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潮田クロ
2024年3月14日 09:33
アパートのドアを開けると、駅前の駐在さんが立っていた。「ああ、ヨッちゃん。朝早うからすまんの」「なんですか」 昨日も出歩かず、家で飯を作って食った。酒は飲まない。だから、喧嘩も随分ご無沙汰だ。「実はの、ちょっと確かめたいことがあっての。この人、知っちょるか」と、住所と人名の書かれた紙を渡される。「・・・」「いや、県警から問い合わせがあっての」「親父ですが」紙を突き返そうとしたが
2024年3月12日 18:08
結局、氏神様にお詣りできたのは、大学4年の夏休みだった。地方の高校からまぐれで入れた医学部は、講義全てで自分の学力のなさが痛感させられた。1年は、授業準備とその理解、テストやレポートに明け暮れた。 長い石段を登りなら、左手を見る。遠く見渡せていた景色は、今ではマンションの壁に遮られている。登り切ると、狭い境内に出る。正面に本殿。右に回り込むと、小さいながら舞殿があって、その奥が社務所だ。 社