実践から知る「強み」
大学に入った当初から地域で何か活動をしたい、貢献したいという思いがあり、チャレンジしたいと思った、と語る高野奈美さん。(美術科総合美術コース4年生)
高野さんはできることは率先して行い、先輩後輩関係なく皆から頼られる存在だ。
一見「チャレンジ」と聞くと不安を感じ、ハードルが高く感じる人が多い。では実際に活動をしている人はどの様なことを意識して実践に繋げていったのだろうか。
きっかけは東北妖怪文化研究センター(以下:東妖研)のチュートリアルに参加したことだと彼女は語る。
─ 誰もが前に
東妖研とは、東北の妖怪文化の活動を目的として市川寛也先生呼びかけのもと始まったチュートリアルである。具体的な活動としては、東北を中心に妖怪をテーマにしたワークショップやイベントを行っている。
※(現在は群馬大学教授のため、今は有志活動に)
東妖研には“誰もが主力として前に立たせる” 方針がある。一年生だから受け身だけの参加という決まりはない。リーダーがいない、1年生でもアイデアを出し、参加してまずはやってみる事で、自ずと積極的に人と話せるようになり、社会との繋がりを作ることができる。学校外だからこその経験を得て自然と前に進むことができるきっかけになり得るだろう。
─守るべきこと
東妖研のワークショップなどイベント時には子供がたくさん訪れる。その中でも妖怪自体に興味がある人が最も多いため、高野さんは決して“否定しない”ことを 心がけている。
「きっかけの理由は先生の教えでもある、“大人の都合で決めつけない”という言葉でした。大人は文化としての妖怪を楽しんでいますが、子供は妖怪自体がいる、いないが主軸になっている。活動を通してそのことを一番感じました。」と高野さんは語る。
─実践の大切さ
同じ活動メンバーでも自分の好きなことや得意なことを率先し、ワークショップとして自身を表現する人が多い。
しかし高野さんは「これだ」というものよりレジンや、工作など様々なものに挑戦することが増えたという。どんなに嫌なことでも、活動をする上で誰かがやらなければいけないことは必ず出てくるもの。しかし「嫌だ」という理由で目を背き、物事を終わらせたくはない。なぜなら挑戦することで他視点から物事を見る力が身につき、話し合いの際にも、物事を円滑に進む土台となり得るからだ。
そのために一番大事なことは、実践し自身がその場の雰囲気を知ることだと彼女は語る。 東妖研の地域活動はその場の人に会い、絵の展示や妖怪肝試しなどの企画はより表情を間近で感じ、実際に触れあう事ができる。
妖怪にまつわる昔話を聞くことも話し手だけでなく、聞き手をかえして必然と幅広い世代と関われる。
アートを含め、目の前にあることを全力で行い、場づくりとして自身が関わる。色々なことにチャレンジすることがより物事に関する視野が広がるのだと取材を通して学ぶ事ができた。
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森谷 美月
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