汎用札を先に考えるデッキ構築
こっそりypをしているttoです。今回はOCGの大会などで、どのようなデッキを使用するかについて、ちょっと変わった視点から話していこうと思います。
始めに
この文章内では汎用札という単語が連発します。「汎用札とは何ぞや?」の定義は難しいですが、この文章内では、「デッキのメインカテゴリーではないカード」という意味で捉えて下さい。
例えば「ダイナレスラーパンクラトプス」や「バージェストマディノミスクス」等、あるカテゴリーに属していてもそのカテゴリーとしてのメリットを生かさないカードや、「デメンションアトラクター」や「スキルドレイン」等、一部のデッキに入っている印象が強いカードも汎用札として扱います。
大会の環境を考えてデッキ構築をすること
コミュニケーションしたいとか参加賞がほしいとか大会に出る理由は色々で良いと思います。ただ、大会の本来の目標は勝つこと、最終的には優勝する事です。
それで、勝つ為にどのようなことをすれば良いか。まずは、相手のデッキの動きを知り、対策する事が重要です。しかしながら、全てのデッキに対して対策する事は困難なので、優先順位をつける事になり、使用している人が多くて対戦する可能性が高いデッキ、即ちトップメタから順番に対策していく事になります。
この環境というものは、大会の種類や地域性、強いこだわりを持つ個人の存在等で大きく変わってきます。その為、環境を読み違えると、不要なカードを多く入れることとなり、負けに繋がります。
トップメタと一緒に対策されると辛い
あるトップメタに対して、相性が良いデッキがあるならば、そのデッキがトップメタになります。逆に考えると、トップメタに対して相性のよいデッキが少ないから、そのデッキがトップメタになっているわけです。
さて、デッキとして相性が良くないデッキが、トップメタに対して具体的にどう対策をするかというと、そのデッキに対して強い汎用札を入れるというのが分かりやすいと思います。
例えば「デスピア」に対しては「次元障壁」、「ふわんだりいず」に対しては「アーティファクトロンギヌス」等です。
「次元障壁」はご存知の通り、融合儀式シンクロエクシーズペンデュラムの何れかを1ターン封じるカードで、「デスピア」以外にも単一の召喚方法に依存するデッキにも刺さります。その為、「クラゲシャーク」を持ち込んだ場合、トップメタと一緒にメタられます。
トップメタ以外のデッキを使うメリットとして、相手が対策してこない事が挙げられます。しかしながら、トップメタの対策カードで一緒に対策されるようなデッキは、デッキパワーとしてはトップメタに劣っているのに、対策だけはちゃんとされている事になるので、その環境で使用するのは避けた方が無難です。
汎用札を活用するデッキ
一般的には汎用札は自由枠(デッキの空いたスペース)に入れます。一方で、あるデッキにおいて必ず入っている汎用札というのも存在します。
例えば、「クラゲシャーク」では「御前試合」が必ず入っています。これはデッキが水属性を中心に構成されているから、だけではなく、クラゲには場のモンスター全てを水属性に変える効果を持っており、その効果により水属性以外のデッキの展開を大きく阻害できるからです。
他にも「ふわんだりいず」では墓地にカードがたまりにくい事を利用して「デメンションアトラクター」が、「閃刀姫」では魔法をためることを利用して「エフェクトヴェーラー」とハリファセレーネアクセスが、「マシンナーズ」では妥協召喚するカードが多いので「スキルドレイン」が採用されています。
この手の特定のデッキにだけ採用される汎用札をどれだけ知っているかは、上手い下手が別れてくる重要な要素です。
CSにマリンセスを持っていった理由
2022年4月規制では、「王宮の勅命」が禁止カードになりました。「デスピア」がトップメタになり、マスターデュエルの影響もあってか「ドライトロン」や「LL鉄獣」のような展開型もリバイバルしていました。加えて「ルーン」や「ラビュリンス」といった新カテゴリーも登場しました。
そんな中で、自分は「封魔の呪印」というカードに注目しました。このカードは、手札の魔法カードをコストに魔法カードを無効にして破壊する効果を持ち、破壊した魔法カードと同名カードをデュエル中に使用出来なくします。
これで「デスピア」の「烙印融合」を無効に出来れば、相手は何も出来なくなります。他のテーマでも同じように試合継続不能に出来るレベルで刺さるか、少なくとも魔法を無効にすることで、最低限の働きはすることは出来ます。
一方で、魔法カードをコストにするというのはそれなりに重く、大多数のデッキでは採用が難しいものでした。そこで注目したのが「マリンセス」です。マリンセスは「シーエンジェル」で魔法カードをサーチできて、「コーラルアネモネ」をはじめ多様な回収手段があります。
「封魔の呪印」によりトップメタのデスピアを筆頭に多くのテーマをメタれました。もう一つマリンセスの強みとして、誘発を多く入れられるという点がありました。その為、2本目以降で後攻になった場合でも、魔封じと誘発を入れ換えることで、展開型相手でも有利に立ち回る事が出来ました。
結果的に新石川CSで初めて優勝する事が出来ました。
デッキの自由枠に汎用を入れるのではなく、入れたい汎用札からデッキを選択するという方法
現代遊戯王において、大会に出て勝てるデッキの種類は多く、個人的には出場者数より多いのではと思っています。その中で、対戦する相手がどのデッキを使ってくるのか予想することはまず無理でしょう。
一方で、サイドデッキに入るカードを含め汎用札はある程度絞られます。それは、そのように多くのデッキに対応できる札というのは少ないからです。
しかしながら、カテゴリーが多すぎて、そのカテゴリーと相性が良い汎用札まで研究が進んでいないというのもありそうです。汎用札の中には、相手に対する効果が凄まじいが、使用する難易度が高い尖ったものもあります。
このようなカードをチョイスして、それと相性が良いデッキを選ぶことが出来たら、環境で有利に立つことが出来ます。それが実際に安定して出来るかというと難しいのですが、出来た時はそれ相応の成績が残せます。
終わりに
毎回大会で上位をキープする人もいますが、自分はそこまでは至っておらず、環境に対して相性が良いデッキを選べた時に、好成績が残せています。
今回はデッキ構築そのものよりもデッキ選択という話でしたが、そこもなかなかに奥が深いところだと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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