「半沢直樹の箕部啓治への1000倍返しが始まった!」という物語です。
白井大臣の「恥を知りなさい!」、花(上戸彩)の「もう頑張らなくていいよ。生きていればなんとかなるんだよ」、大和田の「お前が頭取になって、東京中央銀行を立て直してみろよ。」の言葉は、特に心に刺さりました。
それからの半沢直樹がどうなったかは気になる所ですが、今の混迷する世の中に一石を投じる素晴らしいドラマでした。最終回が終わって半沢ロスとなり、次回作が早くも待ち遠しい。(敬称略)
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