光輝を放つあなたへ
「ファンの幸せのためなら何でもします」
私はジンさんの言葉で、とてつもなく胸が苦しくなる。もちろん持病なんかではなく、切ないとか、愛おしいとか、そういう情緒的な意味でだ。何でもといったところでもちろん限度はあるし、彼自身が苦痛を伴うような行為はファンは望んでいない。それにきっとご本人もそういう思いを理解しているだろうし、実際に彼がファンを幸せにするために行う行動はとてもバランスが良いし、誰しもを笑顔にさせてくれるものだと感じる。
つい先日のLAで行われたコンサートで、彼は公演の終盤に突如頭に花を突き刺し、その翌日には無理くり括ったツインテールで登場した。公演の終盤だし選曲からしてしんみりと歌い上げてファンを泣かせにかかるのがよくあるものだが、ジンさんはそんなときでさえファンたちに涙を流させまいとしてくれている。私自身の話をすると、度々メンバーに対して「泣かないで、笑って」とツイートしているし、プロフィール欄にもその旨を記している。そういう私の思いと少しだけリンクしているような気がして、不思議な温かさを感じるのだ。
実際私はBTSの映像やらエピソードを見聞きした際に、ジンさんの行動に一番よく笑わせられている気がする。in the soopでは起き抜けにサンドバッグをぶん殴り、時には早朝から爆竹を鳴らし出す。Run BTS!では突如奇行種の如く独特なステップでメンバーたちの前を通り過ぎていく。(そしてそれに一切触れないメンバー達。)間違いなくその行動力は私にはないものだし、見習いたい一面でもある。(さすがに奇行種にはならないけど。)
ジンさんのみならずメンバーそれぞれが「やりたいことをやりな」と言っているが、長男である彼が率先してそういった行動をとっているのが素晴らしいと思う。韓国は上下関係がなかなか厳しいところもあるようだし、やっぱり最年長がこうして胸を張ってそれと体現していることには大きな意味があるように私は感じた。まぁもしかしたら当の本人は全くそんなつもりもなく、ただ本当に身の赴くままに行動しているだけなのかもしれない。私がそういう内面的な部分の真実を知れるのは一生来ないであろうし、「長男として率先してやっているんだ」と思っておくことにする。正解はどちらにせよ、多分その方がジンさんは嬉しいと思うので。
これだけ見所があってたくさん笑わせてくれるジンさんだが、私は彼を見て涙したことがある。しかも午後9時頃の閑散とした近所のスーパーで、だ。
その日は育児や仕事でとにかく疲れていて、必要なものだけ急いで買って帰るつもりだった。ただ、少しだけ自分を甘やかしてみようかと店内を徘徊していたところで、ポツンと置かれたBTSパッケージのガムを見つけたのだ。ラップラインのものが数点ある中で、端っこにぽつんと1本だけジンさんがいた。くっきりエクボのRMさん、歯が見えるほどニッコリと笑うホビさんとユンギさん。一方でジンさんはあのいつもの「んっ」とした、なんというか小動物のような、とにかく「んっ」としたあの微笑みで私を見つめていた。何故だかその笑顔に釣られて私もフッと笑えてきて、同時にジワリと涙が溢れそうになった。当然私の妄想だけれど、そっと隣にやってきて背中に手を添えてくれたような安心感を感じたのだ。そして買う予定のなかったそのガムを4本共に会計を済ませ、そのまま車に急いで戻ってエンジンをかける前においおいと泣いた。
元々は俳優志望で歌もダンスも未経験、それなのに突然7人組の長男になり、食べざかりの少年たちの食事の世話まで担うことになる。それをやってのけた彼は本当に本当にスゴイ人間だと思う。私も一応家族3人の食事をこさえる立場にあるので、その大変さは痛いほど理解できる。そうやって人一倍努力を重ね、しかもそれを頑として表に出さず、彼は今も世界的アイドルグループの長男として活動を続けてくれている。年齢だけ見れば私と同い年だけど、ついオッパと呼びたくなってしまうほど広い懐を感じざるを得ないのだ。
こんなにも努力して、こんなにもたくさん笑いを提供してくれている彼が、まさかこんな国も違うド田舎の閉店間際のスーパーでまで笑わせてくれるなんて誰が想像できただろうか。こんなに一方的に貰ってばかりで、私はなんて情けないんだとこれを書きながらまた泣きそうになってしまう。もしもの話だけど、もしも彼があの日の疲れ果てた私の姿を見たらなんて言うだろう。「ヤー」と言いながら笑い飛ばしてくれるかな、それとも深く頷きながらいなす様に「んっ」としたあの笑みを見せてくれるだろうか。どちらにしてもきっと彼はまた笑わせてくれるに違いない。私はそんな彼の輝かしい努力の成果をこの目でしかと見届けて、そこから溢れ出る力強い生命力を有り難く頂戴することにしよう。それを糧に努力し、その後に得た私の幸せは必ず、彼自身の幸せに繋がっていくはずだ。
ジンくん、お誕生日おめでとう。私なりの心からの感謝と祝福を、ここに残します。