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花を咲かせるために 〜大学での学びとは〜

私は小学生の時の「総合的な学習の時間」で紅花染めをした。初めての素材や技法にドキドキしていたことを覚えている。その際講師として来校されたのが、今回インタビューをした竹越友美さんだ。約10年ぶりにも関わらず私を覚えていてくださり、とても嬉しかった。

竹越さんは、東北芸術工科大学 芸術学部 美術科 テキスタイルコース(以下芸工大)を平成22年度に卒業。その後、山形大学 地域教育文化研究科 修士課程 文化創造専攻 造形芸術分野(以下大学院)に入学。現在は山形県内で小学校教諭としてお勤めになっている。

──小学校教諭を目指した理由、経緯


芸工大に入学したのは「モノを作る人になりたかった」から。教員免許を取得する課程は親御さんの勧めで履修していたが、学ぶ中でその面白さに気がつき、教育実習での子供たちの素直な反応を見て楽しさを感じたことが目指すきっかけとなったという。その後、山大大学院にて科目等履修生として小学校教諭一種免許状を取得した。

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──大学での学びと仕事の繋がり


芸工大では、授業やプロジェクトから多くの学びを得たという。
1つ目は、紅花を種から育て、花を摘み、染色する「紅花プロジェクト」だ。教育課程に組み込まれていたため、学生達は乗り気ではなかったが、仲間と共に作業をする中で協働することの楽しさに気がつき、やってよかったと感じたそうだ。
2つ目は、自分をテーマに作品制作を行なった「ペルソナ」という授業だ。当時竹越さんは自分に自信がなったが、制作を進める過程で自分と向き合い、教授と話す中で自分を認めることができていったそうだ。

大学院時代には、冒頭で述べたように小学校での紅花染めの講師を勤めた。実際の小学生と接することで元気をもらい、また、ものづくりを通して子ども達と時間を共有することの喜びを味わったそうだ。

「大学はどう生きていくか考えられる時間だよ」「『なぜやらなければいけないのだろう』とその時疑問を抱いても、振り返るとやってよかった、そのおかげで今があると思える。何も無駄にはならない」と竹越さんは力強く言われた。

 また、学校の授業作りは作品制作のプロセスに似ているという。目指すものに対して様々な準備を行い、ゴールや目的を定め、どうしたら達成できるかを考える。その過程が同じであり、「つくること」をしてきてよかったと感じるそうだ。

──芸工大で学んでいる人や入学を考えている人へ


「好きなことも、そうでないこともやってみて、自分の幅を広げていってほしいです。皆さんのやりたいことが実現しますように。」とメッセージをいただいた。

私は、自分が楽しいと思うことが他者の助けになる、楽しくないこともいずれ楽しいことの糧となる、そう考えると前に進めると感じた。

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阿彦 みやび
東北芸術工科大学 総合美術コース

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