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連結納税のポイント~デメリット~

今まではどちらかと言えば、連結納税の良い点を中心に説明をしてきました。しかし、連結納税にもデメリットがあります。事務手続が煩雑なうえに、グループの節税に繋がらないというケースもあり得ますので注意してください。

子会社の欠損金の扱い

親会社の繰越欠損金は連結納税開始前のものであっても連結納税に持ち込むことができました。それなら子会社の繰越欠損金も同じだろう、と思うとそうではありません。原則は、子会社の繰越欠損金は連結納税開始前のものについては切り捨てられ、一切利用することができません。

とはいえ、これには例外があります。次に該当する子会社については、連結納税開始前の繰越欠損金を連結納税に持ち込むことができます。
①長期保有(5年超)の子会社
②親会社が株式移転により設立された場合の子会社
③グループ内で設立された子会社
④適格株式交換によって子会社となった会社
⑤適格合併等に係る被合併会社会社等が保有していた子会社
⑥単元未満株式の買取等により100%子会社となった会社

ただし、欠損金はその子会社の所得の金額までしか通算できません。つまり、子会社において所得が生じない限り、連結納税に持ち込んだ繰越欠損金を活用することができないのです。

大きなデメリットではありますが、確かにこの規定がなければ繰越欠損金が多額にある会社を買収することで節税ができてしまうことになります。

子会社の含み益の計上

連結納税を開始する前には、対象となる子会社の資産を時価評価します。このとき、不動産や有価証券に含み益があると、その含み益に対して課税が行われてしまいます。

交際費の損益算入額

単体納税では、交際費は資本金が1億円以下であれば年間800万円まで損金に計上できます。連結納税の場合には、グループ各社ではなく、親会社の資本金でこの判定を行います。したがって、親会社が資本金1億円超であれば、資本金が1億円以下の子会社があったとしても、接待飲食費の50%までの部分を除き、交際費は損金算入できません。

また、親会社の資本金が1億円以下であっても、年間800万円までという枠はグループ全体で使用することになります。単体納税であれば各社で800万円まで交際費が損金になったところが、グループ全体で800万円までに制限されてしまうのです。

軽減税率の不適用

資本金が1億円以下の会社の法人税率は、年間800万円までの所得については15%、それ以上については23.2%です。連結納税制度では、親会社の資本金でこの判定を行います。したがって、親会社が資本金1億円超であれば、資本金が1億円以下の子会社があったとしても、15%という法人税の軽減税率を適用することができません。

また、親会社の資本金が1億円以下であっても、年間800万円までという枠はグループ全体で使用することになります。単体納税であれば各社で800万円まで軽減税率が適用できるところが、グループ全体で800万円までに制限されてしまうのです。

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