若者が東京にばかり集まってしまう理由

東京一極集中と呼ばれて久しい日本であるが、コロナ禍が明けて再び東京への人口の流入が進んでいる。その勢いはとどまるところを知らない。東京へ転入してくる人の多くは若者であり、地方の持続性を脅かしている。

東京都の人口移動 転入超過6万8000人余 “一極集中の動きに” | NHK

東京一極集中の現象は「地方に仕事がないから」「仕事があっても地方は給与が低いから」という文脈で語られることが多い。実際に国の調査においても仕事や進学を東京への移住の理由として上げる人は多くいて、これらが一極集中の要因であることは間違いないだろう。

https://www5.cao.go.jp/j-j/cr/cr20-21/img/chr20-21_01-01-07z.html　　より

しかし、ここで問題になるのは「地方に十分な待遇の仕事を用意すれば若者はどんどん集まってくる」とはならないことだ。なぜなら現在人口流出が深刻になっているのは、愛知や広島といった十分な雇用が用意されていて生活面でも決して不便とは言えないはずの都道府県だからである。

https://www.stat.go.jp/data/idou/2023np/jissu/youyaku/index.html　　より

つまり、東京にばかり若者が集まってしまうのは、他にも理由があることを示している。

…ではその理由とはなんなのか？

筆者は様々な地方を街歩きしたり地方についてのネット上の論争を見てきた。その中で「これではないか？」と思ったものがいくつかあるので、取り上げてみたい。