私たちを繋ぐもの

私は物心ついた時にはゲームを見ていた。
FINAL FANTASY Ⅳ Ⅴ Ⅵ Ⅶ Ⅷ Ⅸ Ⅹ Ⅹ-2
風のクロノア 1 2
かまいたちの夜 1 2
ドラゴンクエストモンスターズ 2
クロノトリガー
クロノクロス
etc etc

いつも学校からワクワクと帰っていた。
今日はあの冒険の続きだ。あの話はどうなるんだろう。
バタバタと、玄関を開けテレビの前に駆け付ける。
おかえり、と兄と姉が笑ってプレステの電源を入れる。
私は、オープニングからワクワクとそれを見ていた。

兄と姉はゲームが好きだ。
私はそれを、まるで映画や小説でも見ているかのように一緒に見るのが好きだ。
勿論、一緒に「そこ!危ない」「いま!」「惜しいっ」と叫びながら見ているのも好きだ。

姉と兄が2人プレイでクリアするのを、攻略本を片手に宝箱の位置を教えたりしていた。
兄が男性、姉が女性、私が子供の台詞を喋ってはオリジナルフルボイスにしていた。

楽しかった。あの頃は確かに3人でゲームをしていた。

兄姉だけや、どちらかが1人でゲームをしていたら、私がズルいズルいと喚いたものだ。
今考えると面倒な兄弟に姉兄は大変だったろう。

特に印象深いのは
FINAL FANTASY Ⅵ
風のクロノア
クロノトリガー
かまいたちの夜2
FINAL FANTASY Ⅹ
だろうか

FINAL FANTASY VIはとても不安だった。
ゲームとは明るくて冒険心が擽られる始まりばかりだと思っていたからだ。
このゲームの始まりはまるで逆だ。
吹雪の中、少女が大きな機械に乗せられる。そのままずっと暗い雪原を歩いていく。
これだけ。これだけのオープニングが、子供の頃の私には不気味で酷く印象に残ったのを覚えている。
姉も兄もそうだったのだろう。3人で固唾を呑んで画面を見つめていたものだ。
勿論、ゲーム自体は大変波があり、ドキドキもワクワクもした素晴らしい作品であった。

風のクロノアは何度見ても泣いた。
最後のエンディングで、2人がリングを掴むシーン。何度見ても、何度見ても、涙が出た。
こんな別れの為にこのゲームを進めてきたわけじゃない、という思いと、帰らなければならないと分かる悔しさ。
それでも一緒にいることを願った2人が、最後まで足掻く姿に、何度も何度も涙した。

クロノトリガーにはド肝を抜かれた。
時を飛ぶ冒険、という時点で面白くてワクワクしたものだ。
けれどまさか主人公が死ぬなんて、考えたこともなかった。
呆然とした。もう終わりだと思った。この後続くストーリーなどない、と。
その解決策もユニークで、時をかける冒険ならではの方法が面白かった。
一つ一つのエピソードが濃厚で、本当にドキドキしたものだ。

かまいたちの夜2にはトラウマレベルで怖がらされた。
初めてノベルゲームというものを見た。マルチエンディングというシステムを初めて知った。
最初の殺人事件の話は怖いけれどドキドキした。心臓が止まりそうな程驚いたけどまだ楽しく見れていた。
問題は底蟲村編だった。生きながら死に行く恐怖。化け物に襲われる不安。描写が酷く生々しく、私は悪夢に魘された。怖かった。動きがない文がこんなに怖いなんて思いもしなかった。
今ではいい思い出である。

FINAL FANTASY Ⅹには感動させられた。
クロノトリガーとは、また違う主人公の喪失。それを初めて知った時の絶望感。それでも、生きようともがく主人公の強さ、優しさ。
美しい、話だと思った。最後に残るものは僅かに過ぎないとしても、希望は確かに残されている。泣きながら、それでも前を向ける話だった。

沢山のゲームを兄姉と見た。

それは、私の価値観を揺さぶり、考えを深め、今の私を形作っている。

今は、私は1人でゲームをしている。
プレステ4でモンスターハンターワールドを闊歩している。
また、誰かと笑い合うゲームもしたい。
久しぶりに、姉兄に声でもかけてみようか。

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