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VTuberのアニメ化と垣間見えた崩壊
ぼくは今日、時代の転換点を目撃した。
ドワンゴアニメ会議という番組で、とんでもねぇ発表があったのだ。
バーチャルYouTuber(以下VTuber)のシロちゃんとミライアカリちゃんが出演するということで、ぼくは見るしかなかった。
そこで発表されたのは、VTuberのアニメ化だった。
興味がない人は、すごさがよくわからないと思うが、これはとんでもねぇこと。
去年の冬、親分ことキズナアイちゃんが、怪獣先輩を野獣先輩と読み間違ってしまった部分の切り抜きが、ニコニコ動画にアップされた。
この動画からVTuberが多くのオタクたちに認知され、その数も人気も1年間で爆発的に高まった。
そして、今日、ついにはアニメ化が発表されたのだ。
なんと放送は年明けすぐという。
スピード感どえらいな。
そして、音楽に中田ヤスタカさん、アイデア協力に庵野秀明さん。
え...夢かな...
制作は、リドという会社が担当するそうだ。
そんな会社聞いたことない。
それもそのはず、今日発表されたのだ。
そのリドという会社は
・VTuberを起用したバーチャルアニメ制作
・VTuberの制作、育成および自社内キャラのマネジメント、プロデュース
・VTuberミュージックレーベル
をこなすらしい。
この会社は5社による共同設立で、その5社がまたどえらい。
・dwango
・KADOKAWA
・カラー
・INCS toenter
・ASOBI SYSTEM
えぐいな。
ぼくは、このえぐさが時代の転換点だと思った。
VTuberがどんどん人気になっていって、ついにはアニメにまでなる。
これからも活躍の幅は広がっていくだろう。
もちろん、だいすきなVTuberが、だいすきなアニメになるということで、ひたすら素直にうれしい。
が、すこし考えてしまう。
先ほど紹介したリドという会社の存在。
ここがかなりキーになると思う。
どうやら、大企業が力を合わせて、本気でVTuber市場を取りに来たらしい。
これまでのVTuber業界は簡単に言うと、メインがVTuber制作のスタートアップ or 個人で、その人気に大企業があやかるといった感じだった。
これまでのこの構図が、このリドという会社を始めとして、2019年からガラッと変わってしまうのではないかと思う。
2016年に誕生し、2017年に着火し、2018年に爆発、発展したVTuber。
そして来たる2019年。
ぼくを含むVTuberファン、VTuberオタクは少し悲しい思いをする気がしてしまう。
おそらく、というか確実に2019年はVTuber業界で資本の殴り合いが始まる。
なんだってそうだけど、スケールが小さいときの独特の楽しさというか、やさしさというのがあると思う。
VTuber業界だって例外じゃない。
企業を横断した、横のやさしい世界観のつながりが随所に見られ、見ているこっちがてぇてぇと唸ってしまう。
このやさしい世界観が崩れていってしまう気がするのだ。
諸行無常。盛者必衰。
この真理の前で抗えるものはいない。
悲しいけど、VTuber業界が盛り上がり、スケールが大きくなるほどに、いつかやってくるであろう崩壊がちらついてしまうのだ。
普段、VTuberの動画や生配信を見ているときは、頭からっぽでただただ楽しい。
ただ、今日の番組のリグという会社の発表のときに、そんなことがちらついてしまったのだ。
最近は、前までは聞かなかったような、業界の悲しいニュースがちらほら耳に入ってきたりもする。
もちろん、一VTuberオタクとして、これからも見続けるし、応援し続ける。
ぼくは、VTuber本人やそこに関わる人たち、それにオタクたちみんなの幸せを願っている。
ただ、来たる2019年、期待すると同時に、覚悟をしておかなければいけないのかもしれない。
(これは完全に蛇足だが、言わせてほしい。ぼくはフレンズだ。なにがあったか忘れちゃいない。またやさしい世界を壊すのだけはやめてほしい。)
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