ヒクイドリを見に名古屋から埼玉へと向かった話 ~青春18きっぷの旅~
人には無性に〇〇したい時というものがある。
無性に納豆が食べたい朝
無性にスタバに行きたい夕暮れ
無性にヒクイドリを見たい夜
どんな欲求を持っていてもいいじゃない。それが生物多様性さ。日本語って便利。そして法律に違反したりしないならば、その欲求を満たしてもいいはずである。
というわけで行ってきました。
春の鈍行列車ヒクイドリの旅。
向かったのは埼玉県の白岡市にあります東武動物公園でございやす。
なぜ鈍行列車の旅かというと、青春18切符というものを一度使ってみたかったのですよ。桃鉄で名古屋からさいたままでサイコロ1個ずつ振って行くだけでも相当時間がかかるのに、それを現実世界でやろうってんだから今考えるとブッ飛んだ計画です。
こんな感じのスケジュールなので初日は移動のみ。なんとこの時刻表どおり一本も遅れることなく久喜駅に着くことができました。我ながらよくやったな。
短いところでは乗り換え4分。長くても14分。この時間内で全てを終わらせる必要があります。トイレもおにぎり購入も食事も反復横跳びも阿波踊りも済ませねばなりません。後半2つはお好みですが。
熱海からの2時間34分ブッ通しはさすがに経験したことない乗車時間だったので疲れました。ありがたいことにずっと座れたんですが、さすがに新幹線とは段違いの疲労度でしたね。
せめて青春時代にやっておけば……とは言うまい。今日より若い日は決してやって来ないのだ。
これもすべてヒクイドリに会うためよ。
首を長くして待っておれ。顔も青くして待っておれ。
なぜこんなにヒクイドリに執着してるのかは自分にもよくわからんのです。switch版ウイングスパン大洋の翼でその姿を見て鳴き声を聞いて、
無性にこの目で見たくなった。ただそれだけなのです。
言い忘れてましたが無論一人旅です。無論な。
さて久喜駅周辺で一泊し、目的地最寄りの東武動物公園駅に向かう途中に2つ良いことがありました。
まずは1つ目。
ちょっとセイコーマートあるやん!!
もちろん行ったこともないし知識もないけどここってアレでしょ?北海道ではおなじみのあのセイコマってやつでしょ?なんで埼玉県にあるのかよくわからんがラッキー。よく見つけたえらいぞ私。
少しだけ調べて得た「ホットシェフ」「カツ丼」という単語を握りしめて早朝の街を早歩きで向かいます。
おお~~~
これが、セイコーマート……。
早速店内に入って独特な商品群を見て回ります。ところが朝の早い時間帯ということもあってかホットシェフはおにぎりしかありませんでした。無念。
そんなわけで朝ごはんに選んだのはこちら。
頭の片隅に「ベーおか」という単語があったので多分これのことだろうと思い購入。値段は高めですがめちゃくちゃデカいです。そして味は噂通りのおいしさ。初めての取り合わせだけどこんなにおいしいとは。ベーコンおかかやりおる。ただ白米部分の塩加減は少しキツめに感じました。
なぜ我が家の近所にベーコンおかかおにぎりを売る店が無いのか。どこのスーパーでもいいから作りたまえ。これは命令である。
初めてのセイコーマートを堪能し、まだ時間があったので近くの公園を散歩することに。
そこで2つ目の良いことに遭遇。
おいなんかおるぞ!
キミはあれやな。犬と猿とチームを組んだり、鬼の目を突っついて「鬼の目にも涙」状態にしたりするタイプの鳥やな。
正直野生のキジを見たことはこれまでも何回かありました。しかしいつもと違うのはカバンの中にズームレンズを装着したデジタル一眼レフ(借り物)が入っていたことです。きびだんごが入っていればもっとよかったのに。
鼻息を荒くしながらストーカー行為に励みます。ブッシュに隠れて近づくものの、相手も警戒心が高くかなりの速足で遮蔽物に隠れて地面をつつき、また速足で移動しています。
結局このぐらいしか近付けずまともに撮れたのはこの3枚ぐらい。しかしカメラのマシンパワーがあるのである程度引き伸ばしてもいけるはず。
自然が創り出す造形美に思わず息をのみます。文章でも画像でも人工知能が一瞬で作り上げてしまう現代。私の感じる素晴らしさはこちら側にあり、なるべくこういったものに触れて生きていきたいと思います。
もちろんデジカメも画像編集も人工のテクノロジーですけどね。
そうこうしているうちにいい時間になってきました。このキジとの出会いを吉兆と見なし、意気揚々と東武動物公園へ向かいます。
と、その前にお昼ご飯用のおにぎり2個を本日2回目のセイコーマートで購入したのは言うまでもありません。
チーズおかかと鮭、フライドチキンも出来上がっててやったぜ!
いよいよ入口にたどり着きました。
はやる気持ちを抑えつつチケットを買います。
大人1枚!お釣りはいらん!いややっぱもらう!
東ゲートより入場し、目指すは奥のどきどきストリート。この日は金曜日ということもあり空いていたと思います。
まず出迎えてくれた第一アニマルは硬めのカバ。この写真を撮っているときは、硬めのカバを撮りたいと思っているというよりは、撮りたくもない硬めのカバを撮ることにより気持ちを落ち着かせようという心境でした。
何を言っているかさっぱり分かりません。
遊園地ゾーンを抜けて奥へ奥へ。
観覧車を抜ける頃には動物園のかほりがして参ります。
こんなパネルが現れました。翌日の土曜日からゴールデンカムイとのコラボイベント?が始まるようでショップの準備などがなされてました。期間を見るとかなりのロングランですね。
だんだんとヒクイドリに近づいてきました。大抵の動物は無視して進もうと思っていたけど、次に目に入ってきたのはこちらのお方。
神々しい。さすがに無視できん。
日中はやる気なさそうに寝転がっているネコ科動物が多い中、この佇まいですわ。きっちりオーディエンスの方を見つめ微動だにしないファンサービス。写真もバチバチに撮られていました。
っていうかきみスタイリスト付いてないか?
マットなヘアワックスで髪型キメてもらってるよね?
さあ肩が温まりきったところで次のカーブを抜ければいよいよヒクイドリに出会えます。ドキがムネムネして参りました。
あれ?この辺のはずなんだけど……。
きた!ここだ!
ん?何か様子が……?
おいぃいぃい~~~~~~!!!!
おれへんやん。
えっ?ちょっとわかんない。
えっ?ちょっと意味がわかんない。
ヒクイドリを見に来たのにぃぃぃ~
ヒクイドリを撮りに来たのにぃぃぃ~
ヒクイドリに乗りに来たのにぃぃぃ~(乗れません)
泣いていいやら怒っていいやら
隣のおっさんに目潰ししていいやら
わからずパニック状態になっていると何やら近くから視線を感じました。
あちゃ~やっちゃったねおニイちゃん。
そいつ今いないんだよねぇ
でゅふふww
とでも言いたげにこちらを凝視しながらくっちゃらくっちゃら口元を動かしているアルパカ。もし私の手に握られているのがデジカメではなくアサルトライフルだったらホットシェフおにぎりの新しい試作品が出来上がっていたことでしょう。
8時間以上もかけてここまで来たのはなんだったのか。鈍行列車で400㎞以上も移動してきたのは何のため……。
想像してみてください。美味しいと評判のラーメン屋さんに時間と手間をかけて行ったとしましょう。臨時休業をくらったらかなりガックリきませんか?それの数倍のガックリ感を味わったわけです。想像していただけましたでしょうか。ご協力ありがとうございました。
しかしいつまでも落ち込んでいるわけにもいきません。流れ落ちる鼻水を花粉のせいにして立ち上がらなくては。
ムエタイの帝王サガットは言いました。
「敗北せぬことが強さなのではない!
敗地から立ち上がる者こそが強者なのだ!」
実はこの日は埼玉から静岡まで移動する計画なのでそんなに時間がありません。もちろん引き続きJR鈍行列車涙の旅です。泣いとるがな。
翌日の旅はこちらに記事を書いています。ぜひご覧ください。
そんなわけでこの後1時間ほど動物を見て写真を撮って帰りました。
次は必ずヒクイドリ見るぞ。
最後に何枚か写真を載せて終わります。
長々と読んでいただきありがとうございました。
ではまた。