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新しい青春18きっぷを使ってみた感想

2024年の冬から青春18きっぷは大幅に制度が見直され発売されることになった。

大まかな変更点としては

・3日間、または5日間の連続使用必須
・複数人での共用不可
・自動改札への対応
・日付を跨いでもその日の終電まで利用可

といった所。発表以後「改悪だ」「誰も利用しなくなる」と従来のきっぷのユーザーからは批判が殺到している。

そんな18きっぷであるが、先日筆者も利用する機会を作れたので本当に使いづらいきっぷになってしまったのか?を簡単にではあるがレビューしてみたい。


・自動改札対応は大きい


駅の窓口できっぷを買い早速自動改札に通してみる。通常のきっぷと使い方は同じになった。


従来の横長サイズから
指定席のきっぷ等と同じサイズになった


ただ、この普通のきっぷと同じ感覚で改札を通れるのが本当に便利だし助かる。

これまで18きっぷを使ってて一番ネックだと感じたのが有人改札しか通れない事だった。大きい駅だと最寄りの改札に自動改札しかなく駅を出るのに有人改札まで遠回りを強いられたり、有人改札自体が混んでいると通るのに時間がかかるなんて事が日常茶飯事。窓口にいる人のきっぷのトラブルで駅員さんが対応に追われ、後ろに改札を抜けれない18キッパーが溜まる光景も何度見たか分からない。

そんな経験があるので、自動改札によって入場も出場も非常に楽にできるようになったのはとても大きかった。時間を気にせず手間もかからずサッと改札機に通しておしまいである。この点に関しては間違いなく改善点だろう。


・元を取るには長距離移動が必須


今回の制度変更が荒れたのは、連続使用の必須化と3日間用の値段の高さによる利便性の低下が大きな要因と言っていい。5日間用は値段据え置きだが社会人で5日間も休みを確保するのは結構大変だし、新たに設定された3日間用は値段1万円と5日間用と大差ない金額である。この不便さと割高感が「改悪」と多くのユーザーに思われてしまったわけである。

今回の旅では3日間用のきっぷを買ったが、筆者の休みは2日間。休み前後の日も仕事終わりに乗りに行くという事は難しい状況であった。なので2日間で元を取る事を念頭に入れ、長距離の移動を旅のメインに据えた。

目的地にしたのは四国高松。居住地の中京地区から東海道、山陽本線をひたすら乗り通し、岡山から瀬戸大橋を渡って高松まで行く行程を往復でこなした。

新幹線に比べたら移動時間は勝負にならず、2日間の半分くらいは移動に費やすことになった。だが往復しただけで正規運賃の元を取ることに成功。途中の駅で乗り降りする機会も多かったので18きっぷを買った意味はあったと思う。


高松では
丸亀町のアーケードに立ち寄ってみた


これは他のきっぷにも言えることだが、新しい18きっぷは有効期間を全て消化しなければならないという発想は捨てて、元が取れればいいという気持ちで利用するのが一番いいのだろう。今回も移動がメインとはいえ2日間で1万円の元を取ることが出来たので、余程寄り道や寝坊をしなければ十分活用の余地はあると思う。

また、電車で通勤通学をしている人なら5日間用を買って3日間は旅行、残り2日間は仕事や学校終わりに近所へ寄り道といった使い分けをするのもアリだろう。従来の18きっぷだと残った回数分は別の日に使って遠出したり金券ショップに売却するのが普通で、チョイ乗りで消化するのはあまり適切な使い方ではなかった。だが、今回の18きっぷであれば元を取るという発想でそういった使い方もしやすくなった。それをアリと思うかは人次第だが。


・継続して使えるか?


18きっぷの利用者が減って発売終了に追い込まれるという意見も見かけたが、筆者としては時間さえ取れれば今後も利用する余地はあると感じる。もっとも、5日間用より3日間用の方をメインに使う事にはなるだろう。

全体で見ても複数人での共有ができないなどデメリットはあるので以前より利用者が減ることはあるかもしれない。が、全く使えない訳でもないので当分はこのまま販売され続けるのではないだろうか。2日間用など新しい制度の登場はJR各社での調整が大変なのを考えると多分ないだろう。


新しい制度によって今まで出来た事が出来なくなった面はあるにしても、制度をうまく使いこなしてこれからも18きっぷの旅が出来るといいなと思う。

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