和綴じのアルバム作成プロジェクト
この間の十月、地元の掛塚祭りにウッド夫妻が来てくれた。アンソニー ウッドさんはアメリカのヘッドショット&ポートレートのプロフォトグラファー。以前自分のヘッドショット(バストアップの顔写真)をかっこよく撮ってもらったときからのお付き合いで、これまで結納や結婚式などの写真も撮っていただいた。
そんなアンソニーさん、日本を拠点に活動しているだけあってめっちゃ日本好きっぽい。特に日本の伝統文化などの、長い間伝承されていることに興味を引かれるようで、職人さんなどのポートレートも趣味で撮られているよう。
以前個展をやられているのにいけなかったのは残念でならない。。
話がそれたが、掛塚祭りに来てくれた際に本職の仕事のように写真をたくさん撮って頂きそれが仕上がったとの連絡を先月頂いた。
仕上がりを見て、『これは町の衆にデータをぽいっと渡すだけでは忍びねぇ。紙にプリントして体験してもらわないと失礼すぎる』と感じたので、アルバムを作ることにした。
とはいえ、ネットプリントなどでパパッと作れるアルバムでは面白くないし、かといってすごくこだわったアルバムにすると高すぎるし、、ということで自分で作ってみることにした。
せっかくだから、伝統文化に敬意を持って一〇〇年以上保たせられる和綴じのアルバムを作ってみようと思い立ったのだ。大事に保管しなければならぬものというアフォーダンスを存在させるため、和綴じのアルバムは帙というカバーを掛け、桐の箱にしまう形を考えている。
和綴じのアルバムなんて実際見たことないが、調べてみると大正期などの古い時代は和綴じのアルバムが流通していたっぽい(古書店のサイトで調べた)。和綴じと言っても、大和綴と呼ばれる、リボン結びが二カ所あるように見える綴じ方なんだけど、その作り方がわかんねぇ。
よく見る和綴じならネットにも多少は情報はあるんだけど、大和綴に至っては全然情報がない。まったくの赤の他人の大正時代のアルバムなんか買って分解しようとも思ったんだけど、それが伝統的な製法で作られているかどうかもわからんしで、結局いろいろ本を買ってみることにした(記事のタイトル画像がそれ)
その中で一番質が良かった書籍が次の二冊だ。
古文書補修六十年 和装本の修補と造本 遠藤諦之輔 汲古書院
古文書の補修と取り扱い 中藤靖之 雄山閣出版
いずれも古文書の補修に関する本なのだが、伝統的な製法に敬意をもって補修に当たるべしというトーンで質高く書かれていたので非常に参考になった
特に遠藤さんはかつて宮内庁書陵部にいらしたようで申し分なしである
かくしてアルバム作成プロジェクトは張り切って進行中です。