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卒業研究レポート② 「子どもたちの居場所をつくりたい。」

皆さんこんばんは❗️
前回の卒業研究レポート①は読んでいただけたでしょうか❓🤔
今回も実際4年生がどのように卒業研究を行っているのか、どんなふうに地域に飛び出して地域の方々とコミュニケーションをとっているのか、アクションを起こしているのかなど各ゼミから1人ずつピックアップをして、卒業研究取材レポートをお届けしようと思います✊
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第2回目となる今回は矢部ゼミ所属の野内 杏花里(のうち あかり)さんです。
それではどうぞ❗️
※サムネ写真協力 認定NPO法人こども∞感ぱにー

野内 杏花里(のうち あかり)
ニックネーム:のっち
生まれ育ち:東京都
所属ゼミ:矢部ゼミ
研究テーマ:「子ども支援におけるより良いボランティアの関わり方」

1.『子どもと一緒に「たくらむ」大人を増やしたい』

■まずはどんな卒業研究をしているか教えてください。

「子ども支援におけるより良いボランティアの関わり方」というテーマで、宮城県石巻市をフィールドに、子どもの居場所づくりを行う大人がいきいきと活動できる環境を研究しました。

■研究の経緯は何ですか?

子どもに関わるボランティアをさせていただく中で、大人が楽しく活動している現場では子どもも楽しく過ごせていることに気づきました。頼り頼られる関係性が子どもの自信に繋がると仮定し、「一緒にたくらむ」大人(=学生ボランティア)がいきいきと活動できる環境をつくりたいと思ったのがきっかけです。今は、子供・若者支援に取り組むNPO法人TEDIC さんの元でインターンさせていただくと同時に卒業研究を行わせていただいています。

□NPO法人TEDICとは
宮城県石巻市で子ども・若者支援に取り組むNPO法人。
事業内容としては
・小学4年生~高校生年代を対象に学習生活支援の実施
・様々な理由で学校に行くことが出来ない子どもが通えるフリースクールの実施
・石巻圏域(石巻市、女川町、東松島市)の0〜39歳の子ども若者が相談できる、石巻圏域子ども・若者総合相談センターの運営
・フリースペースの運用など、子どもと大きな子ども(大人)の居場所づくり
などを行っている。学習生活支援では6つの地域で活動中!
40人以上のボランティアが登録しており、各々の活動場所でスタッフとボランティアが毎週子どもの居場所作りや、子どもたち一人一人に寄り添いながら活動を行なっている。
〜こちら只今ボランティア募集中!〜
Instagram:@npo_tedic
note:NPO法人TEDIC

■NPO法人TEDICさんで活動をすると共に、具体的にどんなアクションを行ったんですか?

学校に通っていない子どもの居場所をつくるフリースクールのボランティアをTEDICさんでさせて頂いているのですが、その延長から昨年の11月に日々の活動で子どもたちが生み出した作品を展示する『芸術祭』を他のボランティアの学生と共に企画しました。子どもたちが描いた絵や、工作、自慢したいものを展示し、作品を見に来た人が感想を書いて作者に届けるプロジェクトです。

■『芸術祭』を行おうと思ったのは何故ですか?

はじまりは、子どもが描いた絵を見た時でした。好きなところを伝えると、嬉しそうに次からも見せてくれるようになり、もともと自信がなさそうにしていた子どもが徐々に楽しそうにフリースクールに来てくれるようになりました。
これは絵に限った話ではなく、歌だったりゲームだったりおしゃべりだったり、子どもたちには本来持っている力があり、それを引き出すことで自信につながる経験を作りたいと思うようになりました。
芸術祭は、そうした子どもたちが日々生み出す作品が、現場の中でそのまま放置されていた現状から生まれています。自身が表現したものをそのままにせずきちんと誰かに見られる機会を作り、作品と気持ちの行き場を作りました。

■開催してどうでしたか?また、開催後次のステップとして何か考えていることはありますか?

子どもと関わる大人たちの存在の重要さに気づきましたね。
芸術祭をしている中で子どもたちと一緒になって学生ボランティアたちが絵を描いたり、黙々と隣でダンボール工作をしていたり、夢中になって手のひらに絵の具を乗せていたり楽しんでいる様子を見れたのはとても嬉しかったですし、楽しそうにものづくりをしている様子が見えたのはとても印象的でした。私自身も子どもたちと絵の共作をしている中で、子どもたちの口から「一緒に作品を作っていて、今日はとても楽しかった!」という言葉を貰えた時は、子どもたちの隣で一緒になって活動してくれる大人の存在はやはり大切なのではないかと強く思いました。
芸術祭での展示会でも、「どうやって展示する?」とお互いに相談しあったり、芸術祭当日に向けて子ども自身が直接展示をしたりする機会を設けました。子どもたちに何か「してあげる」だけではなく、大人たちが子どもたちと「一緒にたくらむ」ことができる「斜めの関係」の大人の存在が子どもの自信につながると実感しました。
今後は子どもたちと「一緒にたくらむ」大人たちをさらに増やすために、「斜めの関係」に近い学生ボランティアが活き活きと活動し続けられる状態を作りたいと思っています。
今ボランティアをしている中でも、ボランティア同士の交流の場を作っていたり、子どもと企画をしたり、やりたいことは沢山あります。なので、まずは私自身が楽しく活動していきたいなと思っています。

■そもそもNPO法人TEDIC さんに関わるきっかけは何だったんですか?

元々は「子どものまちでの第三の居場所」を研究のテーマに「子どもの権利条約」や「子どものまちづくり参加」について調査していました。調査を進める中で、宮城県石巻市は不登校の子どもや貧困家庭が多く、子どもの居場所をつくる団体はすでに多くあることを知りました。
そうした団体でボランティアをさせていただくうちに、子どもの声をもっと深く聞きたいと思うようになり、継続的にボランティアが子どもと向き合うことができるNPO法人TEDIC さんにインターンとして入らせていただきました。

■普段のインターン活動は具体的にどんなことをしているのですか?

主に、毎週開かれる昼間のフリースクールに入らせていただいています。インターンの活動というよりは、ボランティアをしながら子どもに関わる大人の話を聞いたり会議に参加させていただいたりしました。
フリースクールでは、他のボランティアとともに次の週の活動計画書を作ったり、振り返りの設計をしています。夏には子どもとのっちの二人企画「ほっとっとまつり」(フリースクールの名前は「ほっと」)を行ったり、ハロウィンを企画したり、日常の活動に加え非日常のイベント企画も行いました。

2.『石巻という街が好きになった』

■杏花里さんは石巻市に半分移住しながら卒業研究を行なっているそうですね?

はい、そうです。実は石巻市に移住したいと思っているんです。

■そうなんですね!杏花里さんは『石巻』のどんなところが好きなんですか?

石巻市の「余白」があるところ、色々な場所から見える景色がすごく綺麗で好きです。例えば、毎回石巻市に行くたびに新しい人に出会えたり、逆に昔から何十年も住んでる方がたくさんいたり。建物も、気づいたら1年前にはなかった新しい橋ができている一方で、ずっと昔からやってる商店は変わらずあり続けていたり。こんなふうにまちの中で新しいものと古いものが混在している感じとか、不安定なところが逆に刺激的で面白いと感じています。
卒業研究を行っているうちに気づいたら『石巻』というまち自体も好きになっていましたね。笑

■移住をすることに対してハードルは感じませんでしたか?

そうですね、緊張や怖さはありましたし今も緊張はしていますが、普段から何でも飛び込んでやってみよう!という精神でやっています。笑

■何かハードルが下がったきっかけはあったりしたんですか?

ハードルが下がったきっかけは1年次の授業の一環である「事例研究」で島根県の海士町で10日間暮らした経験や、同じく1年次の春に授業の一環である「地域留学」でカンボジアで1ヶ月インターンした経験がきっかけかもしれません。人との関係性の紡ぎ方やきっかけを見つけたり参加するコツ・精神は、この4年間の中で培ってきたのかもしれないです。実際この4年間大学で学んだことが活きている実感は、卒業研究を行っていく中でもありました。

■杏花里さんは今山形に半移住、そして石巻に半移住している形になると思うんですが、『山形』と『石巻』の違いはあったりしますか?

石巻の方が流動的な場所のイメージがあります。山形もとても面白い街なのですが、今の私にとっては温かくて安心感がある場所です。もしかしたら学生生活を行っていく中で『山形』は私にとっての『居場所』になったからなのかもしれないなと思っています。一方で『石巻』は良い意味で今の私にとってはすごく刺激がある街だと感じています。

3.『“地方”で暮らし続けたい』

■杏花里さんにとって『石巻』はどんな場所ですか?

私にとって『石巻』はごちゃまぜの面白い街です。
今は石巻の色々な方にお世話になりながら卒業研究を行なっていて、宿がない私をいつも泊めさせてくださるシェアハウスの皆さんや、中心市街地ある電気屋さんのおじさんには特にお世話になっています。他にも他の企業のインターン生や石巻に住む同年代の人とも交流の場があって新しい出会いもあります。電気屋さんのおじさんもそうなんですが、石巻の人は面白い人たちが多くてすぐに何かイベントをしたり、楽しい人が多い街だなという印象です。人を引き寄せる何かが石巻にはあるんじゃないかなぁとも思っています。

■来春から始まる石巻での暮らしへのビジョンなどはありますか?

昨年の12月に実は個人事業を開設しまして、来春からは石巻で個人事業主としてデザインをしながら、そして今後も石巻で子どもたちの居場所づくりに関わりながら暮らし続けていきたいと思っています。まだ個人事業の屋号はないんですけれどね。笑
有難いことに、石巻で想いを持って活動している保育園のウェブのお手伝いやNPOの方の名刺づくりなど、デザインを通して応援できる機会を少しずつ頂けています。4月からは石巻に完全に移住するので、個人事業主としても更にレベルアップしたいですし、ゆくゆくは石巻でも子どもの居場所に関わることも出来たらと思っています。

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杏花里さんへの取材を通して、数年後杏花里さんにとって『石巻』が『居場所』になったその時、杏花里さんがどんな人間になっているのか楽しみだなぁと思いました😏
そんな杏花里さんの卒業研究・卒業展示は果たしてどんな展示になるのか楽しみですね🌟

※サムネ写真協力 認定NPO法人こども∞感ぱにー
※文章内写真協力 NPO法人TEDIC

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東北芸術工科大学デザイン工学部コミュニティデザイン学科
2022年度 卒業/終了研究・制作展
開催期間:2023.2.7(火)- 2023.2.12(日)
時間:10:00 - 17:00
会場:東北芸術工科大学

■2022年度 東北芸術工科大学卒業/修了研究・制作展 特設HP
https://www.tuad.ac.jp/sotsuten/

■卒展 来場事前予約フォーム
(2/11・2/12 土日開催のみ事前予約必須)
e-tix.jp/tuad_sotsuten/

■コミュニティデザイン学科 優秀者プレゼンテーション zoom配信予約フォーム
https://forms.gle/TJKic8QF6rky54HJ9


いかがでしたでしょうか?
「もっとコミュニティデザイン学科を知りたい!」「興味が出た!」という方がいましたら各SNSで情報発信をしているのでこちらからアクセスしていただければと思います🙆
それではまた次回の投稿でお会いしましょう👋
             コミュニティデザイン学科 プロモーションチーム


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