見出し画像

事業失敗し26歳で自己破産するまでと、自己破産したらどうなるのか。について

初めまして棒線小僧と申します

このnoteを読まれている方の多くは、自分で商売・事業を始めている或いは今後起業したい。という方が大半だと想定しておりますので、左記に該当しない方にはあまり刺さらない内容となっておりますが、左記の方々であれば一読の価値は一定担保出来ているのではないかなと思っております

在学中にベンチャー・スタートアップ創業からエクイティ調達・融資、組織瓦解、事業撤退→自己破産→メンタルブレイクみたいな、まあその界隈では正直よくある話ですが
インターネット・SNS全体で見ると意外と開示している人は少ない(成功した後に過去の失敗談として語られることはある。ちなみに私は今も全く成功していないです)と思ったので
自己破産に至るまでの経緯と、自己破産した後の影響に関してリアルに書かせて頂きました(今はステルスで仕込んでいる事業に専念しているため、名前だし・顔出ししていないですが、上記の事業が軌道に乗ってきて次のstepに踏める状態になったらこのnoteでもXでも実名顔出しでそのまま公開し続けるつもりです。)

5000文字程度なので10分で読めます。

↓経緯

22で創業

自分は早稲田在学中の22歳の年にスタートアップを創業しました。(今から6年前)
当時は今の市況感(スモビジトレンド)とは全く違っていて、バイタル・野心ある若者はこぞってITスタートアップをやる。みたいなトレンドで、自分も御多分に漏れずアプリ系のスタートアップでインターンをやってすぐVCやエンジェルから出資を受けて事業を始めました
エンジェル・VC合わせて1,800万。のち売上実績を作って融資調達(全て連帯保証付き)も2,000万ほど。大学は登記した瞬間から休学(のちのち結局辞める)


事業

スタートアップ的な文脈でいうと
最初はマッチングプラットフォーム事業(ココナラ・クラウドワークスみたいなやつ)から始め、なかなか軌道に乗らず、オンラインメンタルクリニックアプリにピポットしたりしつつ最終的に生成AI×SEOのツールを開発するに至りました。

スタートアップ的な商売はいわゆるPMFというのが難しくて、商売を形にするまでの難度が極めて高かった印象があります。また、大型イグジットを前提にしているのでスモビジ的なしっかり粗利は出るが成長スピードはあまり期待できない。みたいな形の計画値だとそもそも資金があつまりませんでした。(今考えればそんな難しいことを未熟な若者がやる必要は全くなかったと思ってますが)

最初の1.5年くらいでざっくり4,000万ほどキャッシュを集めましたが、
エンジニアを雇ったり、(ボロいけど)オフィスを借りたりと、なんだかんだですぐに金はなくなるので、SEOの受託支援やweb広告運用の代行などで月100~200万程粗利を作って平行しながら食いつなぐみたいな期間も2年ほどありました。

そして、色々とピポットを繰り返し最終的に2021年から生成AIでSEOコンテンツを自動で生み出すツールの開発事業を始めました。chatGPTが世間で一気に話題になったのが2022年の冬頃でその1年前くらいの時代です。世間はもちろんのこと当時はVCですら「生成AI???自然言語処理???」みたいな市況感でした。ピッチしても「よくわからん」って3社くらいから正直に言われました


当時、最新の自然言語処理モデルはGPT-3でそのAPIを使って、SEOの受託事業で人間の手でやっていた、webコンテンツ記事の構成~執筆までを生成AIでまるっと代替してコストダウンする。みたいなツールですね。2025年現在ではおそらくいろんなサービスが出てきていると思います(今考えてもマーケットサイズがかなり小さいので大型でIPOしよう。みたいな前提の取り組みはほぼ無いと思いますが)


組織瓦解

スタートアップはアイディアよりもアイディアを形にすることの方が圧倒的に難しいなと思います。(もちろん私の経営能力不足でしかないのですが。)


開発も出来ましたが、生み出した生成記事のクオリティがなかなか満足いく出来にならなかったこと、当時は生成AIによるコンテンツはスパムとしてSEOペナのリスクがあり(今もある??現在の状況はあまり詳しくないです。すみません)、営業マーケが思いのほか軌道に乗らなかったこと。OpenAI側がAPIにかかる費用をコロコロ変えていたこと。エクイティ調達がうまく回らなかったことなど色々要因が重なり、
社内の雰囲気が終わってる状態が続き、ある時一斉にメンバーが同時に居なくなりました。五反田のオフィスで「すみません、船降ります。」とだけ全員に言われ急に一人ぼっちになったことを今も覚えています。


自己破産

そして、法人清算と個人の自己破産手続きに至ります。22年の冬頃です。このあたりの手続きの話だったり、銀行や信用保証協会とのやりとり、VCとのやり取り、税理士・弁護士との相談・依頼、売掛金回収、奨学金は連帯保証がついているから免責にならないから注意。など色々と話せる内容はあります。

ただ、シンプルに
当時ザ・鬱状態で正直脳内にほとんど記憶が残っておらず、印象深い部分を断片的にしか覚えていません。

当時の状況はざっくり言えば、貧すれば鈍す。まさにそんな状況でした。起業して自分で商売をやっているときの経営者は大抵"躁"状態。要するに"ハイ"になっているんですが、撤退戦の時は心身・PLBSもろともボロボロで"鬱"状態になるわけで、そのギャップが何よりもキツいし、本当に何をやっても上手くいかない。まさに「詰み」という感じでした。

しかも自分の場合は法人の債務を全て個人に移して全額返すつもりで数ヵ月動いていたりしたので余計ややこしかったりします。この時の話は色々ありすぎて枝葉のエピソードになってしまい、本筋から逸れてしまうかなと思いますので、需要ありそうだったらこの時の詳細の話だけ別のnoteにまとめますのでコメントやXなどでリクエスト下さい

免責許可

自己破産手続きは自分の場合約2年かかりました。弁護士依頼してから免責許可が出るまでの期間です。
都内でイレギュラーなことをせずにスムーズにやっていたら1年程で免責が出るかなと思いますが、自分は地方に環境を変えたり、債務を個人に移していたり、また東京に戻ってきたり、など色々とややこしくしてしまったのもあり結構時間がかかりました。
管財人さんと初回面談してからは、中目黒の地方裁判所に2回ほど行って、免責が出ました。24年の9月の話です。裁判所への費用が確か100万くらいで、弁護士費用もざっくり100万くらいだったと記憶しています。



↓破産するとどうなるのか

ペナルティ

割りと有名だと思いますが、まず信用情報に傷が付きます。CICの信用情報が回復するには免責許可日から5~10年と言われていますが、実際のところはわかりません。(クレカの新規申し込みや個人名での賃貸など、今後も色々と検証してみたいと思います。)

信用情報に傷が付くと、いわゆるブラック状態になってしまい、"分割"が組めません。新規で債務を背負うことが出来ない状態になります。住宅ローン、車のローン、携帯本体の分割、クレジットカードこのあたりですね。
今は賃貸にも影響があります。現在のほとんどの賃貸物件は保証会社がついており、保証会社に信販系も多いのでクレカの情報などが見られます。審査に通りにくくなります。

自分の場合は、カードに関しては信用保証協会に返済が出来なくなったタイミングからカードが一切使えなくなりました。(どういう仕組みか弁護士が言っていましたが忘れちゃいました)
信用保証協会に返済ができなくなったのが22年の夏頃と記憶しておりますが、そのタイミングから実質的にブラック状態になっており、クレジットカードは使えていません。(もちろん今もです)


クレジットカード

個人的には私生活への影響はあんまりないです。というのもデビットカード(即銀行引き落とし)という機能に関しては大抵の場合使用出来るため、
ネットでの買い物や決済はクレカと同じように使えます。もちろん、私がカードを使えないことに"慣れてきた"という側面もあると思いますが、ここ2年ほど生活でクレカが使えなくて困ったみたいなシーンは正直ほとんどないと思います。
PayPayなどの電子決済もできますし、極論現金支払いは普通に出来ますので、本当に困ったシーンはないです。
枠を使ってリボ払い、みたいな状態にならない分、個人でも健全なPL・BSを構築しやすい状況とすら思ってしまっています。

ただ、直近1年ほどサラリーマンをやっていたのですが、仲良くなった上司に勘繰られたことは何度かありました
「お前、クレカ持ってないの??」と。勘繰られたというかほぼバレていたかもしれないですけど。(笑)
当時は普通にバレたくなかったので適当にはぐらかしましたが、人間関係が深まっていくと実際はまったくバレないようにする。みたいなのは難しいかもしれないですね。免責手続きのプロセスで親・親戚には話しています(破産費用を借りたのと、奨学金の連帯保証人が父だったため)

賃貸契約

今から約1年半前の23年8月頃、自分は東京に再度引っ越してきています(都内でサラリーマンをやるためです)
その時はすでに自己破産の申し立て開始をしており(申し立て処理をすると信用ブラック確定します)、信用情報はブラックの状態でした。

結論、池袋徒歩10分ほどの管理費込み47,000円の賃貸に個人名義で通りました。(死ぬほど狭い、雨漏り頻出のクソ物件ですが。)

・連帯保証人 父(上場企業 正社員)
・自分 年収720万(ベンチャー 非正規雇用)
・保証会社は信販系(たしか)

事前に不動産屋にブラックであることを伝えていたこともあり、この物件に関しては普通に通りました。

ただそのあと、半年くらい経って、正社員になり昇給もしたのでオフィスの近くに住みたいなと思って月10万くらいのところに申し込みしましたが、審査に通りませんでした。一般的には月収の1/3以下が基準と言われていたので、当時の月収が62万で月10万ということは1/6以下なんですが、普通に落ちました。父連帯保証は同様につけてもらっていました。

なので、都内である程度快適に過ごす。ということにおいてはブラック状態では一定のハードルがあるかなと思います。(年収をひたすら上げたり、数期分の決算や確定申告があればまた話は変わってくると思うのでそのあたりも自分の人生を使って検証・共有していきたいと思います。)

その他

その他ブラックになって困ることは今のところはないです。戸建てを借金して買うような考え方は持っていないので住宅ローンは関係ないですし、車は免許すらないので、必要ありません。賃貸とクレカの部分だけだと思います。
選挙権などもありますし、自分で商売(開業)も出来ます。銀行口座の開設も出来る、株の投資も出来る。(免責後)。条件によりますが、引っ越しも出来る。ので、今のところペナルティは限定的だとは思っています。

ただ、今後事業拡大に際して法人で融資を引くべきタイミングが来ると思いますがその時にまたハードルを体感すると思います。オフィス賃貸に関しても同様かもしれません。それもそれで、色々と検証していきたいと思います。

最後に

なんとかポジティブに語りましたが、実際問題自己破産はネガティブだと思いますし、ポジティブな要素は基本ありません。恥もかきます。親も非常に辛そうです。親がいつも辛そうなのが、私としては一番辛いです。無論債権者の方々には多大なご迷惑もおかけしています。破産手続き始まってから本当に死にたくなることしかなかったですし、今も時々そうです。

ただ、そうなってしまったのも全部自分の責任ですし、過去は変えられないので、変にコンプレックスにしながら、隠しながら生きるのではなく普通に開示することにしました。
無論笑われたり、ざまあw
と思われることの方が多いと思いますが、それも乗り越えていきたいと思います。

内容が濃すぎてまとめきれなかった部分もあるので、もし質問などあれば、リプやnoteのコメントなどでお気軽に連絡下さい。必ず返します。
noteもXも継続的に更新していきます。
読んで頂き有難う御座いました🙇‍♂️

【追記】
想定外にご反響頂き、一度会いたい。とご連絡頂戴することがあるのですが、大変生意気では御座いますが、現状目下仕込んでいる商売に全集中しております(toC向けビジネスですので、対外的な交流が事業にクリティカルな影響を及ぼさないため。)ので、どのような方であっても現状はお断りさせて頂いております。申し訳ございません。


上記事業が軌道に乗り、次のstepに踏み出せる状況になりましたらこちらのnote冒頭に記載している通り顔出し・名前出しでXもnoteも展開し、この記事も継続公開致しますので、その際に改めてご挨拶の機会頂戴出来ればと存じます。




















いいなと思ったら応援しよう!