
やっぱ好きやねん
驚いた事に、今年のゴールデンウィークに高校の同級生から連絡があった。
福岡にいる同級生が地元に帰省するから、軽く集まろうと。
声をかける人数は大体6〜7人くらい、その中に前出の彼女も含まれていた。
これは何がなんでもいかねばならない。
30年経ってもキレイな彼女に出会えるのだから。
当日、家族の昼食・朝食を準備し、いざ帰省。
12:00の待ち合わせ時間に間に合うよう、かと言って早すぎないようにハイウェイを走る。
要所要所で帰省の渋滞が発生しているが、概ね読み通りの所要時間で到着。
近くのコンビニで手を洗い、緊張を解してから会場のお店に入る。
今回は急な招集だった事もあり、4名での集まりとなった。
そして、その4名の中に彼女の姿はなかった。
ちょっと寂しかった。
程なくして、彼女の話題になった。
連絡を取らなくなった30年弱の間の彼女の人生は、僕が想像していた様な平坦なものではなかった。
身内の不幸があり、ご両親の大病もあり、ここ数年はご両親の介助をしているとの事。
そんな状態なので、ハッキリとは聞いていないがシングルではないかと。
僕はかなり動揺をした。
幸せな結婚をしていて、子どもの写真を見せ合って、
「あの頃は若かったね〜」
なんて話をすると思っていたからだ。
3時間ほど食事をしながら、昔話をし、年内に同窓会を企画すると言う決定事項を確認して、解散した。
この同窓会を企画するにあたって、幹事に立候補した。
この日にあったメンバーで幹事会のLINEグループを作成し、その中に彼女も入る事となった。
家庭の状態が大変なので、人付き合いをしている余裕がない彼女だが、少しでも明るい話題を提供したいと言う他のメンバーの意向で、彼女にも了承を得たようだ。
その日の夕方、早速彼女に個別でLINEを送った。
LINEグループとは便利なものだ。
直接連絡先を聞いていないのだが、同じグループなので連絡がとれる。
久し振りのやりとりは日付が変わる頃まで続いた。
彼女の近況を改めて聞くことができた。
人伝で聞いていた内容以上に大変な状況で、かなり参ってた。
僕と彼女の間にあった過去の出来事が、彼女を少しだけ素直にさせてくれたのか、弱音を吐いてくれた。
とても真面目で頑張り屋さんで、それでいて不器用で一人で抱え込んでしまう彼女。
でも、昔から僕には少しだけ、弱い部分を見せてくれていた。
やっぱり連絡をとってよかった。
今の仕事のおかげで、彼女の力になれるかも知れない。
その思いには下心など存在せず、純粋に彼女に幸せになってほしいと言う思いだ。
ちょっと待って?
それって、まだ好きってこと?
彼女の力になれる様な、有益な情報を集めながら、先を自問自答する日々が始まった。