なぜスタッフは退職するのか?その3
前の2回はお金について書きました。
次はお金以外の理由です。
一つは院長の臨床能力が低いということがあります。
そんなことあるの?と思うかもしれませんが、開業医で働く看護師と飲んだりすると、実は結構あるんだなと思います。
医師から指示が出て看護師が点滴をする。
当然責任は医師にあるのですが、看護師的には「これってどうなの?」という指示をさせられ、万が一、そこでトラブルがあった場合、自分たちにも責任が及ぶのではないかというところがあるようです。
また、患者さんに悪いことをしているんじゃないかという不安さもあるようです。
これは病院からクリニックに移った看護師さんが感じることが多いように思います。
こればかりはどうしてみようもなく、指示通りの点滴等をすれば看護師が責任を問われることはないということしかないのですがやはり、働き続けることが難しいようです。
病院の循環器病棟で働いていた知り合いの看護師は、諸事情があり開業医に転職しました。
その後、飲む機会があり話をした時にはすでに、開業医を辞めていました。
その理由を聞いたところ、「院長は毎回何か訴えがあるとほぼ全員に「点滴しましょう」といって点滴をしてるんです。高齢者でむくんでいても「点滴をしましょう」って言って、心不全で具合が悪いんじゃないのかと思うんだけど、先生は毎回「点滴しましょう」って言うんです。連日点滴をしていた患者さんがいて、とっても怖くて、院長に「足がすごくむくんでいますし、心不全とかもあり得るのでは?」と言ったそうですが、「とりあえず点滴して」と言われ、流石に無理だと思うようになってきて、その日の夜、その患者さんは救急車で病院に運ばれて心不全の悪化で入院したんだけど、院長はその後も誰に対しても点滴っていうので、さすがに無理だと思ってやめました」と言っていました。
その院長、60歳ちょっとですけど、高齢者が何か言うと「とりあえず点滴」っていうと言っていました。
そして、当然、こういうことが続くと、スタッフの中でも「おかしいのでは?」という気持ちが出てきて、結果、看護師全員がその後やめたそうです。
つまり、院長の能力不足が原因で、一緒に働くスタッフが不安を覚えるケースです。
特に看護師ですが。
実はここまで酷い話であはりませんが、3人ほど、院長の臨床能力が低いことが怖くてやめたという看護師を知っています。
そして、このケースの最悪なのは、辞めた看護師のほとんどが、院長の治療の失敗を口にすることです。
そして、それが噂として伝わってしまいます。
それは患者さんにもです。
正直、75歳以上の高齢Drにはよく見られます。
なんでもとりあえず「点滴」という言葉。
そして、その理由の一つは「患者が希望する」からです。
しかし、医療的に不要なこと、害のあることは断って、医療的に正しいことをするということが、スタッフを安心させます。
ある一定の医療レベルは必須であろうと思います。
そして、もう一つあるのは、「院長が怒る、怖い」です。
正確に言えば、「気分でムラがありすぎて気を遣うのも疲れるし、それで怒られるも納得いかない」という感じでしょうか。
僕が知る限り2人います。
ただ辞めないまでも、それに対しての愚痴を言う看護師は多いような気がします☺️
話を聞くと、患者の前でもスタッフを怒鳴るといっていました。
ただ、患者にも怒鳴るようで🤣、怒っているのかそうじゃないのかさえわからないことがあると言っていました。
ただ、大人になって怒られる、怒鳴られるのは許容できない人が多いのは間違いないと思います。
若いDrは指導医やさらに上のDrから怒られることはあったと思います。
もちろん、自分が失敗をして間違ったことをして怒られるのは仕方がないと思いますし、むしろしっかりと見てくれていると思うことも僕はあったのですが、いや、自分はちゃんとしているのに、指導医やチームのボスの気分が悪い時に怒鳴られるのはものすごく嫌でした。
なので、開業してからは絶対にスタッフを怒ることはしないと決めています。
実際、開業して数年経ちますが、今までスタッフを一度でも怒った事はありません。
もちろん、「この仕事はこうしてください」「このやり方だと困るので変えてください」というような指示をしたり、指導することはあります。
それは当然ですが、感情が表に出るようなものの言い方は一度もしていません。
それはスタッフには受け入れがたいことの一つだからです。
開業する前にまずは怒らない練習をする、自分の気持ちを一定に保つ練習をする、そこは実は重要なポイントだと思っています。
これから開業する人は気分を上下させず、常にフラットな気持ちを維持できる、正確にはフラットな気持ちであるように振る舞える練習は必須だと思います☺️
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