
豊洲の街の地上6メートル上のリアル
晴れた日、私は豊洲を歩いていた。
いつも通り豊かで平和な街だ。
気づくと、なにが宙を舞っていた
上を見上げる。羽根だ。
カラスが雀の羽根を毟っていた。
ヂヂヂヂヂと警戒音が聞こえた。
警戒音とは、危険が迫ったときや、
危険を周りに知らせたいときに鳥が出す特徴的な鳴き声のことだ。
捕食された雀はもうボロ雑巾みたいに力なくなっていた。
周りの雀も厳戒態勢かな、なんて思った。
カラスの停まる枝の直ぐ下の枝で、
一羽のスズメがヂヂヂヂヂと警戒音を出していた。
気になって近づく。
カラスが獲物ごと逃げた。
警戒音を出していた雀が追う。
捕食された雀と警戒音を出していた雀は
「つがい」
だったのだ、と気づく。
彼らが見えなくなるまでずっと、
悲痛なヂヂヂヂヂという警戒音が耳をつんざく。
圧倒的なリアルに曝露される、とある豊洲の和やかな昼下がり。
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