過去に書いたもの:地上からのレーザーポインタの光は宇宙から見えるか

過去にFacebookに書いた駄文のアーカイブです。

地上からのレーザーポインターの光は大気圏外まで届くか?って半雑談に、勢いでマジ計算してみたのでまとめ。(計算違い他のツッコミ大歓迎)

結論から言うと送り側と受け側の光学系を本気で軸合わせしたら小出力でも届く。送り側の光学系がいい加減なら大出力でも絶対届かない。

送信側レーザーポインタの照度は1W/mm^2程度。
いっぽう受信側はどの程度まで弱い照度まで受かるか、浜ホトの適当なフォトセンサのデータシート見たら感度0.68A/W,暗電流5nA(センササイズは約3mm^2)とあったので、 暗電流の10倍くらい出力あれば検知可能と思って60nA流すには0.1μW位入射すればいい。
つまり出た光が10^-7倍程度より減衰しなければ受かる。

さて、光の減衰は、
①大気ゆらぎ
②レーリー散乱
③光学系の都合で光が広がる
の3つが効く。
①大気ゆらぎ
地上から星を観測するとざっと2秒角くらい揺らぐらしいので、宇宙から100km下の光源を見ても2秒角平方 = 10^6mm^2 くらいに見える。つまり照度は10^-6倍になる。
②レーリー散乱による減衰
視界良い時で減衰定数が0.1/km 程度らしいので、100km飛ぶとざっとe^-10=10^-4倍くらいになる。

よって、③を無視できるくらい完璧な光学系で送信できれば、受光部には元の10^-10倍程度の照度で届くので、センサの1000倍くらいの面積からレンズで集光できれば検出できる。

 以上の計算(③を無視)は、送信側で望遠鏡みたいな完璧な光学系で平行光を送れた場合。
 ふつうのレーザーポインタの適当なレンズでは、③の広がりが、例えば10m離れたら光は1cm^2程度(面積は100倍)に広がってる。こんなのでは使えて100mオーダーまで。
送信側の光学系がダメな限り、光源の出力をいくら上げてもムダ。

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