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これは、あそび環境だろうか。in北九州01
私の大学の卒業論文のテーマは「こどものあそび環境」。一生興味を持てるテーマに充実した時間をかけられた私は相当な幸せ者。
この度機会を得て北九州、下関を一回り。思ったことを以下に。
1.写真もとらなかった世界遺産
八幡製鉄所の建物が、世界遺産に登録されたらしい。が、製鉄所が所有管理する建物なので、遺産指定された建物自体には近づくことができず、遠くから見るだけ。私の心が動かなかったからか、写真も撮らず。
失礼を承知で言えば、レトロ遺産は「昔はスゴかったんだぜ、昔はね、」になってしまいがち。さらにこの遺産指定建物が所有の壁に阻まれてはいかんとも。さあ、どうする。
2.周辺に痕跡を探す。
海側に回って見ました。写真前左のフェンスの向こうは生きている製鉄所。手前は公園。過去にはバースとして機能していたことを物語る、岸壁の重厚な石使いとビット。
先に見える船も同じビットに係留されている。古いインフラは自然素材で重厚に作られていて味がある。しかも現役!
視線を180度右に移すとバースの痕跡が長く連なり、かつてはここに船が連なっていたこと(昔はスゴかったこと)が、控えめに伝わる。伝わらなくても、ラインが美しい。
ソーラス条約が厳格化してから、港湾設備へのアクセスが全国的に難しくなる傾向がある中で、工業港湾と公園が連続していることにちょっと驚き。釣りもできそう。
行き交う船や荷役作業など、動くモノを見るのは石碑を見るよりも楽しい。見られる方は多少イヤかも。
保存されている高炉。博物館ではなく一般の公園として公開されてる。正直、流行らないよなあー、と、見切りながら行ってみると。
こどもたち、あそびばにしてました。
この管は、鉄鉱石を溶かすための熱風の通り道。1000℃を越える熱から厚さ40cm近い耐火煉瓦で保護されてる。市としては、文化財かもしれないけど、これが今与えられた用途。
こういう教育的な再現とか案内板、私のような興味を持つ変わり者には嬉しい。一方で、これを設置した人は何を企図して、設置結果を評価するのだろう。維持管理もコストがかかるので私のような変わり者のためでは投資効果が低いでしょう。。
これは、転炉、とのこと。
いやもっと、ファンタジックな何かでしょう、この存在感。
きっとこどもたちは、その何か、だと言っているはず。
私の不遜な先入観で、流行らんと見切って行ってみた工場の痕跡で、こどもたちは楽しげに遊んでいた。
流行っていたのです。
3.それは楽しいか?
場所が流行る、流行り続けるとは、人が来るか来ないか。
さらには、世界中から来るか、または、同じ人が何回も来るか。
人が来るには、理由が必要。
高炉にはこども達のための理由が、あった様子。
それが、計画された遊具ではなく工場の痕跡であったことは、かつてこどものあそび研究家であった私にはとても愉快。
理解してもらう前に、楽しんでもらおう。
Don't think, Feel.
門司のレトロ地区の重要な建築物。美しい。感心。
じゃあ、また来る? 何しに来る?
学びに来る?あそびに来る?
これは「あそび環境」? 何してあそぶ?
今回はそんな視点で見てみた。
つづく。