基盤地図情報をJOSMでトレースする方法
表題の通りです。経緯としては、地元の建物データが欠落していたので書きたいなぁと思いまして。
ただ、航空写真だと不鮮明だし、それに建物が斜めに映っている等トレースするのは意外とストレス。じゃあ信ぴょう性の高い基盤地図情報の建物データを利用しようと思った。しかし、背景に設定してトレースする方法がなかなか見つからず大変苦労したので、自分が見つけた方法をシェアしようと思う。
最初に方法をまとめ、その後にどうやって見つけたのかを参考程度に共有させて頂こうと思う。おそらく、GIS系のある程度の知識がないと難しい内容だと思われるが、詳細の説明はすでにある情報を用いるなどして説明したい。
方法(概略)
QGIS, JOSMをインストール
建物の描画を行いたい範囲を含む基盤地図情報をダウンロード。
ダウンロードをしたデータを解凍し、QGISのプロジェクトに直接インポート。座標系を設定。
QGISにて、描画したいエリアを画像としてエクスポート。その際、ファイル形式を.bmpとする。"append georeference information"にチェックを入れる。画像ファイルと.bpwファイルが生成される。
JOSMの座標系を、QGISのものと同じものに設定する。「Import Image Plugin」というプラグインをインストール。
QGISからエクスポートした画像ファイルを、JOSMにインポート。その際座標系に関する警告が出るので、「JOSMの座標系を利用」を選択。
完成!
後半の部分について、動画を上げました。
1,QGIS, JOSMをインストール
QGISダウンロードサイト
JOSMダウンロードサイト
QGIS最高。ただ重いアプリなので、自分のパソコン(メモリ8GB、性能高くないcore - i)ではよくフリーズしてしまう。
2,建物の描画を行いたい範囲を含む基盤地図情報をダウンロード
基盤地図情報ダウンロードサイト
検索条件指定で全項目のチェックを外し、必要項目のみダウンロードするのが良いと思われる。今回は「建物の外周線」と「道路縁」のみダウンロード。
3,ダウンロードをしたデータを解凍し、QGISのプロジェクトに直接インポート。座標系を設定。
※座標系とは以下を参照
基盤地図情報はZIPファイルの中にZIPファイルが入っている。すべて解凍する。
QGISを立ち上げ、新規プロジェクトを作成。まず「名前を付けてファイルを保存」する。その後、解凍後のファイル(「FG-GML-523973-RdCompt-20220101-0001.xml」などと言う名前)をプロジェクトにドラッグ&ドロップだけで描画が始まる。その後、プロジェクトの座標系を設定する。自動で座標系が設定される可能性もあり。
座標系や、QGISでの設定方法はこちらのサイトが良いと思われる。
4,QGISにて、描画したいエリアを画像としてエクスポート。その際、ファイル形式を.bmpとする。"append georeference information"にチェックを入れる。画像ファイルと.bpwファイルが生成される。
当初、データを変換して一気にぶち込んでやろ(笑)とか思っていたが、それはOSMのルール違反であることがわかる。ただ、トレースは良い、JOSMというアプリでできるという情報をゲットする。
上記リンクでは、
となっているものの、どうやらこのサービスは終了しているようだった。訂正:まだ終了していなかったが、データは古いもののようだった。いづれ閉鎖されるため、今回は使用しない
それであれば、と
基盤地図情報を位置情報付きの画像にして読み込み、それをJOSMにインポートするという方針を決める。
基盤地図情報は信頼がおけるデータだと思うので、生かさない手は無い。ただそれの活かし方がわからないのではもったいない、というのが、この記事を書いているモチベーションである。
しかし、その方法を探すのにてこづった。。。WMS配信以外を使った方法を見つけることが出来なかったからである。
調べていく中で、
こちらの久保田優子さまのスライドを発見。この中の7ページ目に「Import Image Plugin」を利用しているとの記載が。早速JOSMにインストールする。
描画したい範囲のデータをダウンロードする。F12を押し、設定>地図投影法へ進む。描画したいエリアのEPSGコードを設定する。
(再掲)
その後設定ウィンドウを閉じる。「画像」タブの一番下に「イメージをインポート」があるのでクリック、QGISで作成した画像ファイルを選択。「投影法ファイルが見つかりません」という警告が出るが、「JOSMの現在の投影法」を選ぶ。
画像が読み込まれるので、その上にOSMデータが来るようにする。
画像をなぞって建物・道路等を追加可能!
最低限「building = yes」タグをつけること。つけ忘れるとアップロードする際に警告がでる。
アップロードする際のソースは「GSI/KIBAN」とする
ルールに従って描画しましょう。書き方はwikiを参照に。