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配当金にかかる所得税・住民税
確定申告の仕事をしていると、配当を総合課税にするか分離課税もしくは申告不要にするか考えることがあります。最も税額が少なくなる方法はどれなのか、備忘も兼ねてまとめてみたいと思います。
配当金にかかる税金のルール
株式の配当金にかかる税金は総合課税にするか分離課税(上場株式のみ)もしくは申告不要制度の選択も認められます。総合課税の場合には、他の所得と合算されて所得税率が決まりますが、配当控除として10%(課税所得が1,000万円を超える場合には5%)が差し引かれます。住民税率は10%で配当控除は2.8%(課税所得が1,000万円を超える場合には1.4%)となります。つまり、総合課税を選択すると、配当控除という特典が受けられます。
分離課税を選択した場合には所得税率15.315%と住民税率5%で課税されます。
申告不要制度を選択した場合には、上場株式であれば所得税率15.315%、住民税率5%で源泉徴収されるので分離課税と同じ税率になり、非上場株式であれば所得税率20.42%で源泉徴収が行われます(住民税はなし)。
配当はどのように申告するのが得か?
上記を一覧表にすると次のようになります。
右から3列目が総合課税の場合の合計税率、右の2列が分離課税または申告不要制度を選択した場合の税率です。なお、総合課税の所得税には復興特別所得税が2.1%上乗せされるので、上記ではそれも加味した税率としています。
これを見ると、所得金額が695万円以下の方は総合課税を選択した方が得であることがわかります。
終わりに
普段は税務ソフトに自動計算してもらっていましたが、改めてまとめてみると損得の分岐点が明確になりました。高所得者以外は総合課税の選択が有利ということですね。