受験勉強して遊んでいる暇があったら 見聞を広めなさい! その3
大学卒業学年を迎えると、みんな「就職活動モード」に入るよね。
僕は、授業自体ほとんど出ていなかったので、就職ガイダンスなんてものがあったのすら知らなかったし、就職指導室も知らなかった。
ただ、いつものように暇な時に友人に「麻雀でもしようか?」というと、「いや、会社訪問があるから」などと言って断られることが増えて、「ああ、取り残される」みたいな恐怖感というか疎外感みたいなものが漠然とあった。
でも、子供の頃からへそ曲がりで、人と同じことをするのが嫌い。
だから、みんなが公務員や大企業を目指すなら、好んで新聞の求人広告を見て、社員が10人以下の零細企業へ応募をしようとした。
だけど、その前段階があるんだ。
それは大学3年生の時。
以前から興味があった出版社に通いつめ、人事の係長さんと親しくさせていただいていた。
もう、ライター志望の編集者見習いにでもなれそうな気でいたのだ。
それが、時代は円高不況。
もちろん出版業界も引き締めがあったらしい。
ある日アパートにその係長から電話が。
「ごめんな。来季の新卒採用な0人だと決定したって・・・」
言葉を失った。大学4年の9月だったかな。
友人たちは皆、内定をもらったと喜んでいた時期だ。
そこから、新聞の求人広告を見て、「新卒可」という会社へ電話をかけては断られ、かけて話断られの連続。だんだん、業界も業種も、希望とはかけ離れていった。
ついには、アパートの近くにあるという理由だけで「システムエンジニア」の求人まで応募した。
適性検査で落とされた。
まあそうだよな。受ける前からわかっていた。動機が不純すぎる。
いつの間にか、中古車の営業まで申し込んで、入社試験に行かなかったり。車が好きだったというだけ。ホンダHISCOだったかな?申し訳ないことをした。
なぜ僕がここまでしなければならないのだろうかと考えた。
十分な仕送りはあるのに、なぜ働かなければならないのだろうかと。
そして行き着いた答えが、小学校の社会科から受けている憲法のある意味洗脳教育「勤労と納税の義務」のせいだろうと。
そうか、国民の義務を果たすために、就職をしなければと思って焦っているんだな、と納得したんだ。
なんだか、今一歩モチベーションがわかないなあ、と。
そうしたら、ある会社を不採用になった時に、励ましてくれた女性がいて、「この人のためなら働ける」と思ったんだな。自分のために働くのも国のために働くのも嫌だけど、好きな女性のためなら働くことも苦にならないだろうと。
それから、就職する気満々になったわけだ。単純だけど。
<続く>
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?