売上を増やすと倒産する!?
ほとんどの社長が売上を増やすことが、資金を増やし経営を楽にする方法だと思って営業を頑張ります。ところが残念なことに、売上を増やしたことによって倒産してしまうということがあるのです。
このタイトルは決して誇張ではなく、実際に倒産する会社ではしばしば起きていることです。では、なぜ売上が増えて倒産してしまうのでしょうか?
売上を増やすためにすること
まず、売上を増やすために何をするかを考えてみましょう。仕事を依頼してもらえなければ、売上は増えませんので社長をはじめとした営業部隊は、自社に発注してもらえるように走り回ります。そして、注文をたくさん受けたらどうするのでしょうか?
注文数が会社のキャパシティを超えてしまうと、約束どおりに商品の納入やサービス提供ができなくなります。そこで、設備投資やIT投資を行い、人員数を増やし、品切れをなくすために在庫を増やします。
投資、人員数、在庫、このいずれも資金がなければできないことです。したがって、売上が増えることで、会社から多くの資金が流出するのです。
経営が順調なときには問題は起きない
多額の資金が必要となったときに、自社の資金で足りなければ融資を受けることになります。銀行も、売上が増えているのであれば喜んで貸してくれますので、資金を調達することは難しくありません。
そしてさらに売上を拡大するために、投資等を行います。再度資金が足りなくなるので融資を受け、売上は右肩上がりに伸びていきます。会社を経営していれば、これほど楽しいことはないのではないかと思います。
ただし、この筋書きは、経営が順調であることが前提です。もし、あるとき突然、商品やサービスが売れなくなってしまったとしたら…いったいどうなってしまうのでしょうか?
売上が減ることで支払ができなくなる
投資等に使った資金は銀行から融資を受けたものです。つまり、借入契約に従って、返済を続けることが必要となります。また、人員が増えているので人件費も増加しています。
この状態で売上が減ってしまうと、返済や人件費を支払うための資金がなくなります。銀行によっては追加で融資をしてくれる場合もあります。しかし、これは一時の資金を賄うだけで、今までよりも返済額を増やしてしまうことになります。
そして売上が回復しなければ、いつかは銀行も融資を止めざるを得ません。そうすると、資金が足りなくなり、倒産ということになってしまうのです。
売上を増やすための資金は使いすぎてはいけない
上記の話で、いったい何がいけなかったのでしょうか?売上が減少し、それを回復させることができなかった社長の手腕でしょうか?
売上の減少に関して、社長に責任がないわけではありませんが、震災やコロナウィルスのように不可抗力によるものもあります。つまり、売上が減少したことが悪いのではなく、売上が減少しても大丈夫な範囲に投資額を抑えなかったことがいけなかったのです。
売上が増加傾向にあると嬉しくて、さらに売上を拡大するために資金を投入したくなるのはわかります。しかし、身の丈を超えた投資はいつかは限界に達し、破綻してしまう、このことを正しく理解しておかないと企業を存続させることはできません。
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