【回帰と挑戦】第3回 区間エントリー発表!
12月29日、待望の区間エントリーが発表された。率直な印象としては、さすが"策士"酒井監督だなと(笑)。見せるところは見せて、隠すところは隠す。補欠の枠を上手く使っているなという印象を受けた。
また今大会から当日変更枠が「4」から「6」に増枠され、アクシデントはもちろん戦術的な部分でもより柔軟なエントリーができるようになった。そうしたことから、これまで以上に監督の腕の見せどころとなるだろう。
さて、区間エントリーを見ていこう。
1区:児玉悠輔選手
前回まで3年連続1区を走った西山選手が今回は当日変更可能な補欠にエントリーしたことで、全日本で1区を走った児玉選手をエントリーしてきた。全日本では区間9位ながら区間タイ記録であり、先頭が見える位置で役割を十分に果たす走りだった。元々スピードランナーで1区の適性があるので、そのまま走る可能性も十分考えられるが、長い距離とハイペースの対応が未知数なので、やはり3年連続1区を走った西山選手もしくは他の力のある選手との変更が有力とみる。果たして当日どうなるか!?
2区:松山和希選手
やはりこの"花の2区"に将来の鉄紺のエースになりうる松山選手をエントリーしてきた。高校時代から駅伝で結果を残しており、全日本でもエース区間の2区で区間7位と安定した走りを見せた。また5000mでは1年生ながら13分48秒という好記録をマークし、将来が楽しみな選手である。前回区間新の大エース相澤選手の抜けた穴は大きいが、少しでも穴を埋められる走りをしてほしい。アクシデントなどが無い限りそのまま走るだろう。
3区:村上太一選手
3区にはルーキーの村上選手をエントリーしてきた。もちろんこのまま走ってほしい気持ちもあるが、これまでの実績やトラックのタイムをみると当日変更が濃厚である。恐らく西山選手またはルーキーの佐藤選手などが入るとみる。
4区:吉川洋次選手
前回アクシデントで順位を落としてしまった4区にはロードの強さと安定感が光る吉川選手をエントリーしてきた。1年次にこの区間を走っており、区間2位の区間新と往路優勝を引き寄せる走りを見せた。だが、前回は故障の影響で3区区間13位と本来の走りができなかった。また今季も殆どレースに出ていない。しかし、11月の学内ハーフで1時間2分台前半を出すなど、ここに来て調子が上がってきているので、最後の箱根で区間賞を獲って有終の美を飾ってほしい。アクシデントなどが無い限りそのまま走るだろう。
5区:宮下隼人選手
やはり"山上り"には前回区間賞・区間新と素晴らしい走りを見せた宮下選手を今回もエントリーしてきた。初の箱根かつもらった位置があまり良くない中、OBの柏原氏を彷彿とさせる攻めの走りに衝撃と感動を与えた。
今季は10000mで28分37秒の自己ベストをマークしており、走力が大幅にアップした。柏原氏以来の2年連続の区間賞はもちろん、順大OB今井氏が持つ事実上の区間記録「1時間9分12秒」更新にもチャレンジしてほしい。アクシデントなどが無い限りそのまま走るだろう。
6区:九嶋恵舜選手
前回まで3年連続で6区を走った今西選手の高校の後輩である九嶋選手をエントリーしてきた。今季は5000mと10000mで好記録を出しているが、山下りの適性は未知数である。前回区間新で3年連続6区を走った先輩の穴は大きいが、まずは酒井監督が言う「59分30秒前後」で走って、少しでも先輩の背中を追いかけてほしい。恐らくそのまま走る可能性が高いが、他の選手との変更の可能性もある。
7区:蝦夷森章太選手
前回7区走った蝦夷森選手を今回もエントリーしてきた。前回は初の箱根ながら区間6位とやはりロードでの強さが光る。今季は5000mで13分台をマークし、走力がアップした。区間賞はもちろん、「総合3位以内」の目標達成に向けて、勢いづける走りをしてほしい。アクシデントが無い限りそのまま走るだろう。
8区:腰塚遥人選手
今季大きく力をつけた腰塚選手をエントリーしてきた。昨年までは無名ながら、今季は5000mで14分ジャストをマークし、その勢いのまま全日本で大学駅伝デビューを果たした。その全日本では苦しくなってからも粘りの走りをし、先頭が見える位置で襷を渡す役割を果たした。またメガネ姿やフォームがOBの口町選手に似ていることから「#腰塚ロケット」として話題となった。この勢いのまま箱根でも「#腰塚ロケット発射」をしてほしいが、長距離が未知数なので、前回8区を走った前田選手もしくは他の選手との変更の可能性もあるとみる。
9区:小田太賀選手
腰塚選手同様今季大きく力をつけた小田選手をエントリーしてきた。今季は大学駅伝デビューはしてないが、5000mと10000mで大幅に自己ベストを更新した。この区間は4年生が起用されることが多いので、そのまま走る可能性も十分あるが、大学駅伝未経験なので、前回9区を走った大澤選手もしくは他の選手との変更の可能性もある。
10区:清野太雅選手
ハーフ1時間3分台の自己ベストを持ち、着実に力をつけている清野選手をエントリーしてきた。昨年は1年生で無名ながらハーフで1時間3分台、10000mで29分10秒台をマークし、密かに気になっていた選手である。今季も10000mと5000mで自己ベストをマークしており、着実に力をつけている。今後がさらに楽しみだ。まだ大学駅伝デビューを果たしていないが、そろそろデビューしてもおかしくはないはず。また前回10区を走った同学年の及川選手が今回エントリーから外れてしまい、もしそのまま走るならその分まで走ってほしい。そのまま走る可能性が高いが、他の選手との変更の可能性もある。
当日変更予想
1区:児玉⇒西山or佐藤
3区:村上⇒西山or佐藤or前田
8区:腰塚⇒前田
9区:小田⇒大澤or野口
最後に
前回はベストメンバーが組めず総合10位と「11年連続3位以内」の伝統が途切れてしまった。この1年間、もう1度その伝統を取り戻す為にチーム一丸となって取り組んできた。コロナ渦で思うように練習できない日々もあったが、それを乗り越え学生達は成長した。
全日本では6位だったが、下級生の奮闘や新戦力の台頭もあって収穫のあるレースだった。
今年は大エースが卒業してしまい、その穴を埋めることは決して簡単ではないが、全員駅伝で一人一人がその1秒をけずりだし、もう一度強い東洋を復活させてほしい。
頑張れ!東洋大学!!
次回はもう一記事書くか、箱根当日になると思います。