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就活をやり過ごす方法
本当に散々お世話になった田口さんから、今就活をしている後輩に向けて何か書いてほしいと依頼され、二つ返事で書きます!と返して、締切当日の昼になってしまった。言葉を選ぶ時間も、カッコつける余裕もないので去年のことを思い出しながら単刀直入に書き散らしたいと思う。全部言う人枠で許してください。
```この記事は「ReDesigner for Student 後輩に贈るデザイナー就活応援 Advent Calendar 2024」の10日目です🎁```
絶望の説明会
そもそも美大受験を親族中に反対されていた(主に就職関係の懸念で)私は、「美大を卒業したら絶対にめちゃくちゃ稼いでやるからなぁ!東京でタワマンに住んでやるぜ!!」という反骨精神からかなり前のめりに就活に突き進んでいた。低学年の頃から長期インターンに行ってみたり、同じ学科の先輩がどういうところに就職しているのか調べてみたり。正直、これだけ意識していれば大丈夫やろと言う気持ちで意気揚々と初めての企業説明会に向かった。
説明会退席即日高屋飲酒
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実話です。敗北。どうしようもない。なんか、説明会の空気がもうダメだった。みんなどうしちゃったの!?と肩を揺すって周ろうかと思った。普段あれだけ黙々と変なものを作ってキラキラしている人たちが、背筋を伸ばして座ってメモを取り、挙げ句の果てに自分を下げつつ「御社は〜」と言い出す始末。この時期私は完全にオンシャアレルギーだった。オンシャポイントでもあるのか?オンシャと言うたびにポイント溜まって世界堂で引き換えできたりするのか?
とにかく、就活という土俵に立った瞬間、今まで自分が考えてきたことや作ってきたものがオンシャにジャッジされるのが恐ろしかった。
でもこの時の日高屋のレバニラとレモンサワーは本当に本当に美味しかった。就活していてあまりにもメンタルを削られたら、もうこの後の日高屋をどれだけ美味しくしてくれるのかというルートに切り替えた方が良いです。周りのおじちゃんも仕事の愚痴を言いながら美味しそうにビールを飲んでいて、安心するので。就活生よ日高屋とともにあれ。
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就活をやり過ごす方法
そんなこんなで就活にボコボコにされつつ日高屋でなんとかHPを回復して帰宅する中で、なんとなく掴んできた自分を守りつつ就活に向き合う方法を見出したのでお伝えしておきたいと思う。本編。
①会社名ではなく、条件で選ぶ
本当にこれが大切。就活とは、なんか素敵な企業に行くためのものではなく、自分を社会から守れる環境かどうかを見極めていくものだと思って欲しい。つまり、まずやるべきことは入りたい素敵な会社を見つけることではなく、「自分が絶対に譲れないものは何なのか」を整理することです!選ぶのはお前ではなく、私や。という気持ちを持ち続けてください。
自分の就活を振り返ってみます。
就活始めたての頃
・なんか素敵そう
・なんか有名そう
・なんか楽しそう
就活終わりかけの頃
・デザイナー職であること
・インハウスの場合、デザイン組織がある程度確立されていること
・土日が休みで、毎日家に帰れること
・将来の選択肢が残せるくらいの給料をもらえること(海外大学院とか行きたいし)
もちろんこれは私の場合なので、この条件のどれかを削ったり新たな条件を追加したりしてください。他の仕事のことをよく知らないのですが、実はデザイナーの中で検索をかけるとこの条件に全て当てはまるのは10%とかな気がします。デザイナーは本当に無茶苦茶な環境で働いていることが多いです。なんとなく素敵な仕事に憧れている場合ではありません!
デザイナーになることがゴールではないので、デザイナーとして生き続けていくために必要なことを考えて、条件を満たしているのであれば受けてみることをお勧めします…逆にこれを満たしている会社ならある程度どこでも良いと思えれば、面接もかなり楽な気持ちで受けられると思います。
②山田涼介を目指すな!己のコンセプトを作れ!
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実は社会って表面上に出さなければ何を思っていても良いんですよね。まず自分をオーディションを受けるアイドルの卵だと思ってください。(?)就活をしていると、山田涼介さんレベルになんでもできるスーパーアイドル就活生を目指してしまいがちです。無理です!私たちは個性を持って戦いましょう。
自分の推しがいる方は自分の推しを思い浮かべてみてください。その良さはバランスよく全てのスキルがあることではなく、個性があることだったりしませんか?つまりなんでもできる優等生タイプより、面接が終わった後になんか心に残る個性があるかどうかが大事だったりするのかもと思います。(完璧さも個性ですけど、就活しながらそこに至るのはハードモードです)
ポートフォリオ作りも同様で、どんな作品を並べても共通しているあなたの感覚や大事にしていることが絶対にあります!それを見つけて、自分のコンセプトとして大切にしてください。
自分の場合
・素直
・素直すぎる
・素直なので、デザインをするときもコンセプトを素直に形にする
というコンセプトでやっていました。まあこれで落ちても、(素直枠埋まってたか〜)(コンセプトと合わんかったか〜)と思って日高屋に行けば大丈夫です。
ちなみに、就活しているとなんか全員オーディション番組にハマる時期があります。私もまんまとハマりました。全員デビューしてくれ!全員内定出してくれ!
③就活ダメでも死なない
これは頭に入れておいてください!絶対に死にません!自分の体力が0になる前に家に帰りましょう。友達に話しましょう。日記に愚痴を書きましょう。何度も言いますが最悪、日高屋の前座だと思ってください。
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色々と書きましたが、全て本当に思ったことで、全て後輩に絶対に伝えたいなと思ったことです。
就活も大変ですが、就活が終わっても人生は続きますし制作も続きます。就活は未来をちょっとだけ見えるようにするための手段です。
傷つく時は傷つき、でも回復不能なほどにならないように、うまく乗り越えてください。そしていつでも愚痴りにきてください!
つづく