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会計や財務が経営にとって重要である理由
会計士の仕事をしていて残念に思うのは、会計や財務の重要性について認識していない経営者の方がいることです。税金を減らすということには皆さん興味はあっても、経営を見える化するための道具としての会計には興味がないようです。
しかし、このような不安定な状況の中で会社が生き残っていくためには、会計を疎かにすることはできません。実際、会計がしっかりしていれば、いろいろな不安への対応策も見えてくるのです。
新型コロナで売上が減少して先行きが不安
この悩みは現在とても多いと思います。売上が減ることによって、融資の返済ができない、人件費が支払えない、家賃が支払えない、納税ができない等お金がなくなるという不安が一番大きいと思います。
しかし、実際にいつまで資金が続くのか?、緊急で融資を受けるならいくらが良いのか?、家賃や納税を猶予してもらう場合金額と期間はどれくらいか?ということが明確にわかっているでしょうか?
このような疑問は会計がしっかりしていればすべて答えがわかります。緊急性の高いものから手を打つことで、危機を乗り越えられる可能性はぐんと高まります。
交渉の材料としての会計
例えば、大家に家賃交渉をする場合を考えてみましょう。何でもいいから、とにかく家賃を下げたり、支払を猶予したりしてもらいたいと伝えたら、相手はどう思うでしょうか?何とか助けてあげたいと思っても、大家もどれくらい家賃を下げれば良いか、支払を猶予すれば良いかという判断がしづらいはずです。家賃を下げてさげてその後元に戻るのであれば交渉に応じても良いわけですが、結局倒産してしまうのなら早めに出て行ってもらって新しい入居者を探した方が良いかもしれません。大家に情報提供をしなければ、望まない方向に話が進んでしまうかもしれません。
では、自社の資金繰りの状況を見やすくまとめて説明したうえで、家賃を今後半年間50%減にしてほしいと交渉する場合はどうでしょうか?なぜ半年間なのか、なぜ50%減なのか、半年後から先の見通しはどうなるのかというのがわかれば、大家としても判断がしやすくなるはずです。また、大家から50%減は無理だが30%減なら可能と言われたときに、その提案を受け入れても大丈夫かどうかということもわかりますので、交渉の落としどころも見つけやすくなります。
会計を正しく使えば、交渉を有利に進めることも不可能ではないのです。
終わりに
今さら会計をしっかりやれと言われてもそんな余裕はない!という会社もあるかと思います。しかし、完璧でなくても良いので会計データをまとめてみれば、何もないよりは正しい判断ができるはずです。困っている今だからこそ、経営の現状を見える化してみませんか?