2023年TVアニメ編
最近は一般層にまで深夜アニメが浸透しているとはいえ、クオリティが一定の水準に達している作品というのは意外に少ないです。
だからこそみるべき作品が絞られて、結果的にリアルタイムでなんとか追えてる感があったりします。
ただ時間を惜しまず色々と作品を追っていると、全く話題に上がらないような作品が謎にぶっ刺さったりするもので、最近そういう体験ができていないのは悲しいです。これは俺のための作品だ!みたいな感覚、忘れたくない。
お兄ちゃんはおしまい!
アジアがポリコレ最後の砦だという事を再認識させられるような作品でした。
何をどう間違えたのか異常に作画が良い。ここで言う作画が良いと言うのは、絵が綺麗というよりはアニメーションとしての動きが楽しいという意味です。全盛期のガイナックスみたいな。
OP、EDもお手本のような電波曲で良かった。
内容については触れないでおきます。業が深まりそうなので…。
大雪海のカイナ
弐瓶勉が原作なので期待していたのですが、正直退屈だった…。ストーリーが薄いというか魅力的な設定を活かしきれていないというか。
決して3Dが悪いってわけではないと思うんですよね、昔見たシドニアの騎士とか凄く良かったので。
途中からほぼ国家対立の話になっちゃってたので、もっと世界の謎に迫るようなストーリーだと個人的に嬉しかったです。
少女革命ウテナ
YouTubeで毎週3話ずつプレミア配信されてたのでリアタイ視聴しました。率直な感想としては、やっぱり幾原作品はよく分からん、という感じ。
ただ作品の雰囲気や演出は相変わらず凄いので、見終わった後も画が脳裏にこびりついています。
若い頃の細田守(サマーウォーズなどの監督)も演出を担当していたりするのですが、彼が担当した回は特に人気で、実際演出はキレッキレです。その辺だけでも見ると面白いかも。
キャラデザなどから敷居が高い印象があるかもしれませんが、適度にギャグ回があったりして割と見れるアニメだと思います。絵柄とノリが嫌じゃなければ見る価値はあるかも。
響け!ユーフォニアム
響け!ユーフォニアム2
アマプラで配信されていたので見ました。
放送当時はアニメから離れてたので全然内容を知らなかったのですが、めちゃくちゃ良い作品!
あまりに良すぎてTV版だけでなく映画も全部見ちゃいました。
高校の吹奏楽部を描いた作品なのですが、1番良かったのは主人公のキャラクター。何でもそつなくこなす故に少し捻くれていて、熱中するほど打ち込むものもない、という性格があまりにも等身大。
そんな主人公が様々なことに悩みながら、最終的には部を引っ張る存在になっていく、というストーリーに思わず感動してしまいます。
他の部員も個性的で魅力的。もちろんそれぞれが悩みを抱えています。
時々挟まる眩しすぎる描写に胃もたれしそうになりますが、そこを耐えるだけの価値はあります。今から見て3期をリアタイしようぜ。
(追記:3期も素晴らしかったです…)
スキップとローファー
真面目で一生懸命な子が周囲に影響を与えていく作品、いいですよね。
目つき悪いキャラ好きなので、みつみちゃんの吊り目三白眼が良かったです。
あと劇中のとこじろうの曲が好き。
去年も書いた気がしますが、こういうのいくらでも見れるのでいくらでも作ってください。全部摂取します。
この素晴らしい世界に祝福を!
地味に気になってたので視聴。普通に面白くて2期まで見ちゃいました。
コメディ調ではありますが、思いの外ストーリーがしっかりしてる。下手な異世界ものよりよっぽどまともです。
というかキャラ良し、ギャグ良し、ストーリー良しとなると悪くなりようがないですね。
ハイクオリティな異世界転生コメディというのも中々貴重なポジションではないでしょうか。
アンダーニンジャ
アイアムアヒーローなどで有名な花沢健吾の作品が原作のアニメ。
放送前から気になっていたのですが、正直うーん…という感じ。
独特のオフビートな雰囲気自体はよいのですが、意外と真面目なストーリーと噛み合わずどこか空回りしてる感じがします。
時系列がバラバラなストーリーも、発想はいいのですがただわかりづらいだけな気がしました。
絵柄とか設定は凄い好きなんですけどね…。だからこそ勿体無い。
個人的に摩利支天のネーミングセンスに痺れました。
葬送のフリーレン
よくあるファンタジーバトル物かと思いきや、老人(老エルフ?)の思い出ワールドツアーでした。バトルや冒険に比べ、人間ドラマが多め。
と言ってしまうとつまらなそうに聞こえますが、本作において特筆すべきはその徹底的なディティールの追求にあります。
人物の仕草や表情、必要十分なサウンド、脚本や演出のダイナミクス等々がとても丁寧に描かれていて、めちゃくちゃ気持ちいい。もはやASMRの領域。
またキャラクターの設定や描き方も素晴らしかったです。
メインキャラの面々に不快感が全くないというのは、作品において凄く大事な要素だと思います。
思い返してみても欠点が全然見つからないですね。強いて言えばキャラデザが若干テンプレじみてたくらい。ストーリーや設定に関してはこれくらいシンプルでよかったと思います。そこを追求する作品ではないので。
とても素晴らしい作品でした。
機動戦艦ナデシコ
YouTubeで無料配信してたので視聴。
かつての名作かと思いきや、今でも普通に面白いといういつもの流れ。
90年代のアニメ監督は庵野(エヴァ)や幾原(ウテナ)みたいな難解なストーリーを描く人が目立ちますが、佐藤竜雄は濃い内容ながらもちゃんと分かりやすくて個人的に好きです。
内容としては(ラブ)コメディをメインに本格SFをやりつつ、テンポがよくてさらに見やすいというとんでもないバランス。特に第1話の完成度が異常で、軽い気持ちで見始めたはずが一気に引き込まれました。古き良き雰囲気も良いですね。
またOP、ED、BGMそれぞれ楽曲が良い。特にアバン→OPイントロ→タイトルロゴまでの流れが完璧。
全体的にすごく良かったので、後で他の佐藤竜雄作品も見てみたいです。