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フグのための建築、ここしかない場所

大学時代、かれこれ20年?以上前から今日まで、仕事にするほどの建築オタク。どこへ行っても建物を見ます。嗅覚も確かです。

下関、ならば海辺には海響館と唐戸市場、ということで、“建築を見るために”下関へ。

唐戸市場の屋上からの海響館、関門海峡と天高い秋の空。

唐戸市場の内観、pc 鋼線張弦梁の素晴らしい構造体の下の空間には、フグ、フグ、フグ。で、私も早速フグ!

建築よりもフグが好きかも。

私以外の周囲のお客様は問うこともない、ここへ来る理由。
フグ、イクラ、海鮮丼。
流行っている場所には理由がある。ここは、フグ。
pc 鋼線や張弦梁では、残念ながらない。

奥の壁面を斜めに照らす、トップライトからの光、よりもフグ!
構造的に軽量化が考慮された彫像的pc 床盤、よりもフグ!
お店のおばあちゃんのトークにのせられて、我が家と両親にフグを発送。

で、このフグどこから来たの?

ここから20分、はえどまりですよ、と聞いて直ちにGo!
海響館、そっちのけ。
日本で唯一のフグ専門市場へ。

ただの鉄骨造、ただの折板屋根、仕上げなし。
セリは早朝なので昼間は静かな大空間。

僕はここに来た。理由はフグ。

明日のセリに備えて、生きたフグをトラックから水槽に放り込むおじさん。

ここはフグのための建築。

さらに、

本州の最、ではないけど西の端、小さな、しかし潮流の厳しい海峡を渡って、島へ。

海峡に船を浮かべた漁師の家。

島の西の端から北九州を望む。解放感。

足元の潮溜まりには墨を吐く宝石。

島の名前は竹ノ子島。漁師町と造船所、とくれば、船の神様金比羅さん。

漁師町の神社はおよそ、そこに来た最初の人が神様のために選んだ場所。

が、ここ

いつも、どうしても写真では伝えられないもの。
ここに神様をおいた人への共感。

間違いなく、ここしかない!

世界が滅びて、また人類が生まれて、この島にたどり着いて、ここで生きていこうと決めた人が、末代までの繁栄を願って神様を据える場所。
今ならパワースポットなんて言うのだろうけど、自分のパワーじゃない。 願いとか、ビションとか、未来に向けた何か。

ギリシャ人ならパルテノンをたてる場所。

この島なら、ここしかない。

こんな場所、日本中、世界中にたくさんあるけど
そこにいかなきゃわからない。ここしかない場所。

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