志存高遠 目標は高く持て その11
あなたは運命を信じますか?
宗教の勧誘じゃあないんだから・・・。
僕は運命論者じゃあないんだけど、生きていると「逆らえない流れ」って何度か経験している。
特に、自分の意思が固まった時とか。
その時もそうだった。
当時の義兄(今は訳あって・・・・・平たく言えば離婚したからということなんだけど)から、「新聞社の知り合いが、支局で欠員が出たって言うので、義理の弟がマスコミ志望だったはずだけど会ってみる?って言っておいたぞ!」って。
そうなんだよ。
僕はもともと、物書きになりたくて、父に相談したら「だったら4年間大学へ行って遊んで来い!」って言われて、本当に遊んでたら就職できなくて、父のコネで商社マンになっただけなんだ。
大学3年の時からある出版社に入りたくて、ずっと通っていて、人事の係長さんとも仲良くなって、もう入社する気でいたら、大学4年の9月かなあ、アパートにその係長さんから電話があって「ごめん。さっき会議で新卒の採用枠0になってしまった・・・」って。
もう、人生終わったと思った。
そんな話を、義兄と飲みながら話していたんだな。
それを覚えていて話していてくれたんだ。
だから「ぜひ会いたい。いつでもいいよ。履歴書は用意するから」って言ったら、その場で電話してくれて、面接をセッティングしてくれた。
そして支局で1次面接。
本社で2次面接。
なぜか広告部の責任者。
そして、最終面接は社長。
「採用するけど、最初の給料は・・・・・・・」
えっ、えっ、えっ。
そこには見たことのある数字が。
新卒で渋谷の商社からもらった初任給と同じ。
「すみませんが、家族もいるのでそうだんさせてください。」
と言ったら、なんと言われたと思う?
「最初からどこの馬の骨ともわからない男に高級を払う馬鹿はいないからね」だって。
おいおいおい!
社長室を出たら、広告部の責任者が心配そうな顔をして待っていて、別室に手招きをするのであとについて入った。
「何か失礼なことを言われたかもしれないけど、気にしないで。俺たちはぜひ入社してほしいと思っている。給料も必ずできる限り早く見直すから我慢してほしい」と。その誠実な人柄に僕は好感を持った。
だてに商社マンとして修羅場をくぐってきたわけではない。
人を見る目は持っている。
この人は信じられる。
この人となら一緒に仕事をしたい。
そう思った。
「でも、書く仕事がしたいんです。社長はまるで、僕に売り上げを期待しているような口ぶりで・・・」
「最初は広告部で自分の下に付いてもらって、支局の担当をしてもらうけど、いずれ書けるようにしてやるから心配するな!」という。
一応、年収が半分になることを妻に相談しないと即答はできないけど前向きに考えます、と答えて帰宅した。
でも僕の中では、「コンサルタントになるための道が開けた」と思えた瞬間だったんだ!
これが、運命なんじゃあないか?とね。
<続く>
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