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『noteだけに書く』初作品 ワスレタクナイオトのきっかけ

今回は、物語ではなく、初作品になった「ワスレタクナイオト」とそれの番外編である「ワスレタクナイコエ」を創ったきっかけについて書きたいと思います。

この作品は、エピローグでも少し書きましたが、私の実際に経験した事を元に創りました。そのきっかけとなったのは今年の夏です。

浪人生の私は夏休み期間限定で、地元の学童の先生という形でアルバイトをしました。以前から子どもは好きで、子ども達と一緒に遊ぶのも得意だと自負していました。とは言え、学童の先生は初めてで初日はとても緊張していました。

アルバイトの初日、勤務先に向かうと、さっそく沢山の子ども達が寄ってきて、「一緒に遊ぼう」と言ってくれました。そして、その日が終わる頃には、「先生」と言って色んなことを話してくれるくらい子ども達は暖かく迎えてくれました。

そして、勤務の2日目の日に、この物語の主人公のモデルとなった女の子に出会います。その子は、物語にもあるように、あまり外で遊ぶ事がなく、夕方にはやることがなくなったのか、暇そうに過ごしていました。そんな中、たまたまその子がピアノを弾いているのを見て、「上手に弾くね」と声をかけました。「先生もピアノ弾けるの?」と聞かれ、弾ける曲を何曲か弾いてい見せるとその子は興味を持ってくれました。そして、「じゃあ、次はこの曲を練習してほしいな」と言われたのが『365日の紙飛行機』でした。

その日家に帰って、その曲を練習しようとしたのですが、そこでふとその子が暇そうにしている姿が浮かびました。その子の好きな曲ならと思い、小学生でもわかるように楽譜を書きました。そして数日後、その楽譜をその子に渡すと、喜んで練習してくれました。

もちろん、贔屓することなく、他の子とも仲良く外で遊んだり、話をしたりしつつも自分が書いた楽譜ということでその子の練習する時は、なるべく横にいて教えてあげるようにしていました。当然過ごす時間も話す時間も多くなり、その子もよく懐いてくれました。この物語に出てくるエピソードは、ほとんどがその子の実際の言動と同じです。

ですが、一つだけ決定的に違うところがあります。それは、ガーキの言葉です。ガーキのモデルは2割が自分、8割りが理想の自分です。ガーキのセリフには、その時自分が実際に伝えたかったことが込められています。理想の自分像としてガーキというキャラクターを描きました。

今までも、何度も物語を創ってみたいと思い、何度もシナリオを考え、キャラクターを考えてきました。しかし、どれも完成しませんでした。そんな中で、この学童でのアルバイトを通して出会った子ども達はどの子も本当に真っ直ぐで、純粋で、これから何にでもなれる。そんな優しさと希望に満ち溢れていました。私が、浪人生活+コロナ禍で忘れかけていた人の暖かさと大切さ、そして純粋に夢を追い続けることの美しさを思い出させてくれました。

その中でも、主人公のモデルとなった女の子は学童の中でも特に正義感と責任感が強い子で、下の子たちにも慕われているのが短い間にも伝わってきました。自分が作ってきたものに熱心に取り組んでくれたその姿は、浪人生活で人と出会うことがなかった私にとって、久しぶりに経験した素敵な出会いでした。

この純粋で綺麗な心を忘れたくない。そんな一心で創り始めると、今までとは比べ物にならないほどスラスラと書くことができました。

この作品には、私が忘れたくない思い出と、伝えたかった言葉が沢山詰まっています。

これを読んでくださった方にもそんな思い出があると思います。そして、この作品を通してその思い出を振り返って少しでも、暖かい気持ちになっていただけたらと思い、noteやその他のSNSで投稿しました。

作品を投稿した以上、やはり沢山の方に読んでいただきたいという思いはあります。ですが、私は、伏線回収ような緻密な物語を書くのが苦手です。それでもストレートに伝えたいことを伝えるのがいつか1人でも誰かの心に刺さればと思い書き続けたいと思います。まだまだ初めたばかりです。たまたまでも、読んでいただけた方には精一杯の感謝をして、少しずつ頑張っていきたいと思います。

その一歩を踏み出せたのが、この作品であり、その元となった思い出です。あの日出会った、純粋な希望を僕も持ち続けたいと思います。
思い出をくれた人達へ、「ありがとう」を込めて。

↑次回作のイメージ画

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