『会心の喜劇』と谷口継夏
祝情報解禁!!!!
ジャパニーズ生活『会心の喜劇』
出演します!!!!
、とね。
いろんな書き出しの文章を書きましたよ。
あたすだってね。
全然稽古始まる前から書きはじめてますよ。
理想は情報公開された日にドンとnote更新する予定でしたわよ。
そんでもって小屋入りまでにはと何度も書きましたよ。
結果全部書き直し。全部下書きにダストシュート。
いくつもの屍が眠ってるよ。
なんでだろうね、めちゃくちゃ筆がのって書いても次の日には駄文にしか見えない。
この記事だって表に出ない可能性の方が高いんだもん。
今これを読んでる方がいらしたらそれはもう奇跡ですわ。
とまぁ、またまた駄文から始まってしまったこのnoteですが。
気がつけば師走、
気がつけば公演も終了ということで。
腰が完全に逝った谷口はこうしてせっせと事務仕事をしております。
えらいよね褒めて。
先にも書いた通りジャパニーズ生活『会心の喜劇』全公演が終演いたしました。
ご観劇くださった皆さま。
気にかけてくださった皆さま。
誠にありがとうございます。
今公演にて谷口の2024年の出演は終了となります。
あ、配信が決定しましたのでもし都合が合わなかったり、気になった方はよろしければこちらでご購入&ご視聴よろしくお願いいたします。
夜の図書館で織りなされるワンシチュコメディ約90分です。
今回谷口は愛に迷いし浮気者を演じました。
後にも先にもないと思います。
この記事では谷口が初コメディに挑戦した経緯とか実際に演じてみた感想、創作の裏側なんてのを駄文を活かして書きなぐって行きたいと思います。
まず初コメディ出演への経緯。
これまで戦争やハラスメント、ひきこもり問題、実際にあった事件(秋田児童殺人事件、類人猿作戦)等を題材にした、いわゆる社会派作品にのみ出演をしてきました。
これには僕がお芝居を続ける大きな理由に「作品を通して物事を伝え考え合う」というテーマがあるから。
コメディに出なかった理由を挙げるなら、単純にご縁がなかったこととこれまで笑いに触れてこなかった自分に自信がなかったこと。
ご縁がなかったと言えど皆無だったわけではなく、何度かお話をいただいたことはありましたが、後者の「自信がなかった」ことと自分の中では大きな挑戦となるこの第一歩を踏み出すからには信頼できる人と組みたいという想いからなかなか実現せずでした。
まずなぜ「自信がなかった」かと言うと、高校生くらいまでお笑いにあまり触れずにきたから。
好き好んで触れずに来たわけではなく、両親が厳しかったんですよね。
今ではそんなこともないけど、当時は「くだらない」の一言でチャンネルを替えられたり。
僕は当時エンタの神様とかM1グランプリとかもう学校での流行りの核とも言える存在が気になって気になって仕方ありませんでしたけど配信という制度もなくなかなか巡り会えないまま大きくなってしまって。
気がつけばテレビを見てても周りと笑いのツボが違うというか、笑いどころが分からない人間が爆誕していました。
面白いポイントが分からなかったり、隠れて見てた影響で面白くても表に出せない、みたいな癖がついてたり。
それでも今はお笑いが大好きなコンテンツの一つ。
最近初めてちゃんとM1グランプリみたけど最高でした。
人生のかかった大きなリアリティ番組のような。
そんな僕でもコメディに出たいという願望をずっと抱えていて。
それはラーメンズさんの『Sweet7』という舞台を高校生の頃演劇部の顧問が観せてくれたことがきっかけで。
(この顧問書くタイプの人だったんだけど常にシリアスしか書かないのになんでコメディを観せてくれたのか今でも大きな謎。)
この作品で今まで貯めてた笑い貯金を全部使い切ったと言っても過言じゃないほど笑った。
好きすぎて顧問にお願いしてDVDをもらって、リアル擦り切れるほど観て今年新しく買い直したんですよ。
それくらい僕にとって衝撃的でこれを観たときコメディって日常に転がる面白さを伝えて考えさせられるな、と感じたのです。
そして、コメディってとてつもなく難しいのだろうなと高いハードルを感じたことも覚えている。
そんなこんなでずっと演ってみたいとあたため抱えていた大事なコメディ挑戦を今回榎本純(えのもとまこと)との出会いをきっかけに決意しました。
榎本純氏とは2024年1月にtwitter(現X)のDMに主宰するジャパニーズ生活の公演の案内を送ってくれたことがきっかけで知り合った。
当時地震があったことでキャンセルが多発し、それなら若手俳優に観てもらいたいという旨の招待だった。
しかし、生憎こそ会『ゆうてん』の稽古で押しつぶされていた谷口は劇場には行けずお断りした。
DMから感じる誠意と熱量がずっと胸に残っていていつかちゃんとご挨拶しなければと罪悪感にまみれていた頃にオーディション告知を見て合否とは関係なく会いに行こうと応募した。
実際に会場で会ってみると想像以上に迫力のある存在感で驚いた。
そんな熊のような彼から発せられる言葉にはあのDMから感じた熱意と参加者に対する誠意があり、もしコメディをやるならこの人と創ってみたいなあ、どんなものを創るのかなあと考えるようになっていた。
一通りオーディションを楽しんだ(オーディション大好き俳優)後、忘れた頃にオファーの連絡が来ていた。
そのとき確かに胸にこみ上げるワクワク感があった。
しかし、一時的な気持ちで受けるわけにはいかないので一度会わせてもらうことにした。
これはどの現場でもそうなのだけど、一度演出家とちゃんと言葉を交わす、どんな作品を創ろうとしているのか、こんな自分だけど本当に良いのか、どうやって創作していくのかをちゃんと生で会って話す。相手を知って自分を知ってもらうと言うのを儀式的に行なっている。
これだけでも安心感と創作に携わる立ち方が変わる。
そんなわがままを快諾してくれた榎本純と一ヶ月後某デニーズで2時間くらい語り合った。
気がつけば出演することに決めていた。
いや、もともと出たい気持ちしかなかった。
劇団としての今後の計画やお芝居に対する想いを包み隠さず語ってくれてこの人となら飛び込めると確信した。
それからと言うものの色んな笑いの作品を観た。
漫才コント映画ドラマ演劇。
榎本純とは何度も電話を重ね、感想を言い合ったり一緒に観劇をしたり。
準備期間でいうと9ヶ月ほど。
気がつけば榎本純とは友達になっていた。
この関係性は現場では別なのだけど、それでも話しやすくて非常に助かった。
分からない部分を聞いてみたり、強い意見を言わせてもらったり。
ここでしか得られない経験をたくさんした。
コメディ初挑戦が榎本純と今回の座組で心から良かった。
もっと高みを目指すにはどうするべきなのか、とても考えさせられた現場だった。
笑いとはとても怖いものだ。
社会派の作品では、カーテンコールが終わった後お客さんが劇場から出る瞬間に良い時間にできたかどうかが分かる。
コメディは大きく笑いが起こるかどうかで判断される。
俳優としては真っ直ぐ目の前のことだけに集中するだけなのだが、終わってみると上手くハマってなかった場面と笑いとのリンクが強い。
笑いとはとても怖くて正直だ。
僕は笑いが欲しいタイプの俳優ではないかもしれない。
ただ、目の前の人間と事象とに淡々と粛々と向き合い続けることで発生する笑いには大きな価値と意義を感じた。
今後またコメディをやる機会があるかは分からない。
これもご縁次第ではあると思う。
しかし、そんなご縁の世界の中で今後もコメディを追い求めたいと確かに思った。