僕がどんなに君を好きか君は知らない

いや、絶対知ってると思うんですけどね(苦笑)

高校時代にずっと好きだった彼女と30年弱振りに連絡が取れるようになって1ヶ月。
なんとなく地元に帰る時間が取れそうな日が出来たので、その日程を伝えてみた。
すると、その日は彼女も両親を病院に連れて行く日なので休みを取っていることがわかった。
これを逃したら一生会えないと思ったので、半ば無理やりだが日帰りで地元に帰ることを決めた。
そして、「ご両親の通院が早く終わりそうだったら会いたい」と正直に伝えた。
答えは「どうなるか当日にならないとわからない」だった。

帰省の2日前、またそれとなく聞いてみた。
「いつもよりは少し早く終わるんじゃないかな」

「また連絡するね」
って言う答え。
正直、3:7で会えない確率が高いかなって思った。
ご両親もそんなに簡単な病気ではないし、通院も1回が時間がかかるのも承知していたし。
でも、万に一つでも可能性があるのならととんぼ返りを決意した。

当日。
昼前に到着し、昼食も摂らずに待機した。
連絡があったらすぐに動けるようにしていた。
わずかな可能性を信じていた。
何より、恋人同士ではなかったが一緒に過ごした時間が僕を信じさせた。

13時過ぎだろうか、彼女からLINEが来た。
恐る恐る内容を確認したら、14時くらいから30分ほど時間が取れそうと。
奇跡が起きた。
いや、「会えることを信じていたから奇跡ではなく必然だ」と自分に言い聞かせた。

約束の時間、約束したコーヒーショップで再会を果たした。
30年弱会っていないし、お互いの車も知らない。
でも、駐車場に入ってきた瞬間、お互いが認識をし、車に中からお互いに手を振った。

30分ほどと言っていたのだが、結局1時間弱の時間をとってくれた彼女とたくさんの話しをした。
この1時間、僕の目の前にはとてもキレイなった、でも中身は僕が好きになったままの彼女がいた。
喋れば喋るほど、昔に自分に戻っていくのがわかる。
今でこそ色んな女性とお付き合いを重ね、口説き文句のひとつも言えるいい大人になっているが、彼女の前ではまだまだ純粋だった高校生に自分に戻っていってしまった。
会うまでは冗談めかして「まだ好きだよ」とか言えると思っていたけど、そんな言葉も口に出来ないくらいピュアな心になっていた。

恥ずかしいくらい、彼女の好きなところをたくさん思い出した。
本人はとても気にしている目。
時折みせる意地悪な笑顔。
他人からのお願いに「NO」が言えない性格。
強すぎるくらいの責任感。
それでいて「そばにいなくちゃ」と思わせるくらいのおっちょこちょいなところ。
そのおっちょこちょいエピソードを話す時の困り眉毛。
透き通るくらいの白い肌。
そうそう、この日は僕が1番好きだったお団子頭で来てくれたよね。
その時にハッキリと見えるフェイスラインとうなじもとても好き。

多分、わかってるよね。
僕がどんなに君を好きか。
だって僕はこんなに思っているんだから。
それはきっと言葉にしなくても伝わってしまう。
隠しきれない君への思い。
これは30年振りの片思い。

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